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廃墟

   

547本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:19:51 ID:GILU3jX80

廃墟1

これは4年前のちょうど今頃、
当時、大学生だった俺と三人の
悪友A,B,CとCの彼女Dで
夏の恒例の肝だしと称して
某県の廃墟に行ったときの話です。
当時、Cが付き合い始めた彼女Dが
少々霊感があるというので廃墟ツアー
に行くことなったのが、廃墟に繋がる
獣道に車から降りて入った途端に、
急に彼女Dが
「変に空気が重い感じがする」
とか言うんだ。
まぁ、俺達は霊というものを
信じてなかったので、
「マジ~」とか言って、ワイワイしながら
構わずに廃墟に辿る道を進んで行ったのだが、
急にBが「寒くねぇ」とか言い出した。


548本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:25:56 ID:GILU3jX80


Bの冗談だろと俺とAは軽く笑って
「ビビるなよ」とか言って
どんどん進んで行ったのが、
BとCとCの彼女Dは後ろで
立ち止まっているわけよ。
俺とAは「ビビるなよ、来い」
と言うけど、Cが「無理、無理」とか
返事して来ようとしない。
俺とAは「あいつらビビってるな」とか
呆れて二人だけで廃墟に侵入することに
なった。
廃墟は三階建ての旅館で、入り口は
長い草で覆われていた。
ちと躊躇したけど俺達は構わずに
入ることにした。

551本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:33:28 ID:GILU3jX80

入り口に入って辺りを見回した
けど、まぁ所謂廃墟なので
ボロボロだった。
入って右廊下の突き当たりに2階に
上がる階段があったので、とりあえず
2階に上がることにした時、
後ろからBが全速で入ってきた。
一瞬ビビったが俺達は「どうした?」
ってBに問いかけると
「Cの彼女が急に吐いたから、Cは彼女を
連れて車に戻った。いっしょに戻ろうと
思ったけど、お前らにビビリとは思われたくない
からな」とビビッた真顔で返してきた。
まぁ、全力で走ってきたから
実際は一人残されるのが怖かったんだろう。
それで俺達三人は2階に上がることにした。



552本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:38:35 ID:GILU3jX80

2階を探索してると
5つの客室と大風呂が確認できた。
雰囲気はあったが、そのまま中に入る
ことはせずに大風呂右の廊下の突き当たりにある
階段を上がって三階に行くことにしたのが、
階段はパイプ椅子と机で埋め尽くされていて
上がることができないようになっていた。
仕方ないから、各部屋を見て回ろうと
ことになった。

553本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:43:08 ID:GILU3jX80

まず、風呂とその斜め向かいの部屋を
見たのだが、何も無し。
そして少し離れたとこにある隣り合わせ
の2部屋を見たが何もなし。
「何もないな~」とか言って
最後の部屋に入った。
部屋は真ん中に大きな仕切り、
キッチン、風呂と他の部屋の2倍ぐらいの
広さとなっていた。
556本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:46:05 ID:GILU3jX80

部屋に入るや、さっそく仕切りの
裏側に回ったAがいきなり「ゲッ」と呟いた。
俺とBも「なんだ?」と言って
Aのとこに駆け寄って、
Aの目線の先を見て唖然とした。

560本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:52:23 ID:GILU3jX80

仕切りの裏には、
おかっぱの少女のヒビ割れた遺影と
朽ち果てた菊の花が置かれていた。
状況から、明らかにイタズラじゃなく
供養であるのが分かった。
唖然と見つている俺達の意識を
戻すかのように、
部屋のドアが風もないのに
ゆっくりギィ~と音を立てながら
閉まった。


564本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:00:40 ID:GILU3jX80

俺達は一瞬ポカ~ンしたが、つかの間
三階へ上がる階段に積んであったパイプ椅子
や机が崩れるもの凄い音が響いた。
その音と同時にBが
「ヤバイんじゃないか、ヤバイんじゃないか」
と取り乱し出し、
Aは恐怖をかき消すような大きな声で
「偶然だろ、廃墟だし、廃墟だし」
と怒鳴りだした。
で、俺は・・・
俺の目線は少し開いたトイレの隙間に
釘付けで声が出ない。



566本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:06:17 ID:GILU3jX80

俺は隙間の目線と目が
あったしまった。
その瞬間、体温がグ~ンと
下がるのを感じた。
実際に下がったどうかは分からないが
とにかく寒気が凄かった。
固まっている俺に気づいたAも
俺の目線の方向を向いて
「ヒィッ」と一瞬甲高い声を
上げてフリーズ。
Bの「ヤバイんじゃないか、ヤバイんじゃないか」
という声は聞こえているのだが、
それがどんどん別の声に聞こえてきた。
いや、だんだんと言っていることも声も
別人に変わっていく感じだ。。
「ヤバイんじゃないか、ヤ、なんで、な、」

567本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:13:24 ID:GILU3jX80

女の声で、
「なんで、なんで、ここここここここ」
と言っているように聞こえた。
Bの方を向きたいが怖くて、向けない
Aも同じ様子だった。
Bの声はずっと「こ」が続きぱなし、
長い時間に感じたが、実際は数秒だろう。
そのとき、外からクラクションの音が
聞こえてきた。
Cが呼んでいるのは明らかに分かるが
俺は怖くて動けない。
そしたらAが急に俺に「動くな、待っとけ!」
といって全速で走り出し
部屋を出ていた。


