洒落怖超まとめ

厳選じゃない、完全網羅のまとめサイトを目指しています

押入れ

   

526 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/06/26 23:21 ID:U/dF3XuC
高校も無事卒業し、都会の大学に入学した。ついに念願の一人暮らし。
期待と不安で胸が一杯だ。これからここで生活するのかと考えただけで、
胸がドキドキする。とりあえず、これからの生活を充実させるために
日記を書こうと思う。

(以下日記)

528 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/06/26 23:22 ID:U/dF3XuC
4月1日;今日から念願の一人暮らしがはじまる。○×荘202号室。
     とりあえず隣人に挨拶をしに行った。
     隣の203号室に行ってみた。若い男の人がでてきた。
     少し話したのだが、同じ大学らしい。名前はYさんだ。
     次に201号室。チャイムを鳴らすが返事がない。表札
     もあるので外出しているのだろう。
4月2日;今日は入学式だった。夜中、ゲームをしてる時に
     隣から壁を叩く音がする。201号室の方だ。
     隣の人が帰って来たのかと思い、挨拶しに行こうと思ったが
     ゲームがいい感じなので結局行かなかった。
4月3日;201号室がうるさい。壁を叩くな。明日挨拶も兼ねて
     文句でも行ってこよう。
4月4日;行ってきた。でもチャイムを何回も鳴らしても出てこない。
     外出してんのか?そーだ、壁を叩いてる時に訪問すればいい 
     じゃん。

529 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/06/26 23:23 ID:U/dF3XuC
4月5日;隣の基地外が壁を叩いてる時に突入。チャイム連打。
     そんでも出てこない。マジ頭にきた。シカトかよ。
     いい度胸してやがんな。
4月6日;キャンパスで隣の部屋のYさんに会った。201号室の
     バカの事を聞いたが、話したことはないんだけど30歳くらいの
     男だよ、言ってた。女の子だったら許してやったんだけどな~。
4月7日;今日で引っ越してきて一週間。隣のクソデブはまだ壁を叩いてる。
     しかもむかつくことに日に日に壁を強く叩いてくる。部屋の構成
     からすると多分押入れからだろう。てことは、隣のやつはわざわざ
     押入れに入って壁を叩いてんの?キモっ。
4月8日;アパートに帰ると警察が来ていた。聞いてみると201号室で
     女の人の死体が見つかったそうだ。その女性は201号室の彼女
     だったそうだ。
     ああ、なんてことだ・・おそらくあの女性は押入れに監禁されていて
     夜な夜な俺に助けを求めるために壁を叩いてたのだろう。
     そんな重要なメッセージを俺はウザイとか思ってしまった。
     言ってみれば俺も共犯者みたいなもんだ・・・
     明日警察に言って話して来よう・・

530 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/06/26 23:24 ID:U/dF3XuC
(以下警察官との会話)
「すいません、昨日の事件の隣人なんですけど・・・」
「はい、どうかなさりましたか?」
「実は最近、事件のあった部屋から壁を叩く音がしていたんです。
 それで隣の人が助けを求めてたのに、俺、オレなんも気づかなくて・・
 すいません・・・ううっ」
「そうですか・・・、ちなみにいつ頃から聞こえてきたんですか?」
「はい・・・、ええっと・・・4月1日に引っ越してきたんですが
 その翌日からです・・・」
「はははっ、そりゃあ多分気のせいですよ」
「は?気のせいのわけないじゃないですか!」
「いや、それは気のせいですよ」
「いいかげんにしてください!現に俺はそれで悩まされていたんですから!」

531 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/06/26 23:24 ID:U/dF3XuC
「・・・遺体解剖の結果、殺害されたのは1ヶ月前のことです。
 遺体は激しい暴行を加えられた形跡があり、その後カッターで数箇所も
 切り刻まれ、のこぎりで両手両足を切断されていました。
 その後犯人が潜入した形跡もありません。
 となるとあなたの気のせいということにしかなりませんよ」

そ、そんなばかな・・・あんなはっきり聞こえたのに気のせいのはずがない。
そうか・・・隣の人は死んでからもなお俺に助けを求めていたんだな・・・。
気づかなくてごめんなさい・・・。

532 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/06/26 23:25 ID:U/dF3XuC
その夜は壁の音も消え、俺もぐっすりと眠りにつくことができた。
しかし、午前3時をまわった頃、突然息苦しさを感じて目覚めた。
と、同時に金縛りにあった。何かがいる。
例の壁のほうだ。
長い髪の毛の女だ。
ズルズルと這ってくる

怖い

女の血が俺の顔面にしたたりおちる
その時俺の耳元で女がつぶやいた

「あなたの手足もらっていくわ

 - Part 76, 洒落怖