洒落怖超まとめ

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869本当にあった怖い名無し sage New! 2011/07/14(木) 01:12:21.56 ID:rc0TjBf70

俺は今32歳。人生で三度引っ越したことがある。
一度目は高校一年の頃で、二度目は浪人生の頃。
そして三度目は、25歳で念願の一人暮らしをはじめた。

俺が選んだのは都庁を遠望できる集合住宅の一室。
自転車で新宿駅まで二十分位の立地。
毎日方南町方面から新宿に向かう坂を駆け上がるのは
正直言うと最初はきつかったけど直に慣れた。
家賃は確か八万くらいだったけど、まあそんなに負担はなかった。
はっきちいっちゃえやルームシェアってやつだ。
俺には親友の女がいて、奮発して借りた部屋に招待したら
あっちも気に入っちゃってな。ルームシェアを持ちかけてきたんだ。
恋愛感情は全くなかったけど、女と二人でルームシェアってなんかドキドキで断れなかった。

俺と彼女の生活の相性は抜群だった。
俺も彼女も余計なものはトランク一個以内のサイズでしか持たないから。
よくある風呂トイレキッチン付ワンルームマンションみたいな感じの部屋でも問題なかった。
ま、このタイプにしちゃかなり広めだったからもあるかもな。
ちなみに、男女のルームシェアってんで、皆興味深々なんじゃないかと思うが、あんまセックスはしなかった。
彼女は美人に生まれてたんだけどもな、性同一性障害。
女の子が好きなタイプだったんだわなあ。
ほんでこんな生活が四年続き、部屋も彼女の吸うタバコのヤニの色が馴染んできた矢先だ。

870本当にあった怖い名無し sage New! 2011/07/14(木) 01:18:48.09 ID:rc0TjBf70

「ねえ。最近なんかおかしくない?」
みたいなことを言われた。
別に普通に共同生活できてたし、全くおかしいことなんてなかった。
最初にそんな話をされてからどんくらいかなあ。正確にはおぼえてないや。
「ねえ。なんか変だよ」
このときに前にもそんな事言われたなあなんて前回の話を思い出した。
「何が変なの」
っていうとだな。
「いやあたしね。最近この壁に顔が見えたりすんの」
「はぁ?」
「だよね。おかしいよね。だって四年もねえ」
「…まじで見えるの」
「おかしいってわかってるんだけどね。見えるものは見えるのよ
あんたの後ろの壁で指一本角のように見える位置にでてきたり
あんたの方を見ながらあっかんべえしてたり
おっかしいよねえ?幽霊とかって無意味なことしそうにないんだけど」
「正常な判断は出来てるように見えるんだけどなあ」
「うん。っていうかあたし最近調子良いしさ」
「そういやサブマネだっけ?」
「それは、父さんが会社継がそうとしてるだけ。
最近はさ。あんたの子供もらおうかなってまあ恋愛?っぽいものが充実してきてるんだよね」
「は?ちょっとまて…子供って?シングルマザー?悪いけどそういう話には協力できない
いくらおまえが凄くたって仕事も家事も育児もじゃさすがに体壊すだろ」
「そういうと思った。じゃ、あたし達結婚しない?」
「はい?」
「あたしの事好き?」
「まあ最高のともだちだわ」
「あたしもおんなじ。昔は、性転換しようとか、色々悩んだんだけどねえ。
でも、やっぱり、あたしの子供が欲しいんだよね」
「俺プロポーズってもっとロマンチックなのがよかった」
「嫁にこない?」「嫁に来るのはそっちだ」「はい決まり」

871本当にあった怖い名無し sage New! 2011/07/14(木) 01:21:05.68 ID:rc0TjBf70

そんとき確かに俺にも聞こえた。
ぶびびぃって鼻を噛む音が。
すぐ側の壁の方から。
見たら壁に人の姿が映しだされてて
なんか涙ぐみながら鼻かんでるのね。
「おめでとう」
その一言を言ってその姿が消えやがんの。

その後、結婚して、一児をもうけたのを機に引っ越した。
彼女は完全にワーカホリックで出産すらも休みは最低限で仕事に復帰。
俺は出産後から彼女のたっての願いで専業主婦。
火かけわすれてテレビみてたりするとだな。
テレビの後ろに壁にぷっくりほっぺのおっさんが描かれ?現れて
台所の方を指さして消えたり。
うん。完全に取り憑かれちまった。
そのたんびに膀胱から汗が出たりする俺。
今では完全に俺が嫁状態です。
男がおしめ変えるようじゃあ、おしめえだよな。
おわり。

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