洒落怖超まとめ

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クローゼットの中身

   

640 本当にあった怖い名無し sage 2005/06/03(金) 00:00:22 ID:aHM4ouJk0
学生の頃のことですが、仲の良かった子のアパートに初めて泊まりに行った時です。
夜になって二人でビールを飲みながらテレビを見ていました。
私の右側の壁にはウォークインクローゼットがあり、正面のテレビを見ていると
右目の視界にクローゼットの扉がうつるのですが、どうもさっきからチラチラと
何かが動いているような気がするんです。
気になるなぁと思い右側を見てみると観音開きになっているクローゼットの扉が
少し開いてるんです。
友人は、「ワンルームで狭いからついついクローゼットに物を詰め込んでしまう。
衣装ケースとか掃除機とかで中は満タン。で、扉が閉まりきらなくて時々自然に
開いてしまう。」というようなことをその時は言っていました。
それから数分後、友人が新しいビールを取りにキッチンへ。
部屋に一人になった私はなにげに自分の右側のクローゼットのほうを見ました。
するとキィ~っと扉が開いて、中から青白い手が這うようにして出てきたんです。
その時まで私は霊体験など一度もなく、どちらかというと信じていなかったのですが
あまりの光景に目をそらすこともできずに固まっていると、キッチンのほうから
両手にビールを持った友人が部屋に戻ってきて、なんと足で扉をバンッと蹴って閉めました。
そして「見た?」と。
643 本当にあった怖い名無し sage 2005/06/03(金) 00:04:58 ID:QWxnwUlB0
・・・友人が言うには、このアパートに越してきた初日から
あの手は見えていたそうです。そしてその手はウォークインクローゼットの
外へ出ようと這っているようなのですが、なぜか一度も出てきたことがないそうで。
「何かの事情で外に出られないんだわね」と友人がのんきに語るので
「なんで引っ越さないの!」と私が訊ねると、「お金がない」の一言・・・。
友人はお家の事情で当時すでに自活しており、奨学金で学校に通い、生活費のためにバイト三昧の
毎日を送っていた頑張り屋でした。私は「私も半分出すから引っ越そうよ」と言うのですが
「う~ん、でもココ家賃安いし」と。

644 本当にあった怖い名無し sage 2005/06/03(金) 00:06:10 ID:aHM4ouJk0
その後、いろいろとその「手」について友人は語り始めたのですが、
「クローゼットの中は満タン」というのは嘘で、中は空っぽだそうです。
そりゃあ気持ち悪くて荷物なんか入れられないよね、と私は思ったのですが、
彼女が掃除機だとかの物をクローゼットにしまうと、翌朝になるとクローゼットの扉の前に
荷物が全部出されているそうです。
友人は「ただでさえ狭いワンルームなのに・・・迷惑だわね」と。
初めての恐怖体験でしたが、「手」よりも友人ののんきさのほうが怖かったです。
私は怖くて二度と泊まりに行けませんでしたので、彼女が私の家に遊びによく来て
くれました。会うたびに「手は?」と私は聞いてしまうのですが、彼女は「元気だよ」と。
結局彼女は家賃の安さが魅力ということで、そのアパートに卒業まで住んでいました。

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