ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 51-60 > Part 54 > キューピッド 2016/05/14 525 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/21 05:29 私にはA子という彼女がいました。 しかし社会人になり仕事が忙しくなると、デートの時間も なかなかとれず、お互いイライラが募り、すれ違いばかりで、喧嘩が絶えなくなりました。 ある日、彼女と大喧嘩をし、私は絶縁の言葉を投げかけ別れました。 その晩、変な夢を見たのです。 見知らぬ町を歩いていると、遠くから麦藁帽子をかぶった少年が自転車で近づいてきました。 そして「僕はA子の兄だ。妹と別れるなら責任を取れ」と言うのです。 彼女には生後3ヶ月で亡くなった兄がいたのは知っていました。 私が謝ると、お兄さんが着いて来るように言うので、従いました。 しばらく歩くと鬱蒼とした森に出ました。 突然、空から一羽の鳥が襲い掛かって来て、私の顔やら手やらを 噛み千切ってきたのです。私は血だらけになりながら、無我夢中で逃げましたが どこまでも追ってきます。そしてよく見ると、それは鳥ではなかったのです。 怒りに顔を歪め、恐ろしい形相をしたキューピッドなのです。 526 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/21 05:32 歯をむき出し、羽根をばたつかせて、「キーキー!」と奇声をあげて追いかけてきます。 いつの間にかお兄さんが自転車で私に併走していて、 「殺さないと食べられるぞ!」と叫びました。キューピッドが飛びついてきて 肩に噛み付いてきました。血が噴出し、激痛が走り、本当に殺されると思い 必死でキューピッドの首を絞めました。キューピッドは血だらけの顔を 苦しそうに歪め・・・・。その時、何故か悲しくなり、手の力を緩めました。 キューピッドは急に大人しくなりました。同時に私の意識は朦朧とし、気を失いました。 遠のく意識の中、お兄さんが「それはA子と君の子供だ。」と言ったのを聞きました。 目が覚めると、すぐにA子に電話をしました。すると、A子は泣きながら 妊娠していることを告白しました。喧嘩ばかりで言い出せなかったのだと。 そしてなんと、黙って中絶することを考えていたのだと。 私達は話し合い、よりを戻しました。 それからは喧嘩もしなくなり私達は結婚し、A子も無事出産しました。 生まれた子供は夢の中のキューピッドとは全く似ていません。もちろん。 ただ、もしA子と別れ、中絶させていたら、この子は、あのキューピッドのような 恐ろしい表情で、この世から消えていっていたのかも知れません。 B! LINEへ送る - Part 54, 洒落怖