ガードレールの向こう側
485本当にあった怖い名無し2019/03/03(日) 17:12:02.74ID:f4b5t4uB0
https://www.ikowa.net/
より
先日家に帰る途中の出来事。
片側一車線で車通りも人通りもまあまあ多く、信号が少ないので
歩道橋なんかもある至極普通の道を通って帰るんだが。
夕方六時ごろ、すこしだけ茜色と暗い色が混じり始めたころ。
歩 道 橋
歩 │ 車 車 │ 歩
上記のような道の、左側の歩道を歩いていたの。
歩(歩道)車(車道)│(ガードレール)と考えてもらいたい。
5秒おきくらいに車が走っている車道の向こうを、何気なく見たの。
そこに、ものすごく不思議で不気味で、それでいて日常と何ら変わらないような、
なんていうかそんな光景があった。
486本当にあった怖い名無し2019/03/03(日) 17:14:07.63ID:f4b5t4uB0
ガードレールってさ、支柱(縦向きの支柱)と本体(横向きのカード部分)
でできてるじゃん(そうじゃない場合もあるだろうけど)?
ガードレールの下半分、つまり支柱と支柱の間は向こう側が見えるじゃん?
そこに、子供と思われる足があった。
二人、並んで。
でも上に目をやるとガード部分の上には誰もいない。
でもガード部分の下には足がある。
出来の悪い心霊写真で、怖い声をしたナレーターが
「あるはずもない場所に写った足は何を意味しているだろう」てきな
ナレーションをしているような場面を、目で見ている感じ。
487本当にあった怖い名無し2019/03/03(日) 17:14:39.96ID:f4b5t4uB0
あの状態で人間が立とうとしたら、ガードレールの向こう側で、
ガード部分に沿って直角に体を折って隠れないといけない。
しかも二人並んでいたんで二人とも別々の向きに。
服のすそが垂れてもいけない。
それは、あまりにも不自然な光景だけどあまりにも自然にたって(?)いた。
こちら側の歩道も、あちらがわの歩道にも、まばらに人は歩いているのに、
誰もそれに注意を向けない。
無性に確かめたい気持ちと帰りたい気持ちが交じり合い、結局僕は
何も見えてないふりをして帰路についた。
あの見た目の生身感、とてもあちら側の存在とはおもえない。
だがしかしこちらがわの存在だったとしたらどのような状況で、
どのような意味があって「それ」があったのか皆目見当もつかない。
怪奇とは、昼と夜の境目、自然と不自然の境目、現実と非現実の境目、
そういった曖昧なもの、ものというか時間状況その「曖昧」自体曖昧な定義、
そんな「曖昧」に好んで姿を現すのかもしれない。
いや「曖昧」そのものこそが「怪奇」であるのか。
確かめておけばよかった。
「幽霊には足がない」通説を根底から覆えすことになったかもしれないのに。
おわり