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遠藤周作の話

   

374本当にあった怖い名無し sage New! 2008/03/31(月) 18:34:46 ID:lEDD/i1t0

急に思い出した。

いわゆる「霊感のある人」のオバケ話は霊感のない俺には全く怖くないんだけど、
作家の遠藤周作が体験したっていうのはリアリティがあって(というか嘘つく筈がない)
すごい怖かった。
あんまり覚えてないんだけど、まず午前0時きっかりに時計が止まる部屋。
吉原の廃止された娼館で娼婦が殺された部屋なんだけど、その部屋の時計は0時きっかりに止まってしまう。 殺されたのが0時か?
そんで、遠藤はそんなもん信用してないし、霊感もないので意気揚々とその部屋に泊まりに行った。
自分の使ってる時計、偶然にでも止まる可能性がないように電池(ゼンマイ?)とかも
チェックして持ち込んだんだけど、果たして0時きっかりに止まってしまった。
そのあともラップ音や人の気配(廃館なのでもちろん人はいない)に遠藤は怖くなってとんずらした。
それだけならオカルティックな事を恐れたりしなかったんだけど、今度は取材も兼ねて
自殺があって必ず出るという小屋に同じく作家の吉行淳之介と泊まりに行った。
そこでは酒を飲んだりガヤガヤ話したりで全く出る気配がなかったんだが、夜中
寝てるときにふと吉行と自分の間に背を向けて座ってる人影をばっちり見てしまう。
そんなわけない、と目を瞑るが、「ここで、死んだんです」っていう若い男の声を
聞いてしまう。恐ろしくてなおも寝たふりをしてると、こんどは耳にべったりと口をつけて
「私は、ここで死んだんです」
あまりに生々しい感触に飛び上がって起きると、なぜか吉行も顔面蒼白で起きてきて
「逃げよう!ここはやばい!」って一目散に逃げ出した。
外に出ると遠藤は木陰で嘔吐し、吉行はやはり同じような体験をしたことを明かした。
それに懲りて遠藤は二度とそういう突撃をしないようになった。

信頼してる作家にそんな事を言われると、やっぱり俺は霊感ないけど心霊スポットとか
には絶対行かないようにしよう!と思う。
少なくとも、死者に対するリスペクトと鈍感を持ち合わせてる限り、そんな体験には遭遇しない筈だから。



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