生まれてきたモノ
590 本当にあった怖い名無し New! 2005/09/07(水) 22:55:01 ID:hLhfQ//l0
この出来事は30年ぐらい前に私のおじさんが体験した話です。
おじさん(以後主人)のおばさん(以後妻)がいよいよ子供を
出産する日が近づいて来ていた。
始めての出産を一週間後に控えていたのだ。
その日、妻は朝からなんとなく体調が悪かったらしい。
体のことを気遣いその日は、早い時間帯に寝た。
その真夜中、午前4時過ぎに家の電話が突然なった。
妻の主人が
『誰だこんな時間に・・・非常識な奴だ。』
といいつつ電話に出たらしい。
『もしもし』
【・・・】
『もしもし?聞こえてますか?』
【・・・】
無言だ。
その電話のおくでは
チリーン・・・チリーン・・・という音が聞こえたという。
591 590 New! 2005/09/07(水) 22:55:43 ID:hLhfQ//l0
主人はいたずら電話だな?と思い込み
こちらも黙ってみることにした。
主人が無言になってから1分ぐらいしたころだろうか
相手が何かを言っている。
【・・・さ】
主人はとうとう痺れを切らしたな、と思い
さらに黙っていることにした。
それから、30秒後、再び声が聞こえた。
【・・・さ・・・いで】
何をいってるか上手く聞き取りにくいが
今度も声が聞こえた。
それから、20秒後また声が聞こえた。
【ぼく・・・さないで】
ふと、主人は気づいた。
電話から聞こえている声が子供の声であるということに。
主人は恐怖心に包まれた。
592 590 New! 2005/09/07(水) 22:56:20 ID:hLhfQ//l0
こんな時間に子供が・・・
次の瞬間、声が野太くスローがかかったような声で
【ぼぉおおお~くぅうううう~をぉおおっぉお~】
その声聞いて、主人は思わず電話をガチャンと切った。
ハァハァ・・・ハァハァ・・・主人は息切れしていた。
『い、いたずらにしては手がこんで・・・』
と思いながらも、冷静さを取り戻そうと
水を飲みに台所に行こうと
後ろを振り向いた瞬間、子供がいた。
5~9歳ぐらいに見える子供の姿だったらしいのだが、
髪が顔全体を覆い隠していたので、顔が見えなかったらしい。
593 590 New! 2005/09/07(水) 22:57:01 ID:hLhfQ//l0
主人は、驚いて腰を抜かし後ろに倒れこんでしまった。
声を出そうにも声が恐怖に包まれて出ない。
目には涙が溜まっている。
その子供は、だんだん主人に近づいて来る。
主人は何とか手で後ろに後ずさるも、その子供はどんどん近づいて来る。
そして、主人の目の前まで来てしまった。
子供は、ぬっ、っと主人の顔の寸前まで来自分の顔を近づいて来た。
その瞬間、突風が吹いたように子供の髪が一気に後ろの方に流れた。
主人は見てしまった。
その子供の顔がこの世の者とは思えないような
顔をしているのを・・・
そして聞いてしまった。
【ぼぉおおおおお~くぅうううう~をぉおおおおお~こぉおおお~ろぉおおお~さぁあああぁ~
なぁああああ~~~いぃいいいいいいい~でぇえええええええl】
という野太いスローがかかった声を。
主人は悲鳴をあげて妻(おばさん)を起こした。
さっきの場所に連れてくるも子供の姿はどこにも無かった。
警察にも電話をし、来てもらったらしい。
それからは、何も起こらなかった。
595 590 New! 2005/09/07(水) 22:59:41 ID:hLhfQ//l0
一週間後、妻が出産を迎えた。
赤ん坊の出産を終えた妻の元に主人は付き添いでいた。
しかし、赤ん坊は未熟児だったので医師たちが
別室に連れていったという。
コンコン、部屋のノックがしドアが開いた。
「ご主人、ちょっと良いですか?」
そう言われた主人は妻の手を撫でながら部屋から出た。
そして、医者から赤ん坊について言われた。
「・・・非常に良いにくいのですが・・・あなたのお子さんは未熟児ではありません。
奇形児です。」
主人はヒドクショックを受けた。
(ここから、長くなるので割愛させて頂きます。)
「まだ、生きてはいるんですが・・・」
などと色々聞かされた後、
「もし、このまま、この赤ちゃんが順調に育ったとしても世間では・・・」
と言われ、主人は已む無く、安楽死を承諾した。
596 590(完) New! 2005/09/07(水) 23:02:08 ID:hLhfQ//l0
『その前に、一目でも我が子を見せてもらえないでしょうか?』
「う~ん・・・」
と医者は難しい顔をしていたが
あまりの主人の頼みに医者は承諾した。
主人は、別室に案内された。
我が子が入っているケースらしき物があった。
そして、ケースの中を見た瞬間。
背筋に恐怖が過ぎった。
顔全体に黒い毛がびっしりと生えていたのだ。
まるで一週間前に見た子供と同じように・・・。
『あの時、見た子供はもしかして・・・』
そう思いながら部屋を出ようとした瞬間、
あの声が聞こえたという。
【ぼぉおおお~くぅううう~をぉおおお~・・・】
597 590(補足) New! 2005/09/07(水) 23:07:50 ID:hLhfQ//l0
私のおじさんが実際に体験した話です。
当時は医療技術がまだ未発達だったので
出産まで奇形児かどうかは分からなかったみたいです。
最後に部屋を出るときに
子供の声が聞こえたらしいのですが
おじさんだけにしか聞こえなかったらしいです。
それから2年後、再び子供を授かりました。
それからは、何事もなく平穏無事に過ごしています。
唯一体験した怖い出来事だったらしいです。