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丘の上の学校

   

8本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 02:53:30.42 ID:M05VVOzs0

私が19歳の頃、季節は孟秋にまで話は遡る上に長文となりますが、
よろしくお願いいたします。
また、私自身はかなりノンキですので伝えきれるかどうか。

車で遠征。人間4名。天候は雨音が聴こえないほどの小雨。
時刻は丑の刻。目的地は高等学校。
そう、不法侵入です。虫のいい話ではありますが、現在は猛省しております。
その高等学校は坂の上に位置し、周囲の団地を一望できるほどの高台にありました。
私も高校時代はこんなステキな学校で、クラスメイトの女子と通学したかった...
この校舎は特段霊が出るというウワサを聞いたことはありませんでしたが、
探索しようという事になりました。

10本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 02:59:47.57 ID:M05VVOzs0

学校へ足早に到着し、まずは侵入経路の確保と校舎の間取りの確認。
そして、警報の有無の確認等を行います。
私は主に侵入経路の確保を担当という手筈になっておりましたが、
校舎内に入ってから違和感が始まりました。
記述しにくい違和感なのですが、例えば夢の中で走ろうとしているのに上手く走れない
、そんなモヤモヤしたジョウタイです。 「見付けた。おい、お前ら。ここ空いているぞ」

そこは管理棟と学生棟を結ぶ1階渡り廊下の窓であり、
位置は向かって左手側が学生棟で右手側が管理棟となっており、
ほぼ管理棟内にその窓は位置しておりました。
鍵は半開状態となっており、窓を揺らせば簡単に開ける事ができました。シメシメ。

12本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:04:50.08 ID:M05VVOzs0 先頭は私でした。
まずは暗闇を目視し、耳を澄ませて異常が無いかを確認しました。
正面は管理棟の廊下が続き、突き当たりに別の渡り廊下と連なる窓が見え、
左手側には渡り廊下に一カ所だけ備えられている白いカーテンが見えました。
カーテンは少し波打つように揺れており、
その奥には夜の光を受けた雰囲気のある階段と体育館へ続くと思われる扉が見えました。

13本当にあった怖い名無し sage New! 2011/12/29(木) 03:07:14.41 ID:gjmGiAVa0

??

校舎内にはもう入ってたんじゃなかったの?
さっきの違和感は何?

もう少し分かりやすく書いてほしいな・・。


14本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:07:30.25 ID:M05VVOzs0

そして、学生棟の方からは雨の音か風の音か分からない低い音が、うめき声のように鳴り響いておりました。
しかし、注目すべき場所は正面20m、管理棟の向かって右手側に位置する警備員室です。
物音はせず人の存在は確認できませんが、灯りが点いています。
防犯対策でしょうか、実際に人がいるのでしょうか、どちらにせよ管理棟に長居しない方が得策だろうと判断しました。

15本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:11:21.99 ID:M05VVOzs0

>>13

ああっ、申し訳ありません。校舎と学校を区別しているため、わかりにくくなっておりましたね...。
校舎は建物であり、学校は敷地内と考えてもらっていいです。

違和感はなんでしょうか、入ったらダメな空間に入ってしまった感じと考えてください。

16本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:14:26.11 ID:M05VVOzs0

と思ったら誤用でした...。文字削りすぎて変に統合してしまったようです。

「おい、入ってきていいぞ」

これを合図に同行者達を校舎内へと侵入させました。その間、私は警備室に動きが無いかをじっと観察し、
たまに入ってくる同行者達の様子を伺っていました。
私は同行者1人目が校舎内へ侵入したところで、
思い出すようにあまり注目していなかった学生棟の方へと視線を流すように送りました。
学生棟へ私は流し目程度に目を送りましたが、
「あれ?」と思いもう一度そちらを見直しました。綺麗な二度見だったと思います。
凝視します。何かがおかしい。
さっきと何か違う。何か…。あ、


