洒落怖超まとめ

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疑心暗鬼

   

838本当にあった怖い名無し sage 2009/04/04(土) 10:42:03 ID:iClTuTZLO

俺も携帯から実話長文自分語りする。

小さな賃貸マンションで一人暮らししてる。他の部屋は家族ばかり。
付き合ってる彼女と暮らせたらなぁとここを借りた。
まあ複雑な事情があって、彼女が部屋に来ることは年に一回もない。
週一くらいで俺が彼女の家に遊びに行く付き合いが続いている。

俺自身も色々あり、ここ半年はほぼ引きこもり。汚部屋状態。
眺めのよい三階建ての302号室。
友達もおらず、2chとネットと睡眠と読書の日々。

一ヶ月くらい前の出来事。

夜、風呂に入っていた。
いつものようにまずお湯を浴び、のんびり湯船につかり、次に頭を洗う。
体を洗っているときに、風がスーッと吹き込んできたのに気が付き、手を止めた。
ドアの下部にあるスリットからだった。
玄関から誰かが来て風が動いたのかな思った。

『彼女かな?』
ドアを開けて部屋の様子を伺うが何の物音もしない。
彼女なわけない。ベルも鳴らさず夜に突然来るはずがない。
彼女はうちには来ない。というか、うちには誰も来ない。

『ベランダの窓からの風かな…』
なんとなくしょんぼりしてまた体を洗い、湯船につかり、風呂を出た。

それからいつもと何も変わらない引きこもりの日が二日続いた。
三日目に異変が起きた。

839本当にあった怖い名無し sage 2009/04/04(土) 10:45:53 ID:iClTuTZLO

また風呂に入っていた。
引きこもりなので風呂はいつも二日おきくらい。

いつも通りお湯を浴び、湯船につかり、湯船から出て椅子に座り、
シャンプーし、手桶で頭からお湯をかけシャンプーを流し、
ふと天井を見ると、メンテナンスの為に作られている押し上げ蓋(扉?)が10cmほどずれている。

手を止めて隙間から見える暗闇を見つめる。

『伸びとかしてぶつけたっけ?』『風呂に入る時には気が付かなかったな』『いつからだ?』
押し上げ蓋は30cm四方くらい。引越してきたときに覗いたような気がする程度。

『ま、いっか』
20秒くらい見つめた後に立ち上がり蓋を少し持ち上げズレを直した。

体を洗いながら思い出し、そして気付いた。この前の吹き込んできた風のことを。

風呂に窓は無く、部屋に風が吹こうとも空気が入ってくるのはおかしいと。
だいたい俺は冬でもいつもベランダの窓は開けてたのに、
風呂に風が吹き込んでくることなんて一度もなかったことを。

湯船につかりながら天井を見つめる。
『つい最近、誰かがここを開けたんだ…そして閉めなかった…』
今まさに天井裏にいるのか、この前の時にいたのか。

それから数日とても緊張した日々が続いた。

840本当にあった怖い名無し sage 2009/04/04(土) 10:49:09 ID:iClTuTZLO

ちょっとした物音にも敏感に反応し、眠る時も明かりはつけたまま。
廊下を通る足音がする度に覗きに行き、携帯メールにも怯えた。
風呂は短めに、天井の押し上げ蓋を見つめ動かした形跡がないかを何回も確かめる。
幽霊のたぐいかもしれないと、このオカ板を見るようにもなった。

日にちが経つごとに、自分が本当に一人なことに気が付いた。
もし三階に住む誰かが覗きか盗みの目的で天井裏を行き来していたとして、
他の誰かがそれに気付き警察に通報し、捜査が行われたとしたら、
自分は最も疑われるだろうと。

男一人暮らし、無職引きこもり、汚部屋。アリバイもない。
慌ててHDDのエロ画像と動画は全て捨てたが何の役にも立たない。
もし自分が侵入してきた誰かに殺されても、発見されるのは相当遅れるだろう。

俺はこの広い広い世界で誰とも繋がっていなかった。
それが今なによりも怖い。

埼玉東部で一人暮らしの男が部屋で何者かに殺されたら、この書き込みを思い出してほしい。


以上、長文すまんかった。

442本当にあった怖い名無し sage 2009/04/16(木) 22:58:54 ID:C82Eh+vv0 前スレ終わりのほうで、風呂の天井のメンテナンス押し上げ蓋がずれていた話を書いた俺だ。
またあの蓋がずれていた。

今日は用事があり16時過ぎから出かけ、19時頃に帰宅した。飯も食わずいつも通り居間で2chとネット三昧。
21時を回ったところで二日ぶりに風呂に入ろうと考えた。
風呂を沸かすのはめんどくさいのでシャワーにしようと決め、風呂場の電気をつけ扉を開けると、
目の前斜め上の風呂場のあのメンテナンスの蓋が、ずれていた。
そろそろあのショックも薄れ、自分の思い違いか記憶の混乱かと思い始めていたのに。

前回よりずれは大きく、15cmくらい。
ぽっかりと暗い屋根裏の闇。鈍く銀色に光るダクトのようなもの。
前回は絶対になかった、蓋に固定された緑色の電線。

身動きもできず、思わず「こえーなおい」「なんだよなんだよ」と口にする。
しばらくそのまま待ったが、動きはない。音もしない。何かの気配もない。
こわごわと手を伸ばし、蓋を少し持ち上げ、定位置に動かし、蓋を閉める。

『どうしよう・・・』
前回のことは錯覚じゃなかった。明らかに異常な何かが起こっている。
マンションの掲示板に何らかの工事やメンテナンスが入る告知は、当たり前だがずっとない。
何かが出たという騒ぎもないし、警察も訪ねてきていない。
ふいに無性に腹が立った。全身がこわばり鳥肌が立っていたが、ムカついた。
『なんで俺なんだよ』 その何かに負けたくなかった。
やけくそのようにそのまま服を脱ぎ、お湯を出し、シャワーで身体と頭をを洗い、風呂を出た。

身体を洗っているときから今まで考えていたのだが、その何かは俺に己の存在を訴えているのだ。
俺が部屋にいることは物音や灯りやタバコの匂いで確実に気付く。なのにわざわざ蓋をずらして立ち去る。
警告なのか?お願いなのか?人間なのか?あの世のものなのか?

分からない。 俺にできることは、ただ待つだけ。 何かが起こるのを。



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