洒落怖超まとめ

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ポケベル

   

894 名前: 1/4 04/02/17 18:44
電子機器(?)といえば昔はポケベルの時代があったよね。
そのポケベルにまつわる不思議な話を・・・。

昔、明け方に突如ポケベルがなったんだよ。
俺も夢うつつでロフトベッドから降りてポケベルを手にしたら
「デンチ ヲ コウカン シテ クダサイ」なんてでてやがんの。
ふざけんな、こっちゃ寝てんのに、そんなこと教えなくても
良いんだよ! ってなもんでそのまま放置して寝たわけさ。

ウトウト、と夢の世界に移っていくと、今度は女の人が
うわんうわんないてる声で目が覚める。気味が悪いなぁと思いつつも
目を開けてみると、泣いてるのは、My母。
激怒しようと起き上がった俺に、My母はこういった。
「今、実家のおばあちゃん(My母の母)が亡くなった・・・」
「え!?」

続く・・・

895 名前: 2/4 04/02/17 18:46
一通りお葬式もすんで、初七日が過ぎ、俺の身辺も落ち着きだした。
まあ流石に2、3週間たってたら悲しみも随分と癒えて来るわな。
んで当時、コナをかけてた女の子から念願のベルが入ったんだよ。
うひょ、やっと鳴らしてくれたかよ、ハニー。ってなもんで
コールバックをかけようとしたとき、ハッと手が止まったんだ。
ポケベルの音で気が付いたんだ。

これ・・・ばあちゃんが死んだ朝、電池切れになってたじゃん?

それから電池換えてないんだ。
その間、着待ちオンリーだったらそれくらい持つって言う人もいる
だろうけどさ、ベル持つくらいだからそれなりに友人いたし、
いつもの頻度で友達とくだらないメール(メッセージ、だったな)
をやり取りしてたんだよ。
そして、中学生のとき、一人暮らしのおばあちゃんちに
泊まりに行った時の会話を思い出した。

続く・・・

896 名前: 3/4 04/02/17 18:47
おばあちゃんは嫁さんと(My母の兄の嫁)折り合いが悪くてさ。
納屋みたいな場所を改造した離れに一人住んでたんだ。
それまでの人生、本当に苦労した人で、人生最後までこんな
境遇に晒されるのは、本当に俺も釈然としなかった。
だから俺はおばあちゃんに、俺んちで暮らしたらいいって
言ったんだ。
「老い先短いワタシがそんな迷惑かけなくてもいい。
 ここでひっそり暮らしていくから。ありがとうね」
礼を言われる筋合いのものかも、俺はわかんなかったんだけどもさ。
約束をしてもらったんだ。

ここで一人ってのは、あまりにも寂しい。
万が一、おばあちゃんが死んでしまうときには、どうか霊になってでも
俺んところに来てくれ。

おばあちゃんは微笑みながら、首を縦に振ってくれたよ。

続く・・・

897 名前: 4/4 04/02/17 18:48
そうか。
おばあちゃんは約束を守ってくれたんだ。
俺が鈍感で馬鹿なばっかりに、気付いてあげられなかったんだろうかなあ。
ベル鳴らすまで、やきもきしながら俺のこと呼んでたんだろうかなあ。
そう考えたら、少し悪いことしちゃったかななんてね。
あっちの世界のことは良く知らないけどさ、時間一杯までここに居たのかも
知れないけど、挨拶できなかった上に半切れでベル止めちゃったよ。
おばあちゃん、ごめんな。

ちなみにそのベルを鳴らした女の子は
「あ、ベル番(号)君のだったの? 誰のかなーと思って。ばいばーい」
ってその後連絡なし。

キューピットにはなってくれなかったな、おばあちゃんめ。

おわり

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