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飢餓の時代

   

523本当にあった怖い名無し 2009/12/03(木) 20:31:26 ID:BZo7Jb+o0

オカルトではないけど歴史の話でちょっと面白かったので投下


まぁ怖い話と言うかウチの地域(山間部)で実際に起こった歴史なんだけどさ

1783~4年は世に名高い「天明の大飢饉」が起こり、我が南部藩でも沢山の人間が死んだ
南部藩がまとめた『南部史要』によると、餓死者が40850人、病死者23848人、
一家全滅で空き家になった家は10545戸にも及んだという


南部藩八戸でまとめられた『天明卯辰簗』にはその当時の人身の荒廃の様が生々しく書かれている

『夫を欺し打殺して是を喰 我子をも鎌にて一打にてうちころし、頭より足迄食し、
夫より倒死の市外を見付是を食とし、又々墓々を掘返し死骸を掘出 夜々里に出でて人之子供を追候。』

また、遠く南部遠野藩の『動転愁記』には『「もう喰いたいと言わぬ故許せ」と泣き叫ぶ八歳の娘の頭に
石を打ち下ろして殺し、早瀬川に投げ込』むなどの記述がある

524本当にあった怖い名無し 2009/12/03(木) 20:39:29 ID:BZo7Jb+o0

これだと生きていけないってんで、皆、農民も町人もどこか食い扶持を求めて家を捨てて逃げるそうだ

しかし、皆が隣村に「亡命」してきてももちろん喰うものはどこにもないもんで、
却って食い扶持が少なくなって全滅の危険がある。

そうなるとどうなるか。亡命してこられる前に隣の村の奴をできるだけ殺そうって話になる
皆必死だし、ニ、三人死んでも今更皆気にしないから、若者とかまだ体力がある奴が鎌や鍬を手に持って、
隣村を素面で襲撃して殺す殺す。皆もう逃げる体力もないから皆殺しなんだそうだ

その殺された奴の遺体は飢えた者たちの食料になったというから凄まじい

皆殺しをやった村では、未だに殺した人間以上に人口が増えないそうだ

527本当にあった怖い名無し 2009/12/03(木) 20:51:50 ID:BZo7Jb+o0

それでも、やっぱりいつの時代にもいい人はいるもんだ

ついに飢饉も最悪の状態になると、一山も二山も越えた先にあるウチの町にまで農民が亡命してきたそうだが、
土地の事情で生産が多く、まだ余裕があった俺の町の農民たちは哀れに思って、
決して多くない蓄えを放出し、餓鬼みたいになった農民たちに炊き出しして振舞ったんだと

しかし、これがいけなかった。メシを食わせた瞬間、大半の農民は死んでしまったそうだ


何ヶ月もろくすっぽ食ってない胃に食い物を入れると人間ってショック死するんだと
農民たちは白目を剥き、ひっくり返って苦しみ抜くそうで、ウチの町の農民たちがおろおろするうちに皆死んだ

こういう悲劇がいろんなところで繰り返される。善意でやったつもりが、かえって最悪の結果を招いてしまう
そのことを知った俺の町の先祖たちは、亡命してくる農民たちを追い払うようになった
町は餓鬼の群れで溢れ、そこらじゅうに行き倒れの死体が転がって極めて凄惨な光景だったそうだ

今はその餓死者たちを供養する慰霊碑が町中に建っているが、この歴史についてはあまり触れられない
未だに俺の町では、このときの歴史については口をつぐんでしまう老人が結構いる
親から何代にも渡って、このことは口外するなと口止めされるからなんだと


おしまい

525本当にあった怖い名無し 2009/12/03(木) 20:42:37 ID:e/cirWf3O

なんか怖い光景が目に浮かぶ(((。。;)))

人間が人間を食べると、変な病気になるんじゃなかったっけ?
牛の餌に牛をあげたら狂牛病になったように。

528本当にあった怖い名無し 2009/12/03(木) 20:54:44 ID:BZo7Jb+o0

>>525
クールー病ってのになるらしいがそれについては聞いてない
いたって分からないと思うな

529ろめお 2009/12/03(木) 20:56:38 ID:EMYSY1rW0

527さん乙です。
恐ろしい話ですね。
現代人には食人なんで想像できないですけど、
たった200年前の話なんですよね…。

530本当にあった怖い名無し 2009/12/03(木) 20:59:03 ID:BZo7Jb+o0

>>529
ケガツ(飢渇)とウチの地域では呼んでるがいまだに聞かされるからな
土壁の中のワラ食ったとか、旅人襲って食うとか。どこの釣神様だって話だ

お前らも東北の田舎に来たときはジイさんバアさんの前でワラビもちとか食うなよ

531ろめお 2009/12/03(木) 21:07:23 ID:EMYSY1rW0

そういえば母親の実家が宮城だ…。
どうしてワラビ餅を食べるといけないんですか?

532本当にあった怖い名無し 2009/12/03(木) 21:13:19 ID:BZo7Jb+o0

>>531
なんにも食い物ないときにはワラビの根っこを掘り出して乾かして粉末にして
デンプン取り出して食べるという「ワラビの根モチ」という飢饉時の食い物があるから
戦争時までは普通にあったし、戦後食糧難の時代にはまだ食べられてた

バアちゃんとかワラビ餅と名前聞くだけでもう複雑な表情するからなwww
今雑穀が健康にいいとか言って米に雑穀とか入れると露骨にイヤな顔するし


556本当にあった怖い名無し sage 2009/12/04(金) 05:16:09 ID:rWvInYPOO

天明の大飢饉の話で、彼岸花の名の由来について思い出した。
あれは日本自生の花じゃなくて、何時からか河原に故意に植え始めた花で
現に増える速度が物凄く遅いんだわ。1年に10センチ増えるかどうか位遅い。
でも田畑の近辺には必ずまとめて植わってる。その理由なんだけど…。

彼岸花は毒を持った植物なんだけど、飢饉の際は無害な草木も食い尽くしたら
あの花も食されるようになったんだって。
水にさらしたり茹でたりすれば、一応どうにか食べられる程度には毒抜きが
出来るらしいからね。
それさえ食中毒の危険を承知で食べ尽くしてしまったら、いよいよ残されたのは
先に死んだ者の肉や脳髄…。
特に子供の頭を丸焼きにし、引き出して食べた脳はことのほか美味だったと…

つまり餓鬼道に堕ちる直前、人であるうちに最後に食される物、しかも血の色を
彷彿とさせる花を咲かすから、彼岸花と呼ばれるようになったんだって。

今では、若い人は季節の花として愛でたり、生け花に使うことさえあるけど
年配の人は縁起が悪いと、敬遠するのも珍しくない花だよ

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