洒落怖超まとめ

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お持ち帰り

   

933 本当にあった怖い名無し 2006/05/19(金) 11:55:04 ID:bpD0IVZc0

ちょっと反省して、真面目に投稿するよ。
長野オリンピックがまた話題にすらなっていなかった昔の話だ。
十二月頃だろうか、長野市の新興住宅街で土砂崩れがあり、何人もの犠牲者が出た。
私は、その事をテレビのニュースで知った。
次の日、仕事で元請の会社に行くと、三階の窓から、ニュースで報道された事故現場が見えた。
山にへばりついているような住宅街の一部が、抉り取られたようになっている。
「あそこは、元々そういう土地で、住宅を建てるなんて、どうかしてるよ」
と、近くに住んでいるという社員が教えてくれた。
好奇心から同僚と一緒に、事故現場に行ってみようという事になった。
事故現場に着いて、立ち入り制限の外から、現場の惨状を見たのだが、
すぐに来たことを後悔した、そのぐらいひどい状態だった。
その夜、いつものように二階で一人寝たのだが、夜中に目が覚めた。
部屋の中にだれかいるようなのだ、寝ている自分の周りを歩いているような音がする。
ドン、ドンという音がして。その音が遠くなったり、近づいたりする。
歩いているというよりは、乱暴に足を踏み降ろしている、というような音だった。

934 本当にあった怖い名無し 2006/05/19(金) 11:55:48 ID:bpD0IVZc0

続き
「しまった、あの事故現場から、霊を連れてきたんだ」
自分の軽率な行動を呪いながら、
蒲団をかぶって、「早く、どこかへ行ってくれ!」とだけ願っていた。
そのうち、音がしなくなったので、おそるおそる、蒲団から顔を出して、明かりを点けた。
部屋に誰かいるような気配がなくなっている。
部屋の中を見回すと、二階のベランダに出る、窓が少し開いていた。
「そうか、この窓から出て行ったんだな」と思った。
朝、同僚にこの事を話すと、
「窓を閉め忘れただけじゃないの」と言われたのだが、
長野で十二月に窓を閉め忘れるなんて事は、ないはずだ、そんな事をしたら
寒くて眠れないはずだ。
その後、怪奇現象は起きていない。
好奇心で事故現場に行ったりしないほうがいいと思う、霊のお持ち帰りは、シャレにならない。

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