洒落怖超まとめ

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打ち付ける音

   

冬の話。あれは大学(国公立)受験の前夜の事だ。
俺は普段から勉強全くせず、親にこっぴどく叱られていた。
その晩も洒落怖の過去ログを読んでいた。
母が俺に早く寝ろとげきを飛ばす。俺が寝るまで居間にいる。と。
しぶしぶ従い布団に潜りこむと、俺は普段からイラついていたので余計イラついた。
イラつきながら考えごとをしていると隣の部屋から音がする。
隣は姉の部屋だ。しかし姉は既に大学生で家にはいない。
母が2階の自室で押入れの整理でもしているのかと思った。
しかし、数分すると母が階段を上がって来る音。つまり下の階からの音ではなかった。
その日は風の強い夜だった。俺は風で何かが当たっている音かとおもったが、違う。
確実に室内から聞こえるのだ。そして、風に揺られているにしては一定の間隔で。
俺は音に聞き入った。何か思いものを畳に打ち付ける音。
俺はふとある音を思い出した。昔、俺はよく畳に頭を打ち付けて遊んでいた。
その時の音に限りなく近い。というか、一度その考えに至ったら頭から離れなくなった。
襖一枚隔てた向こうに何かいる?襖の向こうで何か打ち付けてる?
嫌な妄想というのは拭っても拭いきれない。目の前でそんな事があれば尚更だ。
俺は意を決して襖の向こうを確認しようと思った。が、そんな勇気はなかった。
いつの間にか朝になっていて、目を覚ました。
一番に隣の部屋を確認した。何もなかった。
心なしか音のしていた辺りのカーペットが乱れていたが、気のせいで片付けた。

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