洒落怖超まとめ

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ガラスの玩具

   

587 名前:長いですけど… 投稿日:02/01/10 17:59
これは3年くらい前、実家で体験した話しです。
実家には子供部屋が1つあって、そこが20畳位あるんです。
小さい頃は兄弟で使っていたのですが、進学のため親元を離れる
ようになってからは、兄の独占状態でした。
そのため、漏れが実家に帰ると、決まって仏間に布団を敷いて寝る
ようにしていたんです。実家に帰るのは、正月かお盆かって位だった
んですけど、これは正月に帰った時に体験したものです。

疲れていた事もあり、親に早めに布団を敷いてもらい、11時には
床についたのですが、(後から確認したのですが)夜中の3時位に
ふと物音に気付き、目が覚めました。その音と言うのが、知っている
方が居るかどうか解りませんが、ガラスの玩具が転がっているような
音でした。簡単に説明すると、鉛筆状の、中が空洞のガラスの管に、
細かなガラスの屑が入っているものです。ガラスの屑は色形共に、様々
で、転がすとキレイな音がします。漏れはこの玩具を見たことがあった
ためそう思ったんでしょうが、実際に物を確認する事無しに、その
玩具だと言う確信が有りました。

588 名前:587 投稿日:02/01/10 18:00
ガラスの玩具の音に慣れてきた頃に、違う音が聞こえてきました。
それは、居間の方からでした。家の仏間は、居間と襖1枚隔てている
だけの所にありました。それは、なにか数え歌のようなもの。小さい
女の子の声でした。「ひと~つ…」「ふた~つ…」と…。よくよく聞
いて見ると、歌っているのは二人で、居間をぐるぐると廻っているよ
うでした。居間には大きなテレビがあるので、その時点では、テレビ
の音だろうと思っていたのですが。その声が居間と、仏間を隔てる
襖の前で止まった時、普通じゃ無いと解りました。数え歌の七つ目位か
らは襖のすぐ向こうから聞こえており、歌が終わると明かに部屋内から

「ズズズッ…」「ズズズッ…」

と、なにか引きずるような音と共に、2人が部屋に入って来たのが解り
ました。もちろん襖が開いた音なんてしてませんでした。

589 名前:587 投稿日:02/01/10 18:01
気付けば金縛りです、一向に動く事が出来ません。部屋に入ってこられ
てから確信しました。2人のお人形さんのような女の子。まったく同じ
顔に、同じ髪型に、微妙に違った柄の羽織。部屋は真っ暗で、起きてから
目は一度も開けてませんでしたが、何故か確信が有り、決して見てはいけ
無いもののような気がしました。

2人が探しているものは明らかです。ガラスの玩具です。それが自分の
頭のすぐ上にある事を思い出した時、恐怖しました。嫌でもこっちに
2人が来るのが解ったので、全神経を使ってなんとか動こうと試みまし
たが、ピクリともしません。そんな漏れをじらすように女の子達は、
少しずつ近づいて来ます。そしてとうとう見つけました…、二人は女の
子じゃなかったようです。なにかくぐもった声で「アッタネ…」
「ウン、アッタ…」等と言い合ってます。それでも、これで居なくなっ
てくれるだろうと思ってじっと耐えていたのですが、2人はクスクスと
笑いあって、動く気配がありません。

590 名前:587 投稿日:02/01/10 18:03
しばらくすると、その不快な笑い声が顔の方に近づいて来ました。
本当に目と鼻の先に…。こうなったら意地でも目を開けまいと踏ん張
っていたのですが。今まで聞いた事のないような大きな声が部屋に
響きました「ハ・イ・ッ・テ・モ・イ・イ?」。びっくりして目が
開いてしまいました、その時目の前にあったものは、2人が入って来た
時に想像した通りの、お人形のような2人の女の子…。2人の死んだ
ような黒い瞳が、そこにありました…。瞬間俺もすごい勢いで、叫ん
でいたようです。

それからは、錯乱していたようで記憶があまり無いのですが、両親が
声に気付いて2階から降りて来たようで。気付いたら父が目の前に居ま
た…。「なにがあったんだ?」と、しきりに聞いて来ましたが、
23にもなって幽霊見たとは言えず、その場は「夢を見た」と言う事で
お茶を濁したのですが、両親は納得してはいないようでした。

591 名前:587 投稿日:02/01/10 18:05
実家は居間が吹き抜けになっていて、両親の部屋、及び子供部屋へ声
が簡単に届くようになっていたので、漏れの叫び声は割合はっきりと
聞こえたらしいんですが。次の日の朝、母が俺にしきりに聞いてきま
した「○○、あん時、ほんとにあんた1人だったのかい?」と。
朝になって「あれは夢だったんだ…」と頭を整理しようとしていた、
漏れはカチンときて「1人に決まってるだろう!」と母に怒鳴りました。
一瞬、強く言いすぎたと思い、母を見るとポカーンとして、一言…。

「でもねぇ…、母さん、確かに聞こえたのよ。あんたの声といっしょ
に女の子のすごい笑い声…」

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