洒落怖超まとめ

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ねかあねこ

   

746本当にあった怖い名無し sage 2009/01/07(水) 22:15:51 ID:OttzX8vc0

突然ですが、僕の人生で唯一怖ろしかった話を
書かせて貰おうと思います。

僕は、どこだかは言わないが、すごく田舎の出身だ。
そして、僕の田舎にも洒落怖でもたびたび出ているような
古い言い伝えのようなものがあった。
それは「ねかぁねこ」と言う妖怪のたぐいの物で
こんな話だ。


昔、ある僧侶が突然目が見えなくなったと言って
騒いだことがあったそうな。
僧侶に何故そうなったか聞いてみると
こう答えた。

ある日、歩いていると、ネコマタのような
大きな猫が一匹、どこからともなく出てきて近寄って来たらしい。
その猫は眼が緑色に光っており、
遠目からでも存在が分かったため
僧侶は勇敢にも捕まえようとした。
身を構えて待っていて、いざ姿が見えるくらいの距離に
近づいてきたと思うと、突然目が見えなくなった、と。
ただ覚えているのは、緑色に光っていた、濁った眼だという。

しかしこの話の怖いところは、
その僧侶の目を見た者は僧侶と同じように
視力を失ってしまったと言うところだ。
つまり、僧侶の見た猫の能力が他人にもうつってしまうらしい。
そのため、目が見えなくなってしまった人は目隠しをさせられ、
区別されて過ごしたそうだ。
人々はその猫を「ねかぁねこ」と呼び、大変怖がったそうな。

747本当にあった怖い名無し sage 2009/01/07(水) 22:16:40 ID:OttzX8vc0

まぁなんと言うか、今思い出してみると
子供を怖がらせるにはもってこいの話で、
例に漏れず「夜に外に出るとねかぁねこがでるよ」だとか
「山にはねかぁねこがいるから入るな」だとか言われてきたわけだ。

さて、前置きはこの辺にしておいて、
僕がここで話したかったことに戻ろうと思う。

実は僕には、同じ田舎(と言うか地域?)の出身の
幼なじみがいて(仮にO君とする)、
まぁ男なんだが、非常に仲が良く、大学までずーっと一緒だった。

それは大学2回生の夏休み。
地方から出てきて、貧乏だった僕たちは
暇で暇でしょうがなかったから
宿代がいらない旅行、と言うことで実家の方に帰った。
寂しくも男2人でだが。
車で田舎に帰ってみると、さすがはド田舎、何にも変わっていない。
先の話をよく話してくれた祖母も元気でいたし、
家族も僕たちを歓迎してくれた。
挨拶もそこそこに、遊ぶ場所を探しに外をぶらぶらしていると
O君が「山へ入ろう」と言い出すした。
夏の山だし楽しそうではあったが、僕はねかぁねこの話が
頭によぎり、あまり気が進まなかった。
しかしせっかく田舎に帰ってきて、何にもしないで過ごすのは
もったいないし、結局入ってみることにした。

748本当にあった怖い名無し sage 2009/01/07(水) 22:17:59 ID:OttzX8vc0

山に入ってみると、木がいっぱいあったり(当たり前だが)、
虫が居たりでなかなか楽しく、気づかぬうちにどんどん奥へ行った。
中ではまぁ秘密基地を作ったりして遊んでいたんだけど、
いつの間にかすっかり暗くなり、今すぐにでも帰ろうということになった。
本当にあっという間に暗くなったから、とても驚いたのを覚えている。
駆け足で戻ろうとするが、暗さもあり、すぐに道が分からなくなった。
焦ってしまい、この方向だろうという方に走っていると、
O君が「あっ・・・」といい立ち止まった。
何だろうと思いO君が見ている方向を見てみると
そこには緑色の光があった。

ねかぁねこだ・・僕はそう思い大変な恐怖にかられ、
そして、まさか居るとは思ってなかった妖怪を眼にしたことで
放心状態というか、思考停止してしまった。

しばらくすると、O君はとんでもないことを言った。

「俺がとらえる、お前は逃げろ。」

普段から気が強く、しかし正義感に強いO君は
時々人の救うために
大変な無茶をする人だった。

しかしこの無茶な発言には理由がある。
それは先の話に続きがあるからだ。

749本当にあった怖い名無し sage 2009/01/07(水) 22:18:44 ID:OttzX8vc0

僧侶が視力を失ってから、僧侶の目を見た者が出てしまい、
さらに数名が視力を失ったそうだ。
そして人々は、猫に会うかもしれないという
恐怖から外に出れずにいた。
村全体が停止してしまった。
そんな状況を打破すべく、一人の若者が

私がねかぁねこの眼を潰し、捕らえる。
捕らえたら、最初の僧侶の寺に置かせてほしい。

と言い出した。
当然周りは反対したが、若者の意志は固いもののようで
直ぐに出ていってしまった。
村人は困ったが、万が一捕らえてきたときのために
寺の住職は若者が来るまでずっと待っていたらしい。

