洒落怖超まとめ

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お灸

   

172本当にあった怖い名無し2020/05/12(火) 22:04:48.12ID:tUt3SEcs0

大学の親しい友達6名と山登りに行った時の話なんだが
早朝に出発して目的地の山についたのは10時ぐらいだったな
最初は楽しい登山だったよ?雲一つない晴天で。

みんなでくっちゃべりながら山道のぼってさ
女2人と男4人(俺含む)の楽しい山登りだった

途中できのこやら山菜やらを見つけて特に問題としないで普通に採ってね
中西っていうちょいワルの奴にまとめて持たせてたんだ

時間が過ぎ去るのって楽しければ楽しいほど早くて気が付いたらもう夕暮れだ

ぶっちゃけ俺ら、山舐めてた。まだ明るいから余裕で下山できると思ってたんだよな。

予想通り、真っ暗になっちゃって 昼間ならあっさり下まで行けるはずの山道がわかんなくなって
女友達2人も歩き疲れていて
とりあえず、慌てたら迷うだけだと一旦、その場でみんなで座って気持ちを落ち着かせてた

「おめぇら、こんなとこでなにしてるだ!!」

突然、大きな声が聞こえ驚いてその方を見ると60歳ぐらいのおっさんがたってた
服装はいかにも山登りのおっさんって感じで頭は薄い白髪だった
胸元の黄色いぽっけが記憶に残ってる

「ぼ、僕たち山登りにきて道に迷っちゃって途方に暮れていたんです」

伊藤っていう俺と特に仲の良かった奴が説明した。

「おーぅん(ほーんの事だと思う)?そりゃあ大変だなぁ、おめたち山がどれだけおっかねぇか知らなかったベ
だからこんな状況になるだ とりゃーずおらぁについてこれ 下までつれてってやる」


173本当にあった怖い名無し2020/05/12(火) 22:06:20.94ID:tUt3SEcs0

そのあとはさくさくと下に降りてったね、おっさんがまるで知ってるようにどんどん進むからさ

「おじさん、この山 詳しいんですか?」 相川っていう女が質問した

「こかぁ、おらぁの山よ! せぇーきん おめらみてぇなのが増えてなぁ
山に登るだけならいいだよ?ばかん者がおらぁのきぬことかさーさいとか根こそぎとりゃーがって
ふざけんじゃねーわ!!人がせっかく楽しみにしとるのによ? 
ん?!!おめらまさかさーさいやらきぬこやら採ってねーべな!!?」

「とってません!とってません!山登りに来ただけです!!」 もう一人の女友達 城倉が慌てて言う

いや、普通にとってるけど言ったら助けてもらえなくなるとみんな思ってたからね

「んならいいがある時なんざ辺り一面のさーさい みーんな持ってかれた! 誰の山だと思ってんだ!
山に持ち主がいねぇーと寝ぼけた事思ってるだ みんなそうだぞ? 持ち主がいねぇ山なんざねーだ
おめぇーらも勝手によそさまの山にへぇーりこんで何かを勝手にとってくなんざするなよ?登るだけならまあいいわ」

おっさんの口調から怒らせたらヤクザみたいな怒鳴り声になるとみんなが予想できた
色んな箇所で怒り口調になってたからな

「ほぅーれ おめらもうじき下だぞ? ほれ見慣れた道にでつら?」

確かに最初付近の山道だ ここならおっさんいなくてももうわかる。つかもう下の道路 遠くに見えてる

「おじさん どうもありがとうございます。ここならもう大丈夫です」
「ほうか?じゃあきぃつけてかえれよ?」

一人づつ、おっさんを通り過ぎていく、おっさんは真顔で口あけてた
中西が最後だ・・・・通り過ぎようとした瞬間・・・。ドラマならここで衝撃のBGMが鳴るだろうね。


174本当にあった怖い名無し2020/05/12(火) 22:07:47.96ID:tUt3SEcs0

「おめはダメだ!!!!!」 ギャアッ! 中西の悲鳴が聞こえた 見るとおっさんが中西をスリーパーホールドしてた

「ばかったれ!!!おめ!おらぁの目をごまかせるとでも思ったか!?こーなにさーさいもきぬこもとりゃーがって!!!
ええ?なんちゅうがわいぼけ野郎だ!とっすんたぁ てめえの事だ!!てめーだな!おらの山の幸 みんな持ってったのは!
ふざけやがってぇぇぇ!!」 首締めを「ふざけやがって」の言葉と共に力入れてる 中西は窒息寸前

