洒落怖超まとめ

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同棲

   

812その1 sage 2007/07/30(月) 22:27:32 ID:WAYAaXN70

約3年前。
東京で、私は当時の彼女の部屋に転がりこむ形で同棲していた。
1DKの普通のマンション普通の部屋。4階、あるいは5階だったかな。
特徴があるといえば、部屋にボタンを押すと電動で降りてくるベッドがあった。
ベットをある程度の高さ(180cmくらい)まで降ろし、ハシゴをかけて昇る。
後は本当に普通で、玄関を入るとキッチンとユニットバスがあり
そこを仕切る曇りガラスのドアを開けるとダイニング(ベット、テレビとか)。
後は、ベランダ。

私はいつも夜勤で、彼女は資格の学校に通ってたから生活リズムは全く違う。
私が帰ると彼女はいないし、私が出勤した後に彼女は帰るという生活。
顔を合わすのは土日くらい。

同棲してから大体一ヶ月後。

私がいつも通り、部屋に帰って、ベッドに座って壁によりかかりながら漫画を読んでいた。
昼の12時くらい。
ドンドン、とよりかかっている壁を叩く音がした。何回か繰り返された。
うるさいな、と思いつつ眠りについた。
その後、それが何回も続いた。

813その2 sage 2007/07/30(月) 22:29:02 ID:WAYAaXN70


土曜日に、彼女にその事を話した。
隣の部屋の奴、うるさいけどどんな奴が住んでるのか知ってる?
少し、困惑した顔で私を見る彼女。少し、間をおいて、彼女が喋る。
ここ、角部屋だから、隣の部屋、ないよ?
そう教えられても到底信じられない。
部屋を出る。隣の部屋を一緒に確認していく。
確かにない。というか、まっ平らな壁。でも、その外の壁から明らかに
私達の部屋の高さを叩いている音を、私は何度も聞いた。

まー、なら気のせいだね。
そう話してその日は寝た。やっぱりそれもお昼くらい。
夕方に目が覚めた。壁を叩く音で。二人ともその音で目が覚めた。
やっぱり、音するね。
不気味だけど、そこまでうるさい音じゃないし、二人とも気にせず普通に話していると
音はいつの間にか、鳴り止んでいた。

それからも、壁を叩く音は時々鳴った。
でも、慣れるもので、怖さや不気味さは既になくなっていた。

それからだった。

814その2 sage 2007/07/30(月) 22:29:39 ID:WAYAaXN70

それからだった。

私はいつも一人で寝る時は、電動で降りてくるベットの上で寝ていた。
何か楽しいし。
ウトウトしている時に、間の曇りガラスのドアが開いた気配がした。
あぁ、お昼だし彼女が忘れ物でも取りに帰ってきたのだろう。
あれ?何か忘れ物?
と声を掛ける。応答がない。
不思議に思い、身を乗り出して部屋を覗く。
誰もいない。
ベットから降りて、間のドアを確認すると、確かに開いている。
ドア、閉め忘れたのかな?
玄関のドアは鍵閉めている。その時、念のためチェーンもしておく。
間のドアも閉めて、また電動ベットに登り、ウトウトする。

やっぱり人の気配がする!
身をよじり、部屋の様子を伺った時に見た。
曇りガラスの向こうでユニットバスに入っていく何かを。
背丈は140くらい?いや、160はあったかも。よく分かんない。
ちなみに、彼女は140くらい。ミニモニサイズ。
まー、いるんだろ、この部屋。
と思い、寝た。やっぱ確認するの怖いし。


815その4 sage 2007/07/30(月) 22:30:50 ID:WAYAaXN70




やはり、気のせいではなかった。
平日、仕事から帰り、その次のは休みという事もあっていつもより遅く起きていた。
夕方頃、そろそろ寝ようと思い、布団を被ってウトウトしていた。
明らかに間のドアが開いた。明らかに。
そして、開いたドアの向こうのユニットバス辺りで足音が聞こえた。
こりゃ彼女だろ。
お帰りー!今日早いね
・・・反応がない。
身を乗り出してみても、やっぱり誰もいない。ドアは開いている。いつも絶対間のドアは閉めているのに、開いている。
もういいや。いっそこのままドア開けっ放しにしよ。
また布団を被り、さー寝るか!と思ったが、寝れない。
なぜなら、人がいるからだ。いや、人がいるんだと思う。
人の気配がする。しかも、子供って分かるくらい、ハッキリと。
最初は間のドアの近辺をいったり来たりを繰り返していた。
ゆっくりとこっちに近づいてくる。また玄関の方に行く。
を繰り返していたように思う。
結構眠かったので、ウトウトしてきた。あーこりゃ寝れる。
!!
明らかに、その子供?がベットの真下にいるのが分かった。
鳥肌が立った。人生で明確にこういう体験をしたのは生まれて初めて。
しばらく息を殺して。時間が過ぎるのを待つ。時計の音と外を走る車の音がする。
何分経ったのだろう。気配が分からなくなった。
やっといなくなったか。
そう思った。
そう思った時
ふいに、足元に嫌な感じがした
見ると、ベットの塀に子供くらい小さな手がかけられていた。白いがハッキリとした手だった。
!!!?
バッと飛び起きる!

816その5 sage 2007/07/30(月) 22:31:20 ID:WAYAaXN70


と、彼女が帰ってきた。ベットから飛び降りた。彼女を迎え入れた。
たった今起こった事を話す。
彼女はその場で、実家に電話をした。
実家のお母さんは、この塩はホントに効果があるから、正しく払い塩しているならそんな事はありえない、と話していた。
なら、もう一度払い塩をしようと手順を聞いた時、二人とも目を見合わせて止まった。
彼女がしたのは、払い塩ではなく、盛り塩だった。
そして、そのやり方は
招き塩だった。


以来、そういった現象は一つも起こらない。

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