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サブリミナル

   

494 本当にあった怖い名無し sage 2005/05/03(火) 09:31:50 ID:k7OolPuG0
会社の先輩Aさんに聞いた話。

Aさんが帰宅するため、夜の九時頃電車に乗り、座れる場所がないかとキョロ
キョロあたりを見渡すと、隅の方に空いてる席をを発見した。
その隣には、鈴木京香似の美人が文庫本を読みながら座っていた。
Aさんは、彼女の隣に腰を下ろしながら、
『おお、美人だ!美人はどんな本読んでんだろ?』
と思いつつ、彼女の手元をチラリと見た。
彼女の、マニキュアがほどこされたスラリと長い親指の上に、黒の太いマジッ
クで
「サブリミナル」
と書かれてあった。
左手の親指の上にも同じく
「サブリミナル」
と書かれてあった。
Aさんは、『…変な人だな』と、思わず彼女の顔を見てしまった。

彼女は、顎はずれるんじゃないかと思うほど大口を空けて、Aさんをみつめて
いたそうだ。
と、きゅうに唇をタコのように突き出し、声になっていない声で
「ぶ」と言った。
今度は唇を大きく横に開いて「り」
また唇を突きだし「み」
そのひとつひとつが異常にオーバーアクションだったそうだ。
Aさんは、脅えつつもその後「な」と「る」がくるのかと待っていたが、彼女
は「み」まで言うと、何事もなかったように、また文庫本を読み始めた。

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