「がわいぼけ」 「とっすん」 聞きなれない言葉だが多分方言で「白々しい」「ぬすっと」という意味なんじゃないかと

俺たちは予想通りの怒鳴り声にビビッて金縛りにあってた マジで動けねぇ

「おめぇーらなにしとるだ!!とっとと下にいけぇ!! こいつはけぇーさんぞ! たぁーっぷり灸をすえてからけぇーしてやるだ!!」

パッッ! おっさんと中西が消えた。 ほんとに2人が消えたんだ 映像処理したみたく 虫の音とふくろうの鳴き声と風の音だけが聞こえるだけ
おっさんが立ってた場所にいってもなんの痕跡もない

女子2名はもうパニックで悲鳴上げて俺たちもどうしたらいいかわからず。とりあえずらちあかないので降りて朝になるのを待った

そして、この山の所有者を地元の人に聞いて家に訪問した。出てきたおじさんに昨日の事を説明して中西を許してやってくださいというも
知らないと言われた。え?そんな馬鹿なと昨日あったおっさんの服装とかいでたちとかを説明するとおじさんは非常に驚いた表情を浮かべた
「家に上がりなさい」というので言われるままお邪魔した 待っているとおじさんがアルバムもってやってきた
「この中にその人はいるかな?」とひとつの写真を指差して言われた

白黒だよ、おい。 何かの集合写真かな?多分山が写ってるから林業の作業かなんかの集まりの写真かな?
白黒だけどはっきりとその人物は見つかった 上段左側にいるおっさん 間違いなく昨日のおっさんだ

「こ、この人です」と伝えるとおじさんは青ざめた表情を浮かべた 「そんなはずないよ、この人 私のじいちゃんの親父だもん とっくに亡くなってる」


175本当にあった怖い名無し2020/05/12(火) 22:09:29.40ID:tUt3SEcs0

おじさんはおじいさんもつれてきてくれた 御年90歳だってよ
おじいさん曰くあの山を最初に所有した人物で勝手に山に侵入する人や山菜やきのこを無断でとっていく連中に頭を悩ませていたそう
そんでとうとう一番収穫を楽しみにしていた種類の山菜ときのこを泥棒にとられてしまって絶叫 絶望と怒りの表情で帰宅したと。
「おらぁのさーさい きぬこ 全部とられた! にくいにくいにくいにくい けぇせけぇせけぇせけぇせ!ちくしょう あほんだらぁ! ひゃっこ野郎!」
と家でわめいたそうな  それから山に防犯のためパトロールする頻度がふえてよそ者がくると見つけるなり怒鳴り散らして追い返していたと。
監視のため山小屋まで作ったと

そして、高齢で亡くなる直前にこう遺言を残した 
「いいか?おらぁくたばったらあの山の番人になっちゃる 守護者になってさーさいときぬことりゃーがったすてごじ(犯人の事)をとっつかめぇて
たぁっぷりと灸をすえてやるんだ! そいつぁこの世でも地獄を味わえるんだ そんであの世でもなぁ たぁのしみだぁ ウケケケケケケ」

笑いながら息を引き取った結末 

「あんたらのお友達は盗ったのだろう? じゃあ言う通りお灸をすえられて帰ってくるはずだ
もっとも父は気が済むまでお灸をすえる性格だったからなぁ 帰りがいつになるかわからんよ」とおじいさん

「さあ、もう帰りなさい」とおじさん

そのあと、もう何か月も中西は行方不明さ 山で遭難したっていってな

そんで、ちょうど一年たった時に差出人不明のVHSが送られてきてね ポストに泥で汚れた封筒に入ってた。
鉛筆で書いたと思われる手紙があって読んだら「あの時のおともだちとみるように 山の番人」とあった

震えあがったね、とりあえず連絡して伊藤の家で見ることにした
酷いノイズのあと、夜と思われる映像がうつり山小屋みたいなのを映してんだ


176本当にあった怖い名無し2020/05/12(火) 22:11:36.75ID:tUt3SEcs0

「へっへっへっへ ひえっへっへっへ」 おっさんの声だ

「さぁ~、すてごじさんを地獄に叩き落すべかぁ? おらぁのなかまぁよんだでなぁ へへへへへ」

「今津よぅ、ようやっとみづがったかぁ よかっだなぁ おらんとこも山菜どろは出とるでよ?」
「盗人はふてぇ野郎だからな しっかり灸をすえねぇとわかんないからな」
「早くやるぞ、どんだけ血ぃでるか楽しみだぁ」

