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受け継ぐ力

   

301本当にあった怖い名無し 2009/06/14(日) 23:51:47 ID:vAEmUy2EO

半年だか一年くらい前に爺さんが死んだんだがその死に目をかなり特異な物と記憶していた
のだけれど、叔父さんからそれにまつわる話が聞けたので書こうと思う。
俺の爺さんてのは明治の頃に生まれた人だった。元々名家だったんだが成人して
三十路に手前、と言うところで従軍し、軍艦乗りになったらしい。

元々、山あいのではあるが一望できる丹沢山塊は全て一族の土地だったらしい。


話は移民だった一族が名家となった所以と言う所まで遡る。

俺の一族と言うのは言伝なんかを生業にしている間者みたいな存在だったらしい。
流浪の民みたいなもんではあるんだが、土地土地に親戚と銘打った組合いがあって政治上簡単に
転居を許されない時代柄これを隠れ蓑にして、色々な土地を渡り歩いていたらしい。

というのも、当時往来していた密教に端を発する坊主を祖とした宗教屋が家の分家だったらしい。

時代はかなり流れて、庄屋の一族を取り殺した所でうちの一族が跡目についたようだ、元々組合の頭なんかを
親戚同士でつとめていたのと、密教側の人間が地元の大名に圧力をかけてうやむやにしたらしい。

もともとの庄屋はかなり強つくな徴税をしていたから色んな方面からも望まれた形ですんなりいったらしい。
同じ教団の多方面からは圧力がかかったみたいだがこれについては割愛する。

とういうかここまででも東京で何にも知らずに暮らしてた俺には俄かには信じられない話ではあるんだが
幼少に体験した話だのに符号するので、結局合点した訳だ。

302本当にあった怖い名無し sage 2009/06/14(日) 23:56:54 ID:vAEmUy2EO

爺さんの話の方なんだがいわゆる家督の男には代々「力」を備えていたそうだ。

血を薄めない為に一族内での婚姻が常だったらしく長男以降は間引きと言うか供え物にされて
女の方はこの板に来る人なら皆知っているだろうけど壺毒を使役する役割だったらしい。
庄屋の一族を取り殺したのはこちらの力だったらしい。

そんでもって家督が代々受け継いでいるのが「不幸を身に受ける」力だったそうだ。

戦後を経て今や只の地主なんだけどね。今の家督である伯父さんに聞いた不思議な話だ。

伯父さんは妄信だろうと笑っていたんだけど。現に兄弟亡くして三人目の家督であり
息子を運転していたトラクターに巻き込んで亡くしている人の話は笑えなかった。

304本当にあった怖い名無し sage 2009/06/15(月) 00:07:36 ID:1pBghxGPO

誤記したので訂正
○宗教屋の分家

×宗教屋が分家

305本当にあった怖い名無し sage 2009/06/15(月) 00:08:56 ID:K8twNSzX0

>>304
失礼ですが、おじいちゃんは老衰で亡くなられたわけではないのですか?

> 同じ教団の多方面からは圧力がかかったみたいだが

密教の教団があったってこと?
その教団名は何て言うの?

> 家督の男には代々「力」を備えていた
> 長男以降は間引きと言うか供え物
> そんでもって家督が代々受け継いでいるのが「不幸を身に受ける」力

長男=家督なんだよね?
長男以外は間引きされて、長男が「不幸を身に受ける」なら
幸せになるのは誰なの?

長男の姉や妹、家督以外の一族みんなが幸せになるの?
310本当にあった怖い名無し 2009/06/15(月) 00:25:41 ID:1pBghxGPO

>>305
爺さんは老衰です。
只、死に際が壮絶だったのが鮮明でして。

教団名と言うのはわかりませんが仏教の一派だったそうですが、実際には疎んじられた呪術を使って全国を行脚している一族だったみたいです。


「不幸を身に受ける力」ですが誰かに降りかかる筈の災いを身に受けて、災いの大きさが許容を越えると自ら命を絶って治めると聞きました。
男衆は影武者なんかが生業だったそうで。
その受けた「不幸」を女衆に宿してこれを壷毒のように使役したそうです。


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