洒落怖超まとめ

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魔剣

   

249 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/02/20 19:38
その日はテスト期間だったので部活もなしで帰ることが出来ました。
僕と同じ部活のAとBの三人で賑やかな商店街を通りました。
商店街の途中、古臭い骨董品屋がありました。
僕は興味を惹かれたので「入らない?」と友人に聞くとAは嫌がってたのですが
BがOKをしてくれたのでAは仕方が無くついてきて三人で入りました。

その骨董品屋では額縁に入った絵、壺、置物、掛け軸など恐らく普通だと思われる品がありました。
端の方に薄い長方形の茶色い箱に入った、奇妙に曲がった刃と柄に綺麗な彫刻の入ったナイフが置かれていました。
そのナイフに僕は魅入られてしまったのかもしれません。そのナイフがどうしても欲しくなったのです。
値段は八千円。手持ちが5000円とすこし無かったので友人二人にお願いしてお金を借り、そのナイフを買いました。
友達は「殺るのかよ?」とか「あぶねー」とかからかってましたが僕は気になりませんでした。
早くこのナイフをまじまじと見ていたい。そんな衝動が出てきました。
友人たちはCD屋やマックに誘うのですが僕はテスト勉強を理由に断りました。

家に帰り部屋に入ると僕は早速あのナイフを取り出しました。刀身が曇っているので眼鏡拭きの布で磨きました。
その刃のなんと美しいことでしょう。鳥肌が立ちました。そのいくつにも分かれる奇妙な刀身。切れ味は良さそうでした。
このナイフは魔剣かもしれない。これ以上見ていたら魂を奪われるかもしれない。そんな感じがしていました。

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