ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 51-60 > Part 57 > 天井裏にいるもの 2016/05/17 306 名前:天井裏にいるモノ(1/2) 投稿日:03/11/03 10:19 5年前まで俺は、神奈川県の某高校に通っていた。 通学に時間がかかるので、俺はそこの古い木造の男子寮に住んでいた。 寮の廊下を歩いていると、ときおり妙な音がする。また、夜中に部屋で勉強をしていると、音がする。 天井の上で、ズズーッ、ズズーッと、なにか重たいものを引きずるような音がするのだ。 ある日のこと、寮の仲間達は体育祭の練習に出かけていたが、俺は少し身体の具合が悪かったので寮の中にいた。 すると、またあのズズーッ、ズズーッという音がする。 普段は気にもとめていなかったが、広い寮の中に一人でいると、妙にこの音が気になる。 「よし、何の音か確かめてやろう」 307 名前:天井裏にいるモノ(2/2) 投稿日:03/11/03 10:19 俺は懐中電灯を用意すると、部屋の押し入れの天井板をはずし、天井裏へ登った。這ったまま、音がした方向へ向かう。 だが、しばらくいくと、行き止まりになってしまった。気の格子が、行く手を塞いでいる。 なぜ、こんなところに木の格子が? 「なぜ?」という疑問は残るが、格子の向うへいけないのなら、これ以上は調べようがない。しかたなく、俺は格子のすきまから懐中電灯をさしこみ、向う側を照らしてみた。 すると、格子の向こうの、ほこりが積もった天井裏に、何本も帯の様なあとがついている。何かを引きずったあととしか思えない。 ゾクッと背中に悪寒が走り、俺は慌てて自分の部屋へ戻った。 その後、何度かあの音を耳にしたが、二度と天井裏へは入らなかった。 B! LINEへ送る - Part 57, 洒落怖