ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 11-20 > Part 18 > 誰もいなかった 2016/04/04 614 名前:山登り屋 投稿日:02/09/04 20:28 自分の山仲間の話です 神奈川県にある山奥の山小屋に彼は泊まっていた 山小屋には彼の他に2人の男性、夏にしては異様にすくない 風と木々のざわめきしか聞こえない山小屋で この、3人の男性達は夜遅くまでランタンに灯を灯し 高山植物の話や今まで登った山について語り合っていた。 夜中の1時ぐらいまでたっただろうか? 一人が「外から声がしないか?」と突然言った 二人は言葉を止め耳を傾けた 続く 615 名前:山登り屋 投稿日:02/09/04 20:36 「ううっ助けて・・・助けてくれ・・・」 外から声が聞こえる こんな夜中に何故?と思いつつも彼等は外へと飛び出した そこには初老の男性が胸を掴みのた打ち回っていた 彼はとにかく駈けより 「大丈夫か?」と声をかける 他の二人の一人はは急いで所持していた携帯の無線機でSOSを送ろうとした だが、何故か繋がらない しょうがなく簡易救急箱を持ってくる 初老の男性はあいかわらずかわらぬまま苦しむ そして、動かなくなった 彼はとりあえず脈を計ろうと腕に触れた だが、触ったとたんすぐに手を引っ込めてしまった 続く 616 名前:山登り屋 投稿日:02/09/04 20:44 何故なら暖かくもなく冷たくもない まるで物質のようなものに触れた様だったからだ 突然、その初老の男の手がのびた その引っ込めた手を強く握る様に その男は苦しみの顔と言葉を放った 「俺は苦しかったんだ、苦しくってここまできたんだ けれど、誰も居なかった小屋の前まで来たのに誰も居なかったんだ・・・・」 その初老の男の目からは涙が流れていた。 しばらく手を離さずに男は呆然としている3人の登山者達を見回した そして溶けるかのように地面に沈んでいった。 3人はしばらく無言で立ち尽くしていた 一人が「もう遅いから寝よう・・・・」 617 名前:山登り屋 投稿日:02/09/04 20:51 そう言って3人は小屋へ入り何も言わず眠りについた・・・・ その日の朝、山小屋を出た3人は夜中に起きた山小屋の前に行き あの初老の男がこの地から帰れる様に・・・と祈り帰路についた 死ぬほど洒落にならないにはいたらない話ばかりですまないです 難しい・・・・ B! LINEへ送る - Part 18, 洒落怖 山