そして次の日、なんと若者は戻ってきた。
言ったとおりに眼を潰し、瀕死の状態の大きな猫をもって。

どうやって捕らえたのかと聞くと
若者はこう話した。

750本当にあった怖い名無し sage 2009/01/07(水) 22:19:10 ID:OttzX8vc0

猫に会うために村中を歩いたが、どんなに探しても猫は居なかった。
そこで、森の中にいるのではないかと思い、入ってみると
すぐに、暗い森の中で光る日取りの光を見つけたそうな。
しかしその光を見た瞬間から、体が動かなく、というか
体を動かす気がなくなった。

僕たちがなった状態と全く一緒です。

その光は、おばあさんが歩くくらいの速さで近づいてきて、
ついには姿が見えるくらいの近さになったが、
若者は冷静に、直視しないように、斜めに相手を見た。
そうすると、確かにただの大きな猫であり、
しかしこちらの目をじっと見ているのが分かったそうだ。
相手が猫だ、とわかると何故か元気が出てきて
足元まで来た瞬間に猫の胴体に抱きつくように飛びかかり
直ぐに眼を潰したそうだ。
猫は抵抗することもなく、簡単に捕らえられたそうだが
眼がつぶれても尚、顔はこちらを向いていたそうだ。


それからといういもの、ねかぁねこが捕まったと分かった人々は
安心して生活できるようになったそうだ。
ただし、目が見えなくなった人々は治らなかったそうだが。

751本当にあった怖い名無し sage 2009/01/07(水) 22:20:13 ID:OttzX8vc0

しかし、ねかぁねこに会ったら、この話のとおりに眼を潰し、
寺に預けないと永遠に付いてまわられる。という話だった。


話をまとめるのが下手で本当に申し訳ないが、つまり
今の状態から逃げ切るには、どうにかして眼を潰し、
捕らえて、持ち帰らなければならない。
O君は一人でそれをするから、逃げてくれと言うのだ。

それを聞いた僕は、情けないですが、直ぐに走って逃げた。
ヤツから今すぐにでも逃げたかったのだ。
全速力で走ると、何故か直ぐに森を抜けられた。

森を抜けるとまっすぐに家に向かい、家族のみんなに
今あったことを話した。
祖母が「寺へ行け!坊さんトコ行って来い!」と
本当に大声でいってきたから、びっくりしながら
大急ぎで寺へ行った。
寺に行き、お坊さんに話すと、O君の無事を
祈るお経を読み始め(何故山に入った、等とかなり怒鳴られましたが)
僕も一緒に正座してO君を待った。

朝になってもお経を読み続け、ついに夕方くらいになったとき、
寺に祖母がスゴイ形相で入ってきて言った。

752本当にあった怖い名無し sage 2009/01/07(水) 22:21:38 ID:OttzX8vc0

「O君見つかったで!」

すぐに祖母の言う場所にお坊さんと行くと、
確かにO君がいたが、お坊さんはO君を見るなり
「起こすな!みられとる!」と怒鳴った。
お坊さんは一人でO君を抱え、寺へ連れていき、
丁寧に寝かせた。そして僕にこういった。
「目は見るな。斜めに見ろ。これが見られた目じゃ。
山になんかはいらんかったらこんなんならんかったじゃろう。」
目を直視しないように気を付けて見てみると、
気絶しているようだが、目を開けていた。
緑色に濁っていて、瞳はないようで、とても不気味だった。
「気の毒じゃがこの子はもう目がみえん。お前はこの子に救われたんじゃ。」
といわれると、自然と涙がこぼれた。
親友であるO君を見捨て、逃げて帰った結果がコレだ。
自責と後悔の念でいっぱいになった。
お坊さんは続けた。
「この子はこれからここで暮らしてもらう。
めくら増やしちゃいけんからな。」
そういってO君に目隠しをした。

その後、僕は大学を中退し、就職した。
O君は今でも寺にお坊さんとしている。

今でも毎年会いに行くが、
O君は歓迎して迎えてくれる。
そこにはむかしのままのO君がいるんだ。目隠しをしている以外。

駄文、長文、失礼しました。

793本当にあった怖い名無し sage 2009/01/08(木) 22:54:17 ID:Cw3EXqOr0


すいません
昨日書き込みしたものです。
今さっきメールで実家の母に聞いたところ
「ねかぁねこ」ではなく
「めかぁねこ」だそうです。
母も出身が一緒なので間違いないと思います。
母曰く、「めくらねこ」が訛ったものではないか、とのことです。

何故僕たちが出会ったかですが、
母はわからないといってました。
寺に電話すればお坊さんに聞けると思うので
今度電話して聞いてみようかと思います。

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