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件の小道

   

652重複スレだったので本スレに 2008/12/16(火) 05:46:01 ID:4GfdG0e70

最近驚いたのだが俺の実家近くがネット上でオカルトスポットとして有名だった。
確かにその場所は幼い頃から色々あったので少々驚いた。
俺だけでは無く、親戚、友人、当時の彼女、後輩等色々な人間が同じような体験をしてる。

一貫しているのは「お坊さんっぽいモノ」もしくは「落ち武者っぽいモノ」と言う事。

エピソードを一つ。
当時高校生だった俺は欲しい単車があって毎日バイトに明け暮れていた。
自宅から徒歩10分、原チャリなら数分の距離。
ある日バイトを上がる時、突如大雨が振り出した。
その日は原チャリで通勤して居たためバイト先の先輩が車で自宅まで送ってくれる
という事で助かった。

その人は今で言う秋葉系なのだが、明るく人当たりも良く俺は好きだったが二人きりで
飯喰いにいったりという特別な交流は無く、勿論我が家も知らないし、車に乗せてもらうのも
初めてだった。

653重複スレだったので本スレに2 2008/12/16(火) 05:47:29 ID:4GfdG0e70

そんな豪雨の中、助手席に乗せてもらい自宅へ送ってもらう事に。
自宅に帰るにはネット上で「オカルトスポット」とされる道を通らなければならない。
しかし幼い頃から慣れ親しんだ俺は全く意に介していない。

車は件の道へ。
対向車とのすれ違いも出来ない小道。
豪雨のせいでいつもにも増して見通しが悪い。

その時車内で「音」が聞こえた。
シャリンシャリンという鮮明な音。修行僧?みたいな人が持ってる、金属の輪っかが
頭に付いている杖のような「音」。

俺は内心(ああ、そういやココは色々あるもんなあ)位に思っていた。
その音は運転席の先輩も聞こえたようで
「今なんか音したよね?」と尋ねてきたが、「なんですかねえ」位に返答を濁した。

無事に件の道を抜けて自宅へ到着。
先輩が尋ねてくる。
「俺の家は●●駅の近くなんだが、どう帰るのが近いかな?」
「今来た小道を抜けて戻る形が一番早いと思います」
俺はそう答えて、御礼をのべて帰宅した。

しかし、数日後バイト先で温厚な先輩が同期の社員と取っ組み合いの喧嘩をしていたのだ。


続きます。長くてすみません。


654重複スレだったので本スレに3 2008/12/16(火) 05:52:40 ID:4GfdG0e70

温厚な先輩が血相を変えて仲の良い同期社員の胸ぐらを掴み何やら怒鳴っていた。
慌てて仲裁に入り、事の顛末を尋ねた。

先輩曰く「コイツ俺の話を信じないどころか馬鹿にしやがった!」と、とにかく凄い
剣幕だった。
何やら嫌な予感がしたのだがひとまず落ち着かせて話を聞いてみた。

問題はやはり「あの道」だった。

俺を送った帰り、先輩は俺の進言通り「あの道」を逆走するルートで自宅に
向かったらしい。
その頃はさらに雨も酷くなり数メートル先が見えない位だったと言う。
危険なのでヘッドライトをハイビームにし、慎重に走行していたそう


659重複スレだったので本スレに4 2008/12/16(火) 05:58:48 ID:4GfdG0e70

いつも明るい先輩は顔色が悪く、トーンも低く、ゆっくりだが続きを話してくれた。

慎重に車を走らせていると10メートル位先に何やら「居た」と言う。
頼りになるのは車のヘッドライトのみ。
何だ??と思いながらも車を進め徐々に対象物に距離が近づいてくる。
あと数メートルという所で固唾を呑んだと言う。
先輩は興奮気味にこう表現していた。

「頭つるんつるんでさ!下半身が無い、もしくは下半身がアスファルトに埋まっている
のどちらかしか考えられない!坊さん??だったんだよ!袈裟みたいな格好でさ!
俺に手を振っているのか、もがいてるのかは不明なんだがオカシイだろ??」

話を聞く限りどう考えてもおかしい・・・

「あんな細い道だからUターンも出来ないし、慌ててアクセルを踏んだんだよ。
そしたらさ、ずーーーーーっと俺に目を合わせながら通り過ぎる時にも上半身が
グルンっと回転して俺を追ってるんだよ!真っ黒な目ん玉してて何なんだよあの道!?」

その時「あの音」の事を思い出しゾッとした。

さらにバイト先に停めてある先輩の車の左ミラーは割れていた。


この話にはさらに後日談がありますが、長くなりそうなのでひとまず。

これはGoogleストリートビューで実家近辺を観てみようとネットで色々遊んでいた時に
「オカルトスポット」だという噂が流れていて思い出して書き込みました。


665重複スレだったので本スレに後日談01 2008/12/16(火) 06:13:32 ID:4GfdG0e70

そんな事がありながら1年も過ぎれば俺も先輩も「件の小道」については記憶が
薄れていました。
と、言うか完全に忘れていた。

丁度そんな時期、バイト先の店長の誕生日と言う事でうなぎ料理店でバースディを
行った。当時数千円のうな重は非常に美味しくて嬉しかったのを覚えてる。
まだ未成年だった俺だったが、お世辞にも育ちが良いとは言えず、身体には既に
年不相応な「落書き」があったり・・で、すでにアルコールは「安全」と認識していた。
その当時は現在のように飲酒運転に対する司法及び個人の認識も甘く、いわば暗黙の了解だった
時代です。
せっせとバイトで貯めたお金で合法的に単車も手に入れた時のお話です。

