洒落怖超まとめ

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仏壇

   

354 本当にあった怖い名無し sage 2005/12/20(火) 16:19:02 ID:J1Ev8Cjd0

幼いころの記憶なので、
細かいところはよく覚えていないのですが。

僕の実家には大きな土蔵がありました。
先祖代代伝わってきた、
訳のわからない掛け軸とか、
扇子だ壺だとかが、
山ほどありました。

ある日、いいかげん古いものは処分しようと、
家族総出で整理をしました。

出てくる出てくる、
もう使い物にならないような花器や、
古びた箪笥、
なんでこんなもん取っておいたんよ、ってくらい。

僕はもうイヤになって、奥の方で探検をしていました。
そして一番奥に、
四角い箪笥のようなものがあるのに気がつきました。
「なんだよ、また箪笥かよ・・・」
と思いながら、近くに行くと、ちょっと感じが違います。
よくよく見ると、どうやら古びた仏壇のようでした。

355 354 sage 2005/12/20(火) 16:20:01 ID:J1Ev8Cjd0

「と~やん!仏壇があるよ!」
父を呼ぶと、
「そんなアホな」
とか言いながら、奥に入ってきました。
そして、
「ほんとに・・・仏壇だなあ・・・」
父も、土蔵の奥にひっそりと置かれた仏壇に
目を丸くしていました。

「誰の仏壇だろなあ?」
父は首をかしげながら、
閉まっていた扉を開けようとしました。
しかし、1センチくらいは開くのですが、
それ以上は開かずに、
手を離すとすぐに閉まってしまいます。
まるで中から引っ張っているようでした。
父も僕も何回かチャレンジしましたが、
すぐにイヤになってしまい、
そのままにしておきました。

どうせ1日で全部片付くような広さでもなく、
またにしようという話になり、
この日は作業も終了となりました。

356 354 sage 2005/12/20(火) 16:20:45 ID:J1Ev8Cjd0

疲れもあってか、晩酌の時の父は面白いほど
酔っ払っていました。

そして、また仏壇の話になりました。
「ありゃなんだろうなあ?」
家族のだれも知りません。

そして、一休みして
疲れもとれた今なら開くかも?
と、よせばいいのに
父と僕は懐中電灯片手に、
再び土蔵へと行ってみました。

昼間とはうって変わって、
夜の土蔵は真っ暗でいやな雰囲気です。
父と僕は、仏壇の扉に手をかけました。
「せーのっ!」
掛け声とともに、
力いっぱい取っ手を引くと・・・

「うわ!」
僕と父は思わずスッ転んでしまいました。
全く抵抗が無く開いたのです。
「なんだよ・・・」
父はぶつぶつ言いながら立ち上がると、
仏壇を覗き込みました。

357 354 sage 2005/12/20(火) 16:21:30 ID:J1Ev8Cjd0

「ゲゲゲゲゲゲゲゲ!!!」
「あああああ!!」
奇妙な鳴き声と、
父の悲鳴が一緒に聞こえました。
その時の光景は今でもしっかりと覚えています。
仏壇の中から、妙に干からびた、
爪の伸びた手が2本、
父の頭を抱え込んで、
仏壇の中に引っ張りこもうとしているようでした。

僕は半泣きになりながら、
父に飛びつくと一生懸命引っ張りました。
しばらく、格闘が続いたあと、
急に引っ張る力が無くなり、
僕と父はまたもや尻餅をついてしまいました。
そして、わき目も降らずに家に逃げ帰り、
その日は一睡もできませんでした。

夜遅くまで、あの
「ゲゲゲゲゲゲ!!!!」という、
聞いたこともない声が響いていました。

次の日、恐る恐る家族全員で仏壇を覗きに行くと、
仏壇は扉が全開のままでした。
中にはなにも入っていませんでした。

ただ、仏壇の扉には、
内側からひっかいたような後が、
幾重にもついていました。

いったいあれは、何だったんでしょうか?

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