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マイホーム

   

22 名前: マイホーム 04/07/04 22:15 ID:Ai/HdrtO
人生において、家を購入するというのは最大級のイベントの一つだろう。
中古とは言え、念願のマイホームを購入したその家族も、これから始まる新しい
生活に心を躍らせたに違いない。
しかし、その家族の日常が、徐々にではあるが崩れ始めたのは、
引越して僅か数週間後のことであった。

まず最初は、夫の事故。幸い大事には至らなかった。
続いて、子供の病気。2人の子供達が次々と体調を崩す。しかも原因不明。
そして妻の怪我。その怪我で、しばらくの間、仕事を休職せざるを得なかった。

あまりに立て続けに起こる不幸な出来事に、家族全員が得体の知れない
何者かの存在をじわじわと感じ始めていた。
今後の事を考えると、何か手を打たなくてはならない。
そう思った家族は、ある霊能者にお祓いを依頼することにした。
その霊能者も、家を見た途端、その異常さに気付いたという。
何か澱んだ空気がその家を取り巻いているのが感じられる。
怨念と言う言葉が一番当てはまる。
今までの出来事を考えると、将来、死者が出てもおかしくない。
それほどの念の強さを感じたらしい。

23 名前: マイホーム 04/07/04 22:17 ID:Ai/HdrtO
幸い、霊能者に力があったことと、その力の限りを尽くしたお祓いの甲斐もあって、
その後は家族に不幸らしい不幸は訪れなかった。
妻も以前と同様、看護士の職に復帰して忙しい日々を送っていた。
そんなある日の事、その看護士(妻)が働く病院に、一人の急患が運ばれてきた。
どうやら交通事故の患者らしい。
たまたま、その患者を手術室に運ぶことになった看護士(妻)は、患者の顔を見て声をあげた。
ストレッチャーに乗せられているのは、紛れも無く自分たちがお祓いを依頼した霊能者であった。
状態は決して良くないみたいだ。

そしてそれは、ストレッチャーを押して手術室に行く途中に起こった。

今まで瀕死の状態だった患者の霊能者が、いきなり上半身を起す。
そして、看護士(妻)の両腕を掴み、うつろだがその奥に狂気を宿した様な目で睨むと、こう叫んだ。

 よ く も 追 い 出 し て く れ た な あ ぁ !

そしてまた、意識が断ち切れたかのようにストレッチャーに倒れこんだ。
その後、霊能者は治療の甲斐も無く、二度と目を覚まさなかった。
こうして復讐は完了された。

同じアパートに住む奥さんの同僚の人の話です。
多少脚色有りだが、話の展開に改変等は一切無し。
多分、祓われた霊が祓った霊能者に憑いてしまったんだろう。

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