666重複スレだったので本スレに後日談02 2008/12/16(火) 06:22:56 ID:4GfdG0e70

そんな時代とは言え、俺はまだ若く今思えば酒の呑み方も知らず店長そっちのけで
泥酔してしまった。
さすがに周りの大人は「●●(俺です)を単車で帰らすのはマズイ。◯◯送ってけ」と指令を
出しました。
◯◯さんとは件の先輩です。

その瞬間、先輩の顔色が「サッ」と変わったのを不思議と印象深く覚えてる。
そこで俺も思い出した。「件の道」を。
これで俺の酔いも少し冷めたのを思い出す。

俺の実家に一番近く、酒を飲んで居ないのは例の先輩だけ。
結局一年前のように俺を助手席に乗せ送ってくれる事になった。

車に乗り込んだ瞬間先輩は「おい、’あの道’通らないとオマエんち行けないの?」
と、尋ねてきた。
少し遠回りすれば帰宅出来るが、俺自身「件の道」に馴れっこだった事と、一年前の
先輩の話に対して半信半疑だったし、何より早く帰宅したかった。

「あるにはありますけど、遠回りだし余計暗いし、逆に面倒ですよ」
と返答した。

667重複スレだったので本スレに後日談03 2008/12/16(火) 06:29:56 ID:4GfdG0e70

渋々了先輩は結局「件の小道」を通る事に納得してくれた。

暫く車を走らせ「件の小道」入り口に。
以前にも書き込んだようにその先輩は今で言う気の優しい秋葉系。
俺は今でいうDQNだったと思う。
その当時は先輩とは言え親しくなっており、軽口を叩けるくらい仲良くなっていた。

「そう言えば去年この道の事で喧嘩してましたよね(笑)」

先輩「・・・・その事は言うな」

至ってシリアスな雰囲気だった。
酔った勢いもあり、「件の小道」中腹あたりでからかってしまった。

「先輩!後ろ!後ろ!坊さんが追っかけて来てますよ!」
本当に軽い冗談のつもりで運転席に向けてそう言った。

670重複スレだったので本スレに後日談04 2008/12/16(火) 06:45:26 ID:4GfdG0e70

いいやw7時に寝ますw
今度いつ書き込めるか分らないので記憶を呼び戻してるうちに・・・


その瞬間、先輩は血相を変えてアクセル全開で「件の道」を走行した。
あんな小道でフルアクセルは本当に危ない。実際死ぬかと思った。
慌てて俺はたしなめた。
「冗談です!嘘です!危ないっす!」ってな具合だったと思う。
それでも先輩はアクセルを緩めない。
仕方無くサイドブレーキを引いた。急に引くと危ないから徐々に・・・
数秒後先輩はハッとしてブレーキを踏んでくれ、車は停車した。
その瞬間。

「バチンッ!」
鼻っつらを殴られて俺は鼻血が出た。咄嗟の事だったので拳か、平手か、裏拳かは
覚えてない。

「その事は言うなと言っただろ!冗談でもやめろ!テメエふざけんな!」
温厚な先輩がまたもやキレて、怒りよりも先に驚いてしまった。

672重複スレだったので本スレに後日談05 2008/12/16(火) 06:53:43 ID:4GfdG0e70

ああ、「あの話」は本当だったんだ。とその時悟り素直に謝罪した。
先輩も我を取り戻し、俺に謝罪したと同時にダッシュボードからウエットティッシュを
取り出して俺に渡してくれた。
気まずい空気を払拭しようと俺は努めて明るく言った。
「いきなりぶん殴るのはナシでしょ(笑)。大人のする事じゃないですよ(笑)」
てな具合に。

先輩はしきりに謝ってきた。
「つーかウェットティッシュって(笑)。せめて普通のティッシュでお願いしますよ(笑)」
「件の道」で停車しながら気づいたら車内は和やかな雰囲気になっていた。