570本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:24:28 ID:GILU3jX80

廃墟最終話

数分後、Aが戻ってきて
動けない俺とBに強烈なビンタをした。
俺とBが我にかえって、Aと目を合わすと
三人で全速で部屋を出て車に向かった。
Aは走りながら
「大変なことになっている、いいか、
いいか、これから直ぐに帰るからな。
車に戻っても、何も言うな。いいか」
と俺達に息を切らしながら言った。
車に戻った俺とBが見たものは、
泣いているCの隣で
白目で泡を出しながら意味不明なことを
叫んでいるDだった。
俺達は無言で車に乗り込み
廃墟を後にして、Aの家に帰った。
Aの家の着くころにはDが
いつの間にか眠っていた。

後日談になるが、本当の最悪は
その翌日からだった。
また明日、廃墟に坊さんと
行くことになってます。

574本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:34:54 ID:GILU3jX80

廃墟に関して、

ここに書いたのは、廃墟に軽い気持ちで
行って欲しくないからです。
我々のように最悪なことになる危険性があります。
この書き込みはAとBとCの許可を得て
書きました。
みんな我々のようになって欲しくないとの
想いです。
明日の夜、Dとその両親も含めて坊さん
と廃墟に行きます。
我々にとって、またCのためにも、そして
何よりDがもとに戻って
欲しいからです。


831本当にあった怖い名無し New! 2009/08/03(月) 01:45:17 ID:qLllLA+Q0

お払い行ってきました。
お払いは14回目で私とA,B,Cにとっては最後で、
また元凶となった廃墟(正確には跡地)で最初で最後の
お払いになりました。
後はDの回復を願うばかりです。

後日談1

Aの家に着いて、とりあえずDをベットに寝かせ、
俺達は床に雑魚眠した。怖いので電気はつけたままだった。
どのぐらい寝たのかは分からないが、
突然のBの「ヒィー」って叫び声にビックリして目が覚めた
と同時に俺も「アァア」っと叫んでしまった。
ベットの上に無表情に俺達を見下ろすDが立っていたからだ。
俺の声につられて起きたA,CもDを見て唖然としていたが
直ぐに、Cが「Dちゃん、大丈夫?」と聞くと
突然、俺達を睨み付けるような目つきになり、
甲高いダミ声まじりで、首を上下に少し振りながら
「ヴヴ~、ヴヴ~」、一瞬止って
「ケケケケケケケケケケケケケケケケケケ」
笑い声でもない「ケ」が全く止らない、
大きく横に不自然に開いた口からは唾が飛び出し
口端からはヨダレが。。。。
それを見てCは泣き怒り声で「ふざんけなんよー、よー」
また、止らないCの「ケ」もそれなりに大きい声だったこともあり、
隣人が壁を蹴って苦情。
Dは「ケ」が止らない状態。。。

838本当にあった怖い名無し New! 2009/08/03(月) 02:07:10 ID:qLllLA+Q0

「ケ」はDです。
”お払い→お祓い”ですね、すんません。


後日談2

結局、救急車を呼び、Dの親にはCが連絡した。
二日後、CからDは入院することになった、明日、
Dの親に全員で会ってほしいとの連絡があった。
翌日、Dの親に色々と説明したが、親としては
当然で俺達のことをとても許す様子はなく、
「Dも悪いが、君らにも責任はある、回復しない限り
許さない、こっちから連絡してくるまでは、
Dへの面会はしないでくれと」と言われた。
夏休みが明けた。
DもCも休学していた。
10月に入ってCが大学を辞めた。
年末にCから連絡があった。
Dの親とCに付き添われ俺達は
その日以来始めてDと会うことになった。

840本当にあった怖い名無し New! 2009/08/03(月) 02:18:48 ID:qLllLA+Q0

後日談3

Dの家に上がり、大広間に通された。
真ん中の布団の上にDが座っていた。
周りにはいくつもの赤い毛糸の玉や綺麗に隙間無く
青や赤や黒色で塗りつぶされた画用紙が散乱していた。
Dは赤い毛糸を握り締めながら、なんかブツブツ呟いていた。
俺達は何も声が出せなかった。
Dの父が俺達に鳴きながら言った
「もう、どうしようもないんだよ」
俺達はDを見つめたまま何も返せない。
Dの母は泣いていた。Cも黙っていた。
Dの父が「おい、これ見ろ」って言って
写真を俺達に渡した。


844本当にあった怖い名無し New! 2009/08/03(月) 02:29:46 ID:qLllLA+Q0

後日談4

写真は布団の上に座るDを写したものだが、
カメラを睨みつけるDと、写真全体に広がる
人の顔、正確には女性の輪郭が写っていた。
2枚目の写真にはDの体を覆うような赤黄色い光。
3枚目の写真のDの顔は綺麗に半分に割れていた。

847本当にあった怖い名無し New! 2009/08/03(月) 02:36:42 ID:qLllLA+Q0

後日談5

写真を見て唖然としている俺達に
Dの父が言った
「分かるよね、ね」
俺達はため息とともに頷いた。
Dの父はさらに言った。
「お祓いしなくちゃいけない、Dのためにも
君達のためにも。。お祓い分かるよね。。」
俺達の会話をDが赤い毛糸を握り締めたまま
睨んでいた。目があってとてもゾッとしたのを
鮮明に覚えている。
お祓いは年明けの4日にすることになった。
帰り際、Cが言った
「毎日、夜中に部屋の中をぐるぐる歩き回
っているってDの親から聞かされた」


848本当にあった怖い名無し New! 2009/08/03(月) 02:45:21 ID:qLllLA+Q0

明日、仕事あるので
今日はこれですみません。
後日談の続きは明日一気にまとめます。

もともと霊なんて信じて
なかったけど、今でも自分の体験
が理解できずにいる部分があります。
これまでのお祓いの際に見たDの奇行を見て
いわゆるTVで見たことのあるものと
大分違うなと思いました。ほんとに恐ろしいし
悲しくなるし。。

Dの原因が霊なら、お坊さんの
お祓いの効果で治って欲しい
と願ってます。

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