カーテンが無くなっていました。
いや、しかし、そんなものが無くなるわけない。
もしかしたら外からの光でカーテンに見えていたのかもしれないと思い、同行者へ質問。

「なぁ、あそこにカーテンなかったか?」
「カーテン?外からは何も見えなかった」

19本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:21:19.79 ID:M05VVOzs0

そうか、なかったか。私の勘違いか、なるほど、早合点。特に気にしない事にしました。
それよりも警備員室の方を注目しなければナリマセン。
そして特になにも起こらぬまま最後の一人が窓に足をかけ、侵入しようとしていた時です。
私はもう一度、渡り廊下の方へと視線を送りました。
それと同時に前述した違和感を更に強力にしたような感情に襲われたのです。…答えは明白でした。
カーテンがそこにあり、揺れていました。
しかも位置がおかしい、レールに着けるはずのカーテンが窓の中央あたりに付いていたのです。
いや、違う。

それは真っ白なくるぶしまでのワンピースを着た女性の霊でした。
正確に言いますと、従軍看護婦の服を着た女性の霊です。
しかし、白髪は束ねられること無くぼさぼさに帽子からはみ出ており、
後ろに手を組んだ状態で「気をつけ」の姿勢をとっていたのです。
窓にはほぼ密着しており、口をポカンと開けて窓の外を眺めていました。
正確に言うと眺めていたかわかりません。
目や鼻があるはずの部分が真っ白の更地になっていたからです。

22本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:33:11.15 ID:M05VVOzs0

お歯黒べったりという妖怪がいますが、あのようなカンジでした。

「うおっなんだあれ…」
「初めてみた…」

同行者達は情けないヒッという悲鳴を上げてから各々一人ごちりました。
一方私は平静を保つことで精一杯だったので、霊を傍観することしかできませんでした。
その間1分くらいに感じましたが、実際数秒だったと思います。
みな呆気にとられていると突然
ぐるんっ
と女性の霊はこちらへ綺麗な回れ左を見せました。


気付かれたのです。
「あぁ…やっぱり…」
正体不明だった低いうめき声のような音の正体も、知ることになりました。
「おおおお」ではなく「ああああ」となにか嬉しそうなうめき声。
女性の霊は惚けたような口からうめき声を出し、こちらへ歩いてきました。
しかも今まで思っていた幽霊の動きよりも全然速かったです。
イメージとしては大きな病院の看護婦なみの速度。
カツカツという気持ちのいい硬質な音が聴こえそうな速度でした。

「ヤバい!!」
と同行者達は足早に逃げ出しました。

「えぇっ!?薄情な奴ら!」
それどころじゃないことは理解していましたが、流石に驚きました。

25本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:42:55.95 ID:M05VVOzs0

今考えれば同行者達は私の具合など気付いていなかったのでしょう。

私は体と精神が分離しそうな状態で、倒れ込むように窓から脱出しました。
そして、後ろを何度も振り返りながら走って逃げました。
何度も確認する余裕があったのは、校舎を抜けると体がある程度楽になった為と、
霊が私達が出た窓の所にずっと立っていたからです。
息も絶え絶えで車まで戻り、私の車の周りには同行者が早く開けて!の熱烈なコール。
答えない訳がありません。
キーを差し込みエンジンをかけてとにかく走らせました。車内は安堵とする者や、
興奮まだ冷めぬ者もおり、恐怖の余韻とはこういうものなのかと感じつつ、私は前者に含まれていました。

27本当にあった怖い名無し New! 2011/12/29(木) 03:50:59.58 ID:M05VVOzs0

その日はそのまま解散しました。

後日その町の図書館へ赴き、郷土本を調べることに。

憶測通りと言いますか、あの丘の上の高等学校は戦時中病院であったらしく、
爆撃を受けて潰れたかどうかは書いていませんでしたが、戦後取り壊されていたようです。
その上に高等学校を建てたと。日本ではまぁ、よくある話でした。
お目汚しでございましたが、とりあえずこれで終わらせて頂きます。

その後もちろん取り憑かれたわけですが、
長くなりますのでもしも見ている方がいましたら...

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