洒落怖超まとめ

厳選じゃない、完全網羅のまとめサイトを目指しています

落とし前

   

693本当にあった怖い名無し sage 2010/02/15(月) 22:57:29 ID:8wKlksyG0

キンッ


女の頚椎が折れる感触が手から伝わると同時に痛いほどの勃起を続けていた俺の陰茎は夥しい量の精液をはき出した。
「へ へへへ また やっちまったぁ」
ボソッと呟いて俺が女の華奢な首から手を離すと、女は壊れた人形のように崩れ落ちた。
全く自分でも変態の極みだと思う。精神だって正常じゃないに決まっている。
俺は女が死ぬときに最高のオーガズムを感じる精神異常者だ。
今日も電車の中で見つけた美少女に心惹かれ、巧妙に尾行を続けた挙句、彼女の家の庭の古い倉庫に引きずりこんで凶行に及んだという訳だ。
絶望的な気病みだと自分でも思っているが、街中ですれ違うふとした瞬間に感じるトキメキとオーガズムに至る過程は俺の至福の瞬間だと言っても良い。

さて、後始末に掛からざるを得ない。濡れたズボンの不快さは絶頂の快感を既に侵し始めている。

‘可哀想やな’

694本当にあった怖い名無し sage 2010/02/15(月) 22:58:46 ID:8wKlksyG0

突然どこからともなく声が聞こえた。俺はビクッと体を震わせ周囲を見回した。
「誰だ?」小声で誰何する。小汚い倉庫の中には、何の異常もない。
‘どえらい事しでかした割に小心なんやな’
「どこにいる?」重ねて声を出した。
‘ま 姿が見えんと難儀やな。これでどないや’
目の前に蛍のような光が浮かんだ。だがまるで太陽の光のようで直視するのが難しい。
「何だお前は?」はっきり言って腰が抜けかけている。
‘あてか?あてはその娘の守護霊や’
「しゅ 守護.霊?」目の前の光はフワフワと上下している。
「守護霊ならこの女が殺される前に出てくるんじゃないのか?」
‘そら理屈やな。あてはその娘を見守るだけでしてな’
「どういうことだ?」
‘その娘はそういう星の下に生まれとるんや’
「あぁ?」光はフワフワしつつも徐々に大きくなっている気がする。
‘美人薄命ちゅうやろ その娘は薄命で輪廻転生を繰返す運命なんや’
「じゃあ。俺に殺されてもそういう運命だったと..」
‘ま 早よ言うたらそういうこっちゃ ただなぁ’
「何だ?」光がフッと目の前に静止した。

695本当にあった怖い名無し sage 2010/02/15(月) 23:00:07 ID:8wKlksyG0

‘その娘 3月後に不治の病に冒される筈やったんや’
「何だと?」
‘予定を狂わしてくれるもんやさかい また最初からやり直さなあかんねん’
「死ぬのは一緒だろうが」何かとんでもない事をしでかした気がする。
‘これやから 俗世の人間ちゅうのは度し難いっちゅうねん’
「だから説明しろって」
‘ええわ アンタがあての邪魔したのは分かっとるな?’
「ああ。そうらしいな」光がだんだんと人の形に拡がっていく
‘じゃ 落とし前をつけて貰わなあかんのや’
「何だって?」動けない。
‘あんたにはな..’光の人型の右足が俺の左足に近づく。
「ぁぁぁ」
‘永劫の拷苦を...’光の足と俺の足が触れる。 神経を剥き出しにして引き千切られるような苦痛が足から走る。
「がああああああぁぁああああああああ」もう何も聞こえなかった。
‘与えて...’光が俺の全身を包み込む。
「があぁぁぁぁぁぁあ ああぁぁ ぁぁぁぁぁぁ ぁぁぁぁぁあああ あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ぁぁぁぁぁぁ ぁぁぁ ぁ」

‘可哀想なんは あんたや’誰も聞くもののない言葉が発せられ、あとには娘の凄惨な死体が残されただけだった。

 - Part 236, 洒落怖