声でおっさんのほかに3名いるようだ 山小屋の中に入っていく 中西が椅子に縛り付けられ布で猿轡されてる!
蝋燭の炎で照らされてるのはえげつない凶器の数々

「おーぅ、コラおめぇ!どんだけ盗ったかみてやるでなぁ!」

ひぃぃぃぃ!!中西の悲鳴が響く 中西のリュックサックを漁るあのおっさん

「おっこりゃ立派なきぬこだ こっちもよく育ったさーさいだ このやろうぅぅ くもすけが!
こーんなにとりゃーがってぇぇぇ!!」
バキッ! いきなりぶん殴った 鼻血がダラダラ出ている
「こーんの盗人乞食野郎! 山を管理するこっちの身にもなってみろ!」
仲間の一人がそう叫び 手に持っていた蝋燭の火を顔面に押し付ける

ぐぎゃああああ! 中西の絶叫が響く

「ほぅーれ!焼けた鉄の棒だぞぅぅぅ!」

真っ赤な鉄棒を目めがけて突き刺す 深々と!

ぎゃはぁぁぁぁぁぁ!! 絶叫 

「こんなぬすっとの手はいらんよなぁ?おーらよっ!!」


177本当にあった怖い名無し2020/05/12(火) 22:12:54.62ID:tUt3SEcs0

鉞で切断 絶叫

場面が切り替わる 崖の上に立たされている中西 なぜか傷がない

「どうだぁぁぁ?しぃぃぃぬ寸前になったら怪我をそっくり治してやるだぁぁぁ げへへへへ
ずうっと仕置きは続けられるぞぉ!」

「ほらぁっ!崖からころがっちめぇ!」

突き落とされ鋭くとがった大小のゴツゴツ石の崖を転がり落ちていく 絶叫が響き渡る

「いやぁっ!もうみてられない」 と城倉が叫び嘔吐しちまった

映像は続く

「こりゃけぇーーーいそうに(かわいそうに) 傷だらけで血まみれだぁ! 優しいおらぁが荒塩をぬりこんでやるでなぁ」

大絶叫

また場面が切り替わる 完治してる震えた中西が映る

「ぬすっとさんにはアカバチ キバチ ツバチ スズメヂによってたかられてじぐほぐ刺されればいいべ な?」

なにやら蜂の巣だらけの洞窟に放り込まれて刺されまくる中西

逃げまどってる様子がまるで踊ってるみたいだ

「ほぅれみれ!はちおどりだ、はちおどり! さされさされて踊っとる ええぞ おどれおどれ!」
場面が切り替わりボコボコした肉塊によっていく

「泥棒がぼっこぶ人間になっちまっただぁ あっあっあ! どこの妖怪だこりゃぁ! ゆかいゆかい」


178本当にあった怖い名無し2020/05/12(火) 22:15:27.96ID:tUt3SEcs0

場面が切り替わりまたも完治した中西が。そして獣の唸り声がする

「さーて生きたままごんぞうのメシになってもらうでな ほーれごんぞう! メシだぞ!」

出てきたのはヒグマだ・・・・。 腕がもがれた、肉片がカメラのレンズにとんできた 足がとんだ 滝のような血だ
目が取れた レンズに当たった (ここで俺ら全員 吐いた)  首がもがれた でも生きている
場面が切り替わる 内臓ぶちまけ胴体から離れた四肢・・・それの食い散らし 頭は半分になって地面に転がってる
それを拾い上げるおっさんの仲間 満面の笑みでゆっくりとこちらにもってくる やめろ やめてくれ 脳みそがだらりとしている (また吐いた)
レンズに押し付ける・・・これで生きているという地獄 うめき声が聞こえている

場面が切り替わる 完治している 「もう・・・殺してください・・・」


「なにょういっとるだぁ!! 灸をすえ終わったらけぇしてやるだ! まだまだおいら達の怒りはおさまらんぞぉ!」

ここで映像は終わった 中西は現在も帰ってきていない どんだけあの空間で灸をすえられ続けているのか。
ちなみに山小屋はおっさんが作った監視のための奴で現在は取り壊されている模様
つまり、あれは当時の世界の空間ということだね 死者が作った死者の世界の空間だ

中西が帰ってきた時はどんな姿で帰ってくるのだろうか・・・欠損した姿か、完治した姿か はたまた死体の姿か・・。
ちなみにVHSだけど見終わってさ、次の日になったらなぜか消えてたんだよね・・・。
どこ探してもないのよ。
俺たちに見せるためだけに送り付けてきたのだろう・・・。

終わり
転載元:http://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1584914883/

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