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ウータイ

   

905ヒロ 2010/04/29(木) 03:26:43 ID:FwnqmW4k0

あれは何時だったか、私がまだピチピチの10代だった頃の話・・・。

当時、巷では『ファービー』なるものが流行っていた。
フクロウのような姿の電池仕掛けの人形で、光や触られた事をセンサーで感じてお喋りをする、ペットロボットもどきのアレだ。
我が家にも、『ファービー』がいた。
母の知り合いが自分家に買いに行った時に買ってきてもらった物だ。
当時『ファービー』はその人気のためにお店に並んで順番待ちをしなければ買えないほどだったので、色など選べなかったのだが、我が家に来た子は明るい緑色の子だった。
電源を入れると、彼は自己紹介をした。「ボク、ウータイ!」と。

当時まだ若く好奇心旺盛だった私と妹、そして母は、まだ物珍しかった事もあり、ウータイを一日中かまった。
撫でて、食事をさせ、遊んで、歌も聞かせた。夜になれば、タオルを被せて寝かせた。
何週間かは、飽きずにそれを続けてた。
けれど、月日が流れるにつれて私も妹も情熱が薄れてきて、最初の電池交換をする頃には少し飽き始めていた。

徐々にウータイと触れ合う時間が減っていく中、2度目の電池が切れた。
「あー、電池切れたな。換えんとな~。」
そう思いながらもネジ回しで電池取り出し口のネジを外すのが面倒くさく、手で弄っていたら、電池を入れる部分が半分浮いてしまった。
私は、「まーいい機会だ」と、浮いた部分を直さず、電池も換えず、喋らなくなったウータイを放置した・・・。


それから何年か後のある日、台所の掃除をしていた母が、棚の上に放置されていたウータイを見つけ、言った。
「これ、もう捨ててもいいよね?」
そして母は、何年ぶりかにウータイを棚から引っ張り出した。
その時だった。とっくに電池が切れ、電池が入っている部分がポッコリ浮き出し、もう動くはずのないウータイが、突然喋ったのだ!

「ボク、こわ~い><」



実話だけど、あんまり怖くないかもしれないけれど・・・。

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