洒落怖超まとめ

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ヨーヨーがほしい

   

478 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/05/03 22:54 ID:4q1s7gOz
高校生2年生のときの話です。
わたしは夏休みの1か月を利用して、仲良しのFちゃんと
ハワイ大学の夏期語学講習に参加しました。
社会人の人もいてなかなか貴重な体験でした。
そのなかの1人、22歳のYさんはすらっとした美人で、
話しやすくてすぐに仲良くなりました。
ある日、自由時間後にわたしたちが部屋に戻ると、
隣室のTちゃん(当時16歳)が駆け込んできたのです。

いつも元気な子なのに、白い顔をして怯えていました。
「あたしさっきまで1人で部屋にいたんだけど、
インターフォンが何度も鳴るの。10回以上だよ。
そのたびにドアを開けると誰もいないの。
初めはいたずらだと思ったんだけど、なんかおかしくない?」
男の子のいたずらじゃないのー?なんて言ったのですが、
Tちゃんがあまりに動揺しているので、わたしたちは
彼女を連れてYさんの部屋に行きました。Yさんが、
「子どものころから霊感が強い」と言っていたからです。

Tちゃんの前のイスに座って片膝を抱えると、
Yさんは考え込むような仕草をしました。
「ヨーヨー…。『ヨーヨー欲しい』って言ってる」

479 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/05/03 22:54 ID:4q1s7gOz
Yさんが「ヨーヨー」と言った瞬間、Tちゃんが、
「なんで!?」と叫びました。
「ヨーヨーって、あたしがきのうゲーセンで取ったやつでしょ?
さっき1人で部屋にいるときに遊んでたんだけど……そんなこと
誰も知らないはずだよ……」
Yさんは困った顔でTちゃんを見ました。
「きのうみんなでダイヤモンドヘッドを回ったでしょう。
その途中で、男の子がついてきちゃったみたい。小さな男の子。
Tちゃんの遊んでたヨーヨーが欲しい、遊ばせてって言ってるよ」
「いやー、どうしたらいいのー!」
Tちゃんは泣き出してしまい、霊体験とは無縁だったわたしも
Yさんの説得力のある雰囲気に圧倒されて、黙り込んでしまいました。
「盛り塩をしなさい。部屋の4隅に置いて、手を合わせてあげようね。
わたしが一緒に厨房に行ってあげる」

2人が厨房に向かうと、わたしとFちゃんは一目散で自分たちの
部屋に戻りました。Tちゃんの部屋はわたしたちの隣。
意識的にそのことは話さないようにして、買い物のことや、
東京の友達に出す絵葉書をどう書こうかなんて話をしながら、
早々に寝ることにしました。

480 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/05/03 22:55 ID:4q1s7gOz
しかし、眠れませんでした。部屋の隅からずっと、
ゲームボーイの音が聞こえてくるのです。
Fちゃんは、当時流行っていたテトリスを持参していました。
でも、こっちに来て2日目にゲームボーイは別の階の
男の子に貸していたのです。2人ともハワイに来てぜんぜん
やっていないのだから、音が耳につくはずもありません。
だけど怖くて言い出せませんでした。
気のせいだ、これは気のせいだと思い込もうとしていると、
Fちゃんが小声で、
「ねえ、さっきからずーっとテトリスの音が聞こえない…?」
って言ったんです。
「ぎゃ!」
わたしは叫んでFちゃんのベッドに潜り込みました。
わたしのうろたえぶりを見て、Fちゃんは「やっぱりこの子にも
聞こえてるんだ」って思ったそうです。
シーツをかぶって2人で震えながら朝を迎えました。

Yさんのアドバイス後、帰国まで無事にTちゃんの周りで
おかしなことは起こらなくなりました。
でも、きっとあの夜。わたしたちの部屋には
その男の子が遊びに来ていたんだと思います。
いまでもFちゃんとはあまりその話はしません。
長文ごめんなさい。

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