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オカルト様ゲーム

   

425オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:13:07 ID:9vbBSGzV0

大学の時、仲間内でオカルト様ゲームってのがはやってた。
やる事は王様ゲームと一緒で
オカルト様になった奴の命令は絶対ってことだ。
だが、オカルト様の命令は必ずオカルトっぽいもの。
それを俺を含めた友人5人でやる事になった。
俺の他はそれぞれこんな感じ
A:体育会系マッチョ。冬でも超薄着。見た目が男塾。
  この日も12月だというのにジャケットの下はTシャツで意味不明
F香:ドS女。マジのサド。ホラーを見ると襲う方を応援する。
H:典型的理系人間。理屈っぽいけど、笑いも取れる使える男。
M美:霊感があると噂の女。美人。
で、俺の計5人

426オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:14:13 ID:9vbBSGzV0

あと、場を盛り上げるためのグッズをそれぞれが用意した。
A:どっから持ってきたのか良く分からん黒い石としめ縄。
  石はかなりでかくて重い。
F香:蝋燭。ムチ。白装束。額につける三角のやつ。釘。
H:ネットで見つけた心霊写真をA3にプリントアウトしたやつ3枚。
M美:お札(5枚)。
俺:公園で拾った人形。道ばたで拾った携帯電話の残骸。
 (俺が持ってきたものはどちらも今回の話に出てこない。無視してくれ)

427オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:15:19 ID:9vbBSGzV0

Aの持ってきた黒い石がとにかくでかくて重い。
まずはそれが話のネタになった。
H「何だよ。この石。なんか封印されてるのか」
A「近くにこのしめ縄が落ちてたからそうかも知らねえな」
F香「とりあえず割ってみよう!!」
H「早すぎだろ」
俺「ここで割るのはもったいないだろ。ゲームのネタが減っちまう」
みたいな感じで、もう石の運命は決定した。

で、オカルト様ゲームスタート。
番号のついた割り箸をそれぞれが選んで、
「オカルト様だ~れ」ってやります。
王様ゲームと同じです。


429オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:17:11 ID:9vbBSGzV0

だらだら書いてもアレなんで、ハイライトを。
オカルト様F香の命令、
「○番が、白装束を着て三角の奴を頭につけて、ムチを振りながらコンビニに行く。
 弁当を5つ購入して、全部温めてもらう」
ターゲットはAになった。
A「こんなの余裕だって」と言って白装束を着た。
本気でめっちゃ笑った。皆でついていって、ちょっと離れた場所からAを観察。
Aは堂々とした白装束姿で着てムチを振りながら駐車場を横断。
時々失敗して自分を叩いていた。爆笑。
入り口まで来ると、Aはムチを丁寧に束ねて傘立ての横に置いた。
そこで俺たちの方を振り返って軽くガッツポーズ。大爆笑の俺たち。
Aは何事もなくコンビニに入って弁当を選んだ。
その後、弁当を買って温めてもらっている様子だった。
弁当5つだったので結構時間がかかった。
後からAに聞いたが店員はかなり動揺していたようだ。
出てくるところで、店員に向かって
「夜遅く、まことにお疲れさまです!!」
と良く通る良い声で言った。俺たちさらに大爆笑。
途中まで来たが、ムチを置いてきた事に気がついて、
慌てて走って戻った。腹を抱えて笑う俺たち。
すげ~ぜA。ヒーローだ。

430オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:18:21 ID:9vbBSGzV0

オカルト様Aの命令
「○番が、しめ縄をひきちぎる」
○番はM美だった。
M美「無理だよ。そんな」
皆「オカルト様の命令はぜった~い」
で、M美(美人)が必死になってしめ縄を伸ばしたりねじったり
両端を手でもって、足でぐっと伸ばそうとした。
その必死の姿がかなり萌えた。
F香「なんか無理そうじゃな~い。
 そうだ。藁なんだから、燃やせば良いよ」
そう言ってジッボを取り出し蝋燭に火をつけた。
火にしめ縄をかざそうとするM美。
H「ストップ。せっかくだから電気消そうぜ」
ナイスアシストH。この後、耽美な世界が展開する。
蝋燭のゆれる炎にM美の顔が浮かび上がる、しめ縄を炎にかざすM美。
すげ~。めっちゃ幻想的。思わず盛り上がる俺たち。爆笑。
しかし、しめ縄は湿っているらしく火がつかない。残念。
ここで命令は終了。

431オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:19:43 ID:9vbBSGzV0

オカルト様Hの命令
「○番が、心霊写真ともれなくキス。そのまま食いちぎる」
○番はF香。
F香「マジで~~~~」
と言ったがこの後のF香は役者だった。
まず一枚目、F香は写真の角にキス、そのままかんで、ゆっくりと引き裂いた。
引き裂いた後にぺっと舌を出して上目づかい。くそ、友達なのに色っぽい。
実はF香もビジュアル的に結構いけている。M美みたいな典型的場美人ではないが、
クセはあるが可愛い系。いや口はでかいが可愛い系。
2枚目は写真のど真ん中にキスして、そのまま首を振りながら引き裂いた。
3枚目は、心霊写真にほおずりをしながら、顔が見えるように唇を半分だけすらせる
ゆっくりと破くと見せかけて、端まで着たところでビリ!!と一気に引き裂いた。
一同「おお~」と思わず拍手。
その時だ。
A「F香!!好きだ!!」
H「なんだそれ。いきなり告白かよ!!」
一同爆笑。
話を聞いてみるとF香は高校時代、演劇部で副部長だったそうだ。
何とかって言う踊りを子供の頃習っていたらしい。納得。

433オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:21:53 ID:9vbBSGzV0

いよいよ本題。恐い話。

オカルト様俺の命令
「みんなで、石に釘を打ち込んで、割る!!」
これで最後の命令だって感じで言い放った。
M美「ちょっと。待って」
F香「何?なんか面白いネタでも出るの」
M美「そうじゃなくて。ちょっとヤバいかなって」
F香「大丈夫だって。男もいるし。頼れるかどうかは別として」
俺「なんだよそれ」
H「俺とAは頼りになるぞ、賢いのとマッチョだ。しかし、お前はただの人だ」
Hは俺を指差して言った。
俺「何!俺は王様だ!!!!」
俺は釘を手に取って、石に突き刺そうとした。もちろん刺さらない。
俺「おい、トンカチとかないのか」
A「ないよ」
言い忘れたがここはAの部屋だ。
H「なんか代わりになるものは~。ビール瓶しかね~な~」
俺「それで良いよ。やろうぜ」

434オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:23:56 ID:9vbBSGzV0

俺はビール瓶を持って釘を叩いた。が上手くいかない。
A「ちょっと貸してみろよ」
Aが叩き始めた。
A「あ」とAが言った時、ビール瓶はまっぷたつに割れた。
うそみたいに綺麗にまっぷたつ、やや斜めの角度で縦に割れてしまった。
A「やべ、手を切っちまった」
手を抑えるA、血が垂れていた。血は石に落ちた。
M美「あ、なんか出てくる!!」突然M美が声を上げた。
F香「何何?なにか見えるの」
M美は自分が持ってきた札を慌てて手に取った。札を選んでいる様子だ。
M美「これかな」
M美は札を持って石に近づこうとした。
M美「痛!」M美は足を抑えた。
F香「どうかした?」
M美「つっちゃったみたい」
俺は不安になってきた。明らかに場の空気が変ったのを感じたからだ。
Aを見ると様子が変だ。うずくまったまま動かない。
H「おい。どうした。そんなに痛いのかよ」
HはAの顔を覗き込んだあと、舌打ちして振り返った。
H「おい、ヤバいぞ。これ」
Aは脂汗をかいてうなっている。

437オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:25:47 ID:9vbBSGzV0

さすがに俺は焦りだした。
HはAをバスルームまで連れて行って傷口を水で洗い始めた。
Hのしっかりしろと言う声が聞こえてくる。
俺は直感的に、この場にこの石がある事がマズいと感じた。
石を部屋から出そうとした。しかし石が持ち上がらない。
重いと言っても、さっきまで持ち上げる事が出来たはずだ。
M美「これをはって」
俺は札を受け取って石にはった。
すると札はさっと紅くなった。さっき石に付いたAの血で札が紅く染まったのだ。
俺は再度石を持ち上げた。
今度は持ち上がった。
そのまま一瞬ベランダから投げ捨てようとしたが、ここは2Fだ。さすがにヤバい。
玄関を出て、廊下を走り、急いで階段を下りた。
石が重くて腕がしびれる。足がふらつく。
くそ、ここで放り出したい。

438オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 00:27:04 ID:9vbBSGzV0

しかし耐えた。
何とか階段を下りて、外に出た。
しかし、何処に捨てれば良いんだよ。こんな石。
その時、思わず手が滑った。
石が落ちる。
俺はとっさに足を引いた。石の下敷きにならないようにだ。
石はアスファルトの上に落ちた。
ゴスっと鈍い音がして、石はまっぷたつに割れてしまった。
しばらく呆然としたが、
ここに置いたままでは通行人の邪魔になる。
近くの街路樹の下まで持っていく事にした。
割れてしまった一方は問題なく運んだ。
しかし、もう一方を持ち上げようと手を触れた時、
思わず手を引いた。
冷たかったからだ。
その時、その片割れの石には札が貼られていない事に気がついた。
さっき持っていった方には札が貼られていたのだ。
俺は、迷ったが、
その石を邪魔にならないように足の裏で押して端に寄せた。

457オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 01:24:56 ID:9vbBSGzV0

その後、部屋に戻るとAは落ち着いているようだった。
H「切り口から雑菌が入ったかもしれないから、明日、速攻で医者に行けよ」
A「ああ、そうするよ」
M美「石はどうなったの○(俺の事)君」
俺はさっきの出来事を説明した。M美はしばらく考えているようだった。
M美「そっちは私が考えるよ。何かあったら連絡する」
F香「なんだか、えらいことになっちゃったね」
F香はそう言って力なく笑った。
その日はそれで解散。

458オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 01:25:54 ID:9vbBSGzV0

後日談。
Aは翌日医者に行った。
A「ああ、たいした事ないよ。ちょっとはれちまってさ」
Aはしばらく包帯をしていたが、しばらくすると包帯も外して
何事もなかったように普通にしていた。俺は安心した。

3日後にM美から連絡があった。
俺は石のある場所(Aのアパート)まで行った。
M美とF香がいた。
俺が放り出した石には札が張ってあった。
F香「これを運ぶのよ」
俺「良いよ」
F香「じゃ、●●川までヨロシク」
俺「は?マジで」

459オカルト様ゲーム sage New! 2007/11/11(日) 01:26:26 ID:9vbBSGzV0

●●川まで、そこから700mぐらい。人力でも運べるがしんどかった。
途中で、くそ~。重いぜ~とか言いながら運んだ。
それにF香が間の手を入れてM美が笑った。
F香「○○君。カッコイイ。力持ちじゃな~い。惚れそう」
俺「惚れなくて良いから、手伝え」みたいなノリで。
何とか2つに割れた石を河原まで運んだ。
俺「で、どうすんのこれ」
M美「川の流れの中に並べて入れて」
俺は石を川に沈めた。
M美「もっと流れがある方が良いかな」
もっと流れがあるところまで運んで沈めた。2つを並べて。
M美「これで良いよ。水の流れは石をまるくするの」
俺「それって小学校の理科の授業であったよな」
F香「あった。あった」と2人で笑った。
M美「同じよ。形も、力も、流れにもまれてまるくなるの」
ふ~ん。みたいに頷く俺とF香。
俺「ところで、Hはなんで来ねえの」
F香「バイトだってさ」
俺「なんだそれ」
と、俺は吐き捨てぎみに言ったが、
M美とF香と3人でいっしょにいるのは悪くなかった。

END


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