ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 22 > 踏切を待つ人 2016/04/08 231 名前:のさま鷹鳴 投稿日:02/11/14 22:55 雨が降っていました。 夜11時を過ぎた頃でしょうか。 私がコンビニでの買い物帰りに踏み切り前で待っていると、 いつのまにか周囲にたくさん人が集まっていました。 ああ、パチンコ帰りかなんかかな、と考えて気にはしなかったのですが、 だんだんと列車の近づく音と共に異変は起き始めました。 遮断機の前で間っている数人が、 一人、また一人と遮断機をくぐり中へ入っていくのです。 そして、急いで通り抜ける訳でもなく線路に横たわるのです。 周囲は不思議なほど静かでした。周りにはまだ人がいるというにもかかわらず。 止めることも忘れ、呆然としてしまっていると列車が来ました。 232 名前:のさま鷹鳴 投稿日:02/11/14 22:56 顔をはじく風圧と共に、 彼らの姿は消えてしまいました。 しかし、それだけではなかったのです。 通りぬける列車へ、周囲にいた残りの人たちが一斉に飛び込んでいったのです。 訳が分かりませんでした。 目の前が真っ白になってしまい、動くことができませんでした。 遮断機が上がる気配に、我に返りました。 周囲には真っ二つに裂けた死体や、砕け散った肉片が。 しかし、そろそろ私も気付いていました。 彼らは「人」ではないと。 彼らは列車の音が消えていくと共に立ち上がり、 また元の位置へと帰っていきました。 そして、また次の列車を待つのでしょう。 壊れた身体のまま遮断機の外で立っているのです。 彼らはずっと繰り返すのでしょう。 自分が既に死んでいることに気付かずに。 B! LINEへ送る - Part 22, 洒落怖