洒落怖超まとめ

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気になる心霊番組のオチ

   

俺は大学生のとき、同じアパートに住む一つ年上の先輩とよく遊んでいた。
夏には心霊スポット、冬には下呂温泉にとよく車を走らせていた。

夏の夜の事。
自殺が絶えないという橋に2人で行こうということになった。
俺の愛車で出かけたが、気分を出すため車内に音楽はかけず、
怖い話をしながら運転していた。
2人とも大の怖い話好きだが、霊の存在は信じていない。

目的地に着いた。2人のルールとして、
「心霊スポットは徒歩で楽しむ」というのがあった。
車中にいては、怖さ半減というか面白みに欠けるからである。

車から降り、タバコに火をつけ橋を見渡す。
時間的なものもあってか、いい雰囲気をかもし出していた。ゾクゾクする。
さあ渡ろうかというとき、静寂に混じってかすかに子供の声が聞こえる。
どうやら歌のようだ。

俺 :聞こえますか?
先輩:うん。
俺 :~とおりゃんせ~ですよね?
先輩:うん。やばい。すげー怖い。
俺 :確かに。どうします?
先輩:・・・。誰かがどっかでテープ流しとるんやろ。
俺 :でしょうね。で、どうします?行きます?雰囲気はかなり出てますけど。
先輩:・・。今日はやめて、また今度女誘って来やへん?そのほうが熱いやろ。
俺 :ですね。じゃあとりあえず帰りますか。

そして帰路に着いた。そうさ、2人してびびったのさ。
人為的(きっと悪戯目的)なものだと分かっていてもあの童謡は怖い。

帰りの車中で、いつもは聞かないFMラジオのスイッチを入れた。
DJがトーンを低くして何かをしゃべっている。
話の内容を聞くまでもなくソレと分かった。心霊番組だった。

DJ:さぁ次のリスナーからの投稿です。
  『これは僕が大学生のときに体験した話です。
   僕は友人と2人で夏の夜、肝試しに出かけました。
   そこは辺りでも有名な自殺スポットの橋でした。』
  
俺 :似てますね。
先輩:まぁな。でも前に他の車もおるし、あんま怖くない。

DJ:『・・くなった僕たちは、橋を渡ることなく引き返しました。
   しかし本当の恐怖はこの後でした。帰り・・ザ・・・ザザー・・す。』

あまりに自分たちと状況が似ていたため、息を飲んでラジオに聞き入っていたのだが
肝心なところが聞き取れない!
咄嗟に周波数をいじくるが、普段ラジオは聞かないため手間取って仕方ない。
その瞬間、

ガシャァァン!!!!!!!!!

俺は一瞬何が起こったのか分からなかった。
数秒後、やっと「ああ、自分は事故を起こしたんだな。」と理解した。

結局愛車の元年式セドリックは全損だったが、
俺も先輩もシートベルトをきちんとしていたため、ほぼ無傷。
夜間工事のため、道路が片側交互通行になっていて、
止まっていたデリカに突っ込んだようだ。
デリカの運転手も結局頭は揺さぶられたものの、無傷で済んだ。

これからは、今まで以上に安全運転に気を付けようと思ったのはいうまでもないが、
あのFM放送の投稿は結局どういうオチだったのか、今でも気になる。

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