(続き)
どちらかが、ではないのです。
母はワゴン車が無視したのを知っていたのです。
「証言してください。私は悪くない」
そう訴えていたに違いない・・・と思った母は警察に電話しました。
案の定、ワゴン車の運転手はシラを切っていたのだとか。
その後もシラを切りとおせると思ったのか、とうとう裁判にまでなってしまい母は憂鬱でした。
もともと人前で話すのが苦手なのにましてや裁判です。
ところが、裁判の三日前くらいから
「いやだ、いやだ」
と言わなくなったので、どうしたのかと聞いてみると、
「昨日あの女の人に『あなたのために証言するのだから力を貸して』と
声を出して頼んでみたら、綺麗な姿で夢に出てきてにっこり笑っていたのよ。
それから何だか上手くいくような気がしてイヤじゃなくなったの。不思議でしょ」
母いわく、彼女が付いててくれてる感じがするとか。
もちろん堂々と証言してきました。
私も傍聴したのですが、いつものあがり性の母ではありませんでした。
まもなく結審します。
ドライバーの皆さん、気をつけてくださいね。
死んだ被害者は自分で証人を導いてきます・・・
おわり