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入院した母

   

560 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/02/28 21:25
今夜母が入院した。
初めに倒れたのは6年前。膵臓癌と診断され、余命5年と私達家族には知らされた。
優しく気の弱い母は、我侭で自己中心的な父によく泣かされていた。
自営をしていたので父を手伝い、家事・育児をし、庭の手入れから裁縫、日用大工まで
めまぐるしく働いていた母。
今では体重は32キロしかない。
それでも「ね、きいてよ、先週は30キロしかなかったのよ。2キロ増えた。」と昨日嬉しそうに
俺に言っていた。
俺は勤め先を辞めた8月、この機会にと母を立山・黒四ダムに連れて行ってあげた。
そのときは長時間のバス移動も難なくこなして立山の地を二人で歩きまわったのに、
ここ3日で自力で立ち上がれなくなってしまった。
肝機能の低下は著しく、黄疸で肌は黄色く目も黄色い。
膝から下は像の足のようにむくみ、下肢だけでなく腕の関節まで痛むという。
声もしわがれて力なく、そんな母を病院につれていった。

母は家に帰ってこれるだろうか?今回はもうこのまま病院から戻ってくるkとは
ないんじゃないか?
そう考えると母が息を引き取る場面を想像してしまった。
ベットを囲む俺ら家族に最期に言う母の言葉は、「ごめんね」
父に言いたいことも言えずに気を遣い、父と不仲な俺ら兄弟の間で気苦労してきた母。
そんな言葉しか思い浮かばない俺は母は不幸な人生を歩んできたとおもっているのだろうか。
せめて「ありがとう」と言って欲しい。
そう考えると帰りの車中、涙がにじんだ。

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