洒落怖超まとめ

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半端な時間

   

242 1/2 sage 2006/03/11(土) 10:13:30 ID:ItRFJXbr0

今日の午前3時頃、眠りが浅かったのか外の音が耳についた。
カツ…カツン…カツ…カツン…
ハイヒールの音だ。どこかの女が歩いているらしい。こんな夜更けに…。
何となく特徴的な靴音は、片方に重心が偏っているせいだろうか。
うとうとしながらそんな事を考えていた。靴音は段々近付いて来る。
そしてそのまま俺の部屋の窓の下を通り過ぎ、左の方へ歩いて行ったようだ。
靴音は段々遠ざかる。
が…

…ツ…カツ…カツン…カツ…カツン…
また戻って来る。
どうやら窓の下を右に左に、往復しているらしい。
なんなんだ、と俺はいらついた。音が気になって眠れないじゃないか。
女は歩き続ける。うるさい。うるさい。うるさい。

244 2/2 sage 2006/03/11(土) 10:14:24 ID:ItRFJXbr0

急に、頭の上に気配を感じた。
ぎゅうっと頭を押さえつけられる。これは人差し指だ。
人差し指はゆっくりと俺の頭を撫で回し始めた。
男の指だ。だんだんと動きが速くなる。
ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり
人間の動きじゃない。
さっきまではなかった恐怖感が喉元に迫り上がって来た。
だけど動けない、金縛りだ。
どうしよう、どうしよう、どうしようどうしようどうしようどうしよ
「うわああああああああ!!!!」
叫んで思い切り目を開いた。

靴音も、指の感触もなくなっていた。
携帯を見ると4時42分。
随分半端な時間に来たんだな…と思った。

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