ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 41-50 > Part 49 > 一人にしないで 2016/05/09 93 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/08/12 01:48 学生の頃知人から聞いた話。 そいつの家から車で小一時間ほど走った山中に、一件の洋館があった。 もう大分以前から人は住んでいなく、荒れ果てたその様は いかにもと言った感じで、実際様々な噂が絶えなかった。 地元では有名な、いわゆる心霊スポットだった。 知人は友達の二人と、ある日の深夜にドライブを兼ねて、ホンの軽い気持で出かけていった。 灯一つない山奥の砂利道をほどなく走っていくと、 うっすらと、月明かりに写し出されたその洋館についた。 虫一匹鳴かない静寂のなか、三人は意を決して車をおりた。 94 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/08/12 01:50 中略 30分ほど敷地内を歩いた。 かなりビビったが特に何があるわけでもなく、 結局は途中で飯でも食って帰ろうということになった。 来た時と同じ砂利道をのんびりと緩やかに下っていく。 前に友達の二人、後部座席に本人。 やがてアスファルトに変わり1キロも走っただろうか、車は静かに路肩の草むらに停まった。 どうやら運転している友達の様子がおかしい。 停止してもなおハンドルをしっかり握り締め、 かすかに震えているのが後部座席からも見てとれる。 助手席の一人もただならぬそいつの横顔を、ただ凝視している。 95 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/08/12 01:52 震えるそいつの口許から、声にならないような声が漏れている。 「…どうした…?」後ろから声をかける。助手席も 「なによ…何で停めたの?」 暫し沈黙。 「おい、どうした、大丈夫か…?」やっとそいつは絞り出すようにかすれた声を発した。 「お、俺を…一人にしないで…くれ、く、くれるか?」 「???…だからどうしたの?何があったの!?」 「俺を…置いて…いかないでくれ、くれるか?」 「何言ってるの!?」 「や、約束してくれ、俺をお、置いてかないで、逃げないと…」 「…わかったよ。で、どうしたのよ、何か見えるのか?」 96 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/08/12 01:54 「約束してくれ…」 「わかったって!で、何があったの、どうしたって言うのよ」 そいつは唇を震わせながら言った。 「今…、誰かが…俺の足首を掴んでいる…!」 約束は簡単に破られる。 そいつを残し、二人は車の外に飛び出した。 暫くして恐る恐る車に戻ると、そいつは失神していた。おまけに失禁までして…。 もう二十年も前の出来事だそうだ。 B! LINEへ送る - Part 49, 洒落怖