「わたしのパートナーだった人はどこ?」
その女の子はすごい恐がりの子で、今回の肝試しも友達が「是非とも来て」と
言うから仕方なく来たのだが、来たことに後悔していたらしく、本当に怖がっていて
肝試し中は相手の男の腕にしがみついて、ずっと目をつぶっていたらしかった。
で、肝試しが終わったときに他の子は異性と仲良くしているので、自分もお世話に
なった男に礼だけを言おうと思ったら、その男が見つからなかったらしい。
その子は、終盤くらいに出発したのだが、回りのみんなはその子に
「世話になったのに顔を忘れるのは薄情だな」とか冗談を言っていたのだが、
あまりにもその子が真剣なので、じゃあ、もう一度さっきのカップルになってみよう、ということになって、
男女組を作ってみたら…、
その子だけ余ってしまった。
もちろん、前述の通り、出発地点と到着地点は全然違う場所で、距離もあるため
同じ人間が2回行くことは考えにくいし、また、その子は本当に真面目な子で
(優等生だったらしい)嘘を付いているとは考えられなかった
それで、みんなも薄気味悪くなって、その場はそれで解散となったのだが、
後日、人を集めた男女の代表が呼んだ人数を確認したら、女の方が一人多かった
ことが分かった…。
出発地点は当時、小さな街灯が一つしかなく他の人の顔も分かりにくい状況
だったので、集まったときは男女の正確な人数は分かっていなかったらしい。
ちなみに俺の兄が男側の代表だったのだが、この事実が分かったときは、
今回の肝試しを企画したことを心底後悔したって言っていた。
あと、この事は18年経った今でも謎だそうだ。
この話を当時リアルタイムで聞いた俺は、余りにも怖くて、今までは欠かさず
行っていた阿智神社の祭りとかも、それからで行かなくなったよ。
ちなみに今でもあまり行きたくないのだが…。