洒落怖超まとめ

厳選じゃない、完全網羅のまとめサイトを目指しています

部室

   

618本当にあった怖い名無し sage 2008/12/15(月) 21:37:45 ID:onsZJjdx0

今から10年近く前
俺が中学二年生の時の話

夏になり、うっとおしかった三年が部活を引退し、
俺たち二年が自分好みにバスケ部の部室をいじっていた
顧問はけっこういい加減な性格で、
部活にはでないし、部室にもこない
ということで、漫画本やお菓子などを持ち込んだ
電気が通ってないので、電池&電球なども用意した
秘密基地に近いノリ
(今考えると、
思春期の少年を管理するために定期的に部室点検みたいなのが義務つけられていて
こっそり見回っていたのかもしれないが、何もいわれなかった)
部室の鍵は原則として帰るときには返却しないといけないのだが、
一日だけそれらしい別の鍵とスリ換えで返却、その日のうちに複製をつくる
次の日にまたスリ換える
俺たちは合鍵をつくっていつでも自由に出入りを出来るようにしておいた

ある日、同級生のKが、部室内に覗き穴を開けた
穴の向こうは隣接している女子バスケ部
穴は女子バスケ部の棚の段のすぐ下にあるので気づかれない
絶妙の場所だ
夜中に女子バスケ部に侵入し、そちらからばれにくい場所を考え、穴をあけたのだという
俺たちはは感心した

交代で女子の着替えを覗いていたが、
まさか着替えを見ながら、みんなの前でオナニーするわけにもいかず、ただただ悶々とするだけ
あまりいいものでもないなーと思い
俺は数日で覗くのを辞めた

620本当にあった怖い名無し sage 2008/12/15(月) 21:40:26 ID:onsZJjdx0

ある秋の金曜日の晩、俺は父親と喧嘩をして家出した
部室に泊まることにした
電球をつけ、誰のかわからないタオルを適当に床に敷いて簡単な布団代わりにして寝転び漫画を読んでいた
次第にウトウトしていたが、物音がしてハッと目が覚めた

隣の、女子バスケ部の鍵をあける音がする
角度的に向こうに光が漏れることはないが、念のため、音がしないようにそっと電球を消した

誰だろうと、覗き穴に目をやった
室内は暗かったが、月明かりが差し込んでいたのでなんとなく人影が見えた
Kだった

Kがなんで、こんな時間に、しかも、女子バスケ部に。鍵は・・・と、色々気になったが
Kは女子のユニフォームを手に取りオナニーを始めた
(鍵は、俺たちが自分の部室の鍵をつくったようなスリ替えで作ったんだと思う)
まずいものをみたな・・・と思ったし、俺はKのオナニーなんてみたくもないので
物音を立てないように壁から離れそっと床に座った

隣の部室からハァハァという音が聞こえる
Kは、「○○ちゃんいいよー」などと、女子バスケ部の女の子の名前を言いながらオナニーをしている
親との喧嘩のイライラはもう消えていた とにかく、もう嫌だ 帰りたい
でも今帰ったらKにばれる
覗き穴を作ったのはKなので穴の存在を知っているわけだし、今、俺が今出て行ったら
当然、自分のオナニーを見られたと思うだろう
それは非常に気まずくなる
Kが帰ってから、俺も帰ろうと思った

621本当にあった怖い名無し sage 2008/12/15(月) 21:41:16 ID:onsZJjdx0

俺は呼吸を殺し、微動だにせず時間が過ぎるのをまった
女子バスケ部のドアを開け、鍵を閉める音が聞こえる
どうやら帰るようだ ホッとした
次の瞬間、俺のいる男子バスケ部に足音が近づいてきた
ここに入ってくる気か・・・?
俺は床に敷いていたタオルを顔に巻いた

ガチャガチャ ギイイ
Kがドアをあけた瞬間
俺はKを突き飛ばし、一目散に逃げた
Kは何がおきたのかわからなかったのか、それともその気がなかったのか ともかく、追いかけてはこなかった

次の日、学校は休みだったが、部活はあった
俺は部活には参加したくなかったが、
ここで休んだら疑われるだろうし、
なによりKの様子が気になったので 部活に参加した

シュート練習をしている俺にKが近づいてきて、小声で尋ねてきた
「昨日の夜、部室にいた?」
俺はギクリとしたが、表情には出さずに「いや、なんで?」と聞き返した
「なんとなく」
そういったっきりKは俺の横から去った
(まさか、ばれたのか?)と思ったが、
Kは他の部員にも同じことを尋ねていた ばれているわけじゃないらしい

その日以降、Kは俺を含める男子バスケ部員にことある毎に
「○日の夜、部室にいた?」と聞いてきた
いい加減、うっとおしいしなと思いはじめてきた

622本当にあった怖い名無し sage 2008/12/15(月) 21:42:42 ID:onsZJjdx0

何週間か経過して、月曜日
女子バスケ部のキャプテンのUが俺たちにいった
「あんたたち、変なことしてないよね?」
俺は「はあ?」といった(覗き穴のことがばれてるのか?)とギクリとした
「ここ最近、毎週うちらの部室が荒らされてるんだよね 今日確認したらまた荒らされてた」とUは言った
(毎週?あの日だけじゃなく毎週なのか Kは誰かにばれてたってわかってるだろうに、まだやってんのか)
その場はしらんぷりしたが、いい加減にKが気持ち悪くなってきた
一回だけならともかく、バレたのに、まだやってるのか 得体の知れない化け物に思えてきた
密告分を書こうと思ったけど、ばれると嫌なので放置しておいた

ある日を境に、Kが学校に来なくなった その日は生活指導の体育の先生が腕に包帯を巻いていた

噂によると、定期的に女子バスケ部の部室が荒らされるので、
体育の先生や他の先生方複数で見張りをしていたらしい
そしてKが女子バスケ部に入ろうとするところを押さえた
Kは手に包丁を持っており、それで先生を刺した けれど、捕まった・・・
Kが実際、どうなったのかは知らない
先生にそれとなく尋ねても、何もいわなかった

数日後、うちの母親がいった
「K君のところ、引っ越したんだってね」
俺はどこに?と尋ねた
母親は知らないと答えた
翌日、登校前に遠回りして、Kの家の前を通りかかった
カーテンはそのままだったが、庭にいた犬がいなくなっていた
どうやら引っ越したという噂は本当らしかった

あれ以来、Kとは会っていない

おわり

 - Part 203, 洒落怖