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良くわからん

   

314 本当にあった怖い名無し sage 05/03/03 13:10:51 ID:ulUc/y4Y0
深夜の交差点。赤信号が点滅するその下で、顔が人間みたいな犬を見た。
いや、体が犬みたいなひとなのだろうか?
まじまじと見ていると、そいつはこちらに目線をあわせてきた。
そして、唐突に口をきいた。
「おれは牛みたいなからだの、そして牛みたいなかおの。」

あっと思った。
「あなたは、あの何とか言う、・・・妖怪? 予言とかする。」
「いやちがう。牛そのものなのだよ」

そう言うと、首にさげたポシェットからコップを取り出し、
下腹のあたりからミルクらしきものをコップにしぼった。
「のんでみな。」

あれ、雌牛だったのか?
「気にするな。のんでみろ。」

飲んでみたが、ミルクの味ではない。
こちらがまずそうな顔をしているのを見て、そいつは言った。
「まずいか?」

「い、いえ。変わったミルクですね」コップを返しながら思わずそう答えてしまった。
そいつははじめて笑顔を見せ、こう言った。
「わるかった。牛だといったのはうそだ。おれはただの犬だよ。
 のませたのもミルクじゃないし。おまえ、いいやつだな」
それだけ言ったら、どこかへ行ってしまった。くそう。ただの犬のくせになめたことしやがって。

でも、ほんとに「ただの犬」なのか?
謎は深まるばかりだ。しかしたったひとつ言えることは、
自分が、あの犬の言ったとおり「いいやつ」だということだけだ。

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