ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 31-40 > Part 32 > 死んだのは 2016/04/23 854 名前:じん ◆74apLKYeX2 投稿日:03/04/10 21:11 死んだのはどっち 6人のわかい男女が海にあそびにいくことになりました。 全員がいっしょにいく予定でしたが、、その日の朝になって、 P子とC男にそれぞれ急用ができたため、ふたりはあとから 追いかけることにして、先に4人が出発しました。 目的地は日本海がわの美しい海岸です。昼まえに用事をすませたP子は、 C男に電話をしました。ところがC男はまだしばらく手がはなせないので 先にいってくれ、というのです。C男の車に乗せてもらおうと 期待していたP子は、しかたなく電車ででかけました。 855 名前:じん ◆74apLKYeX2 投稿日:03/04/10 21:14 夕がた、ホテルにつくと、先に到着していた4人が玄関に立っていて、 P子をみつけるとだまって部屋につれていきました。 そして、「いいかい、P子。俺たちが何を言っても 驚いちゃ駄目だよ」 と、沈んだ声でいいました。ただごとではない様子に感づいたP子は、 「何かあったの」 と、泣き出しそうな声でふるえながら聞きました。 「じつは、C男がここにくる途中、事故で死んだんだ。 さっき家から連絡があった」 「えっ、C男君が!」 といったきり、P子は体中の力がぬけ、へたへたと座り込んで しまいました。実はP子はC男が好きだったのです。 4人もそのことを知っていたので、どう慰めてよいか分かりません。 30分ほどたつと、P子のショックもいくらか和らいでました。 そのとき、 856 名前:じん ◆74apLKYeX2 投稿日:03/04/10 21:16 ドンドン、ドンドン。 と、ノックの音がしました。外から、 「あけてくれよ。今ついたよ」 というC男の声が聞こえました。5人はブルッと震え上がり、 「開けるんじゃないぞ。連れて行かれるぞ」と、 C男の声におののいていました。 ところが、P子だけはC男の声をきいた途端、たまらなく 会いたくなって、外に出ようとしたのです。 857 名前:じん ◆74apLKYeX2 投稿日:03/04/10 21:19 「やめろ。あぶない!」 4人は、P子を抱きかかえるようにして引きとめました。 しかし、P子は4人の手を振り切ってドアを開けたのです。 ドアの外には、青ざめたC男が呆然と立っていました。 「C男君!」 涙声でわめくP子に、 「おまえ、こんな所で一人で何しているんだ」 「何してるって? 4人といっしょに……」 「まだ知らないのか。あいつら4人は、ここにくる途中、 事故にあって全員死んだんだ」 「えっ!」 といって振り返ると、部屋の中には誰もいませんでした。 ↑ 昔読んだ話でした B! LINEへ送る - Part 32, 洒落怖