ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 31-40 > Part 39 > 告白 2016/04/30 88 名前:巨人大好き 投稿日:03/05/25 19:39 時代は今から三十年以上も前、1969年の東京でのお話 当時の日本、特に東京は学生運動の真っ只中 その頃大学3回生だった健輔ももちろん参加していました ある秋の日、いくつかの大学のセクトが集まって 大規模なデモが行われることになりました 健輔が集合場所の広場に着いた時には すでに200人くらいは集まっていました みんなヘルメットをかぶり、鉄パイプやバットを持っています 滑り台の上では誰かが演説をしています その熱気はすごいものです 健輔は少し離れた所で 演説を聞くでもなく、その様子を眺めていました 89 名前:巨人大好き 投稿日:03/05/25 19:40 そんな時でした ベンチに座り、何か本を読んでいる彼女を見たのは健輔は「こんなときに変わった人だな」と思い 彼女に近づいていき、話し掛けることにしました 彼女はある美大の学生で、健輔と同い年 名前はサナエであること 暴力は反対だが、今の体制には腹が立っていること 三島由紀夫が好きで、彼氏はいない などといった事を聞き出しました 初めて会ったにしては上出来です そして彼女は美しかった それからもこの合同デモは何回か行われ サナエとも何度か会うことがありました 健輔はだんだんサナエに惹かれていきました 90 名前:巨人大好き 投稿日:03/05/25 19:41 年が明けて、健輔も4回生になりました そして彼は決断します サナエに告白しよう、と しかし、彼はふられるのが恐かった そうなれば、もう二度と彼女と話をする事もできないのではないか 悩んだ挙句に彼はこうすることにしましたできるだけ冗談ぽく 「サナエちゃん、俺と結婚しない」 これならもしふられても ジョーダンに決まってるじゃん、ってごまかせるからです しかし彼女は「いいよ、結婚しよう」と答え 二人はそのまま役所へ 彼らは恋人の期間もなしに夫婦になりました そして五年後、私が生まれました B! LINEへ送る - Part 39, 洒落怖