ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 31-40 > Part 31 > 二人の会話 2016/04/22 583 名前:本からコピペ 投稿日:03/03/25 13:25 ある朝、仮に洋子とします。 洋子はラジカセの留守録昨日をセットした。 夕方FMで放送される番組を留守中に録っておこうと思ったのだ。 その夜、彼女はアパートに帰ってきてから早速テープを聞こうと巻き戻して 再生した。ところが肝心の番組が録れてない。 原因はすぐ分かった。ファンクションスイッチをFMチューナーでなく 外部録音にしたまま予約をしていたのだ。人の居ないアパートをずっと録音し続けて いたのだ。がっかりしてスイッチを切ろうとしたとき洋子はスピーカーから聞こえる 妙な声に気付いて停止ボタンから指を離した。 それはか細い女の子の声のように聞こえた。 留守の部屋に声なんかするわけない。 584 名前:本からコピペ 投稿日:03/03/25 13:25 不思議に思いながら聞いてみると、どうやら声はふたつ。どちらも小声だがやっぱり 幼い少女のような感じがする。 聞き取りにくいのだが、こんな会話だったそうだ。 ……もっときれいにすればいいのにね。 ……本当よね。きれいにすればいいのにね。 彼女は最初それがなんのことだか分からなかったそうだ。 じっと耳をそばだてて聞き入ってると会話は更に続いた。 585 名前:本からコピペ 投稿日:03/03/25 13:26 ……ずっとこのままなのかしらね。 ……このままじゃ嫌よね。 ……もっときれいにすればいいのにね。 ……本当よね。 彼女は自分の顔から徐々に血の気が引いていくのを感じた。 ゆっくりと後ろを振り返る。 部屋の隅、かべにつけるように大きな洋服ダンスが置いてある。 その上に何年か前に友達から貰った2体の少女人形がある。 タンスの縁から両足を出すように座り、人形はお互いのカオを向き合っていた。 長い時間放置されていたせいかふたつとも埃まみれだった。 煤けたようなカオをしたままそれらは互いに見つめ合っていたそうだ。 B! LINEへ送る - Part 31, 洒落怖