その瞬間・・・・・・


「 ・・シャリンシャリン」


!!!!!!
「あの音」だった。

以前聞いた場所より10メートル程ずれているが二人とも瞬時に「あの音」だと分った。


675重複スレだったので本スレに後日談06 2008/12/16(火) 07:01:17 ID:4GfdG0e70

その刹那、またもや先輩フルアクセル。
俺もビビってもう止めなかった。パニック状態に陥っていて事故る事よりも
「あの音」が怖くてたまらなかった。

「あの音」が付いてくる。
小さくなったと思ったら、急に大きくなったりと訳が分からなかった。
後ろを振り返るなんてとてもじゃないが出来なかった。

フルスピードで「件の道」を抜け俺の家に到着した。
「あの音」は追ってこなかった。

「おい。俺は絶対あの道通らないぞ。他の道で帰る。」

本当だと悟った俺は、遠回りだが県道までの道のりを案内して、そこから徒歩で
自宅に戻った。

先に顛末を書くとその先輩は後に失踪する事になる。
「失踪」と言っても数年後、変わり果てた姿で戻ってくるのだが・・・


677重複スレだったので本スレに後日談07 2008/12/16(火) 07:11:01 ID:4GfdG0e70

その数年後の間にも後日談はあるのだが、その先輩は無関係なので時系列は無視して
その先輩の件について書きます。

後で知った事だが、その先輩の家系は神社の家系だった。
先輩の父親は神主さん。
これも後で知った事だが長男だった先輩は家業を継ぐのが嫌で、
医学部で学び医者を目指していたらしい。

そして何の連絡も無くバイト先を辞めていた。
取っ組み合いの喧嘩をしていた仲良し同期の先輩に聞いても
「連絡が取れない」の一点張りだった。
夏は暑く、冬は寒い条件下での仕事なのでバックレる奴も多い。
なので「案外いい加減な人だったのかな」程度にしか思わなかった。

それからどれ位だろう?
地元で夏祭りがあった。
夏祭りと言っても動員数100人位の小さな地域のお祭り。
屋台もテキ屋じゃなく地元の顔見知りのおじさんとか、おばさん。
盆踊りも自分の祖母や友達の祖母といった手作り感たっぷりのお祭り。

679重複スレだったので本スレに後日談08 ! 2008/12/16(火) 07:17:43 ID:4GfdG0e70

フランクフルトが好きな俺はそれだけが目的で会場に行った。
いつも親切にしてくれる親友のおばあちゃんが盆踊りに出るって事もあったし、
本当になんとなく。

小さな会場、小さな櫓。
その周りで盆踊りを踊っている。もちろん会場の殆どが顔見知り。
フランクフルトをたらふく食べて、チューハイを呑みながら会場の花壇ブロックに
腰掛けていた。

すると見覚えの有る顔が。

「・・・先輩だ」

俺は親友に言った。
「あれ◯◯さんだ。地元に居るんじゃん」
急に嬉しくなって駆け寄った。

「◯◯さん!」
声を掛けようとした瞬間異様な雰囲気に気づいた。


680重複スレだったので本スレに後日談09 2008/12/16(火) 07:26:33 ID:4GfdG0e70

不自然な位ニッコリしていたのである。
本当に不自然な位。
「にぃ~」っといった表現がピッタリ。

服装はボロボロの作務衣のようなものを着ており、ポッケがパンパンに
膨らんでいた。

声を掛けるのが怖くなり暫く呆然としてしまった。

するとその先輩は作務衣のポッケから「モノ」を取り出して、まるでフリマの
ように並べ出した。
それは「木」だった。色々な形の。
最初は愛想良く地元の物売りの手伝いかと思ったが雰囲気がおかしすぎる。

提灯の明かりを頼りにその「木」を凝視すると不格好だが何だか分った。

仏像だ・・・・

酷く不格好な。
形や大きさもバラバラ。

733重複スレだったので本スレに後日談10 New! 2008/12/17(水) 00:55:06 ID:wEGO38L40

そして愛おしそうな感じで不気味にニヤけたまま、その仏像らしきもの達に
話しかけていた。

尋常じゃない・・・

本能でそう思った。
すると町内会の人たちがその先輩を囲む形で駆け寄った。
内容を聞くと「出店の許可を取っているか?」等の至って普通の会話だった。

が、その先輩は突如鬼のような形相、と言うか叱られて逆ギレした子供のように
顔を真っ赤にして叫びだした。ニヤケ顔からの豹変にビックリしたと同時に
「あの道」で殴られた事を思い出した。

「なんちゃらかんちゃら(聞き取れない)ノコトナンズルカー!」
訳の分からない事を叫んでさっきまで愛おしそうにして居た仏像らしきものを
握りしめて町内会の人たちの顔、本当に鼻の先あたりに次々と突きつけていた。

734重複スレだったので本スレに後日談11 New! 2008/12/17(水) 01:03:09 ID:wEGO38L40

町内会の祭りとはいえ、所轄の警察署から警官が数人警備している状況。
すぐに警官が駆けつけ事情を把握しようとしていた。

狭い町内、皆が先輩の事に気づきだした。
「◯◯さんトコの子だ」
ってな具合に。

暫くして先輩の父親が迎えに来た。
神主さんの息子と言う事もその時に初めて知った訳。
皆が先輩の父親を「神主さん」的な呼び方で気を遣っている様子が見て取れたし、
父親も「申し訳ありません。すぐ連れて帰ります。」と頭を下げて居た。

そして息子(先輩)に「ヘーデン(?)に来い!馬鹿たれ!情けない!」
と言う様な事を強い語気で話していた。


俺たち「ポカーーーン・・・」だった。

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