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加害者は誰か

   

602本当にあった怖い名無し sage 2008/12/15(月) 14:26:22 ID:b2vYchxo0

この後の本題とは無関係だけど、まとめサイト見ていて気になった、
時空のゆがみpart7「一瞬の眠り」について少し。
これを読んで驚いたんだが、自分も同じ経験をした事がある。

ただ、自分の場合は朝だった。
眩しさに眼が覚めて、時計を眺めると朝8時頃。
もう朝かと思いながらまばたきすると、目の前の時計は4時頃をさしていた。
周囲の色も、白い光の朝日が夕日に変わりつつあって、何事かと辺りを見回した。
その時は子供なりに「まばたきの一瞬にぐっすり眠ってしまったんだろう」なんて考えて、
うちの母親は比較的そういう話も聞いてくれたので、
飛び起きた自分は母のものとへ行き、さっそくその話をすると、
「一瞬で眠ったり、時間が飛ぶ事もあるかもしれないねぇ」と応じてくれた。

604加害者は誰か・1 sage 2008/12/15(月) 15:20:12 ID:b2vYchxo0

本題のもう一本。長文です。実話。

どうも自分の家系は、父母共にえらい因縁やら怨念を引き継いできたそうだ。
以下、寺の住職が自分や、あるいは親に話したもの。

まず母方の家系には稲荷信仰をやってた先祖が憑いていると言う。
ただ、少し長くなるが、それは悪い狐が憑いたとか、そういう話ではないらしい。
そもそも理解している人間が少ないが、と前置きされたのは、
「神」は万能でも無ければ、無限に力を持っている存在ではないんだという事だった。
お稲荷様に限らず、誰かがお祈りやお願いに訪れると、
神はその願いをなるべく叶えてやろうと考え、参拝者に力を貸してやる。
ところが、ここで『借りた力を返しに来ない者』が必ずいる。
願いが叶った、努力が実ったと、お稲荷様等の神様にお願いした事を忘れる。
その話を聞いて、その無礼な態度に怒って害を為すのか、と聞くとそうでも無い。

この段階では稲荷神は別に何をするでもなく、順番に力を貸してやるのだが、
そのうち、本人(本神?)の力が足りなくなってきてしまう。
こうなるともう、新しい願いを無視するか、
先に力を貸した人から、無理に返してもらうしかない。
つまるところ『借金の取立て』、今風に言えば『不良債権整理』だ。

稲荷信仰にどっぷり使っていたその先祖(商人)も最初は上手くいっていたが、
そのうち「取り立てられる」側に回り、何もかもがうまく行かなくなって、
身代を潰したと言う話だった。
まずそいつの借金と、感じている悔しさ、辛さが圧し掛かっていると言う。

続きます。

605加害者は誰か・2 sage 2008/12/15(月) 15:22:52 ID:b2vYchxo0

今度は父方の家系。こっちはもっと深刻だ。

戦国時代だか何時代だかは解らないものの、私の先祖は位の高い武将…
…ではなく、そいつを討ち取ったようだ。ただし、それは戦場での事。
もちろん褒美も出ただろうし、功を挙げて名も立っただろう。

だが、討たれた武将の家はそれで完全に傾き、一族郎党が路頭に迷い、
最終的にどうにもならず、全員死んでしまった。これにまず、恨まれている。
ところが当の先祖自身すらも、その事によって出世したは良いが、
彼自身か、その子孫なのかは良く解らないが、父方の先祖もまた、
高い地位を与えられた事による責任から、心労でダメになって家を潰した。
毎日生きた心地がしなかった上、今でも辛い、助けてくれと泣きついてきていると言う。
辛い、辛いだけで子孫に八つ当たりしているのだ。

まだある。
他には、詳細は覚えていないが、その先祖は正義感が強く、
周囲の窮状を見て奮起し、世の為人の為に頑張っていたそうだが、
理想に実力が伴うかどうかは別の問題で、途中からどうにもならなくなっていった。
(先の討ち取られた武将一族の恨みとかが原因かも、等とも)
周囲の人間に失望されると自棄になり、俺はこんな頑張ってるのに何でだ、
あんなに頼ってちやほやしたくせに、何で掌を返すように冷たくなるんだ、
と嘆いた挙句、自殺。
そいつがまた、お前らも俺と一緒になっちまえ、と自分の子孫を呪っている。

まだ続きます。

606加害者は誰か・3 sage 2008/12/15(月) 15:24:38 ID:b2vYchxo0

他にも殺された赤子やら(母方のお婆ちゃん曰く)淫乱性悪女やら、
あんまりな内容で、それももう覚えきれないほどゴロゴロ出てくる。
流石に「幾らなんでも理不尽すぎる」と腹が立った。
とにかく、内容に八つ当たりや逆恨み、自分が原因であるパターンが非常に多い。
戦場で討ち取られて恨むなんて、侍のくせに潔くないと反発を感じたり、
自分が自殺したからって何で子孫を同じめにあわそうとするんだ、と。

そんな自分の言葉に答えて住職は、
「そもそも怨念や因縁が、理論的なものな訳無いじゃないですか。
 殆どの場合、それは逆恨みや難癖で、相手に非があろうが無かろうが、
 相手はそんな事に関係無く一方的に暗い感情を溜め込むものだし、
 対象を不幸にしたって、それで気が晴れたりなんかはしない。
 数人で恨みを晴らして成仏するようなら、まだ良心的ですよ」と言う。

まさしく「末代まで呪ってやる」の世界そのもの。
更に都合が悪いのは、親戚を見回しても、自分と同世代が一人も居ない事。
妹が一人居るが、男性は自分一人。
何人かは結婚しているが、子供は一人も居ない。本人達が望んでいる場合でさえも。
結局、父方と母方で別々に受け継がれてきた怨念(?)的なものは、
最終的には、全部自分か妹へ、特に自分に来る可能性が高いと言われた。

まぁ、それだけなら迷信乙と言って済ます事も出来たのだが、
じゃあ、実際のところ何があったか、という話で、
普通大した事件は無かったり、偶然の事件が殆どかとも思うけど…

607加害者は誰か・4 sage 2008/12/15(月) 15:26:51 ID:b2vYchxo0

母の家系は、父の家に比べるとかなりマシ(それでも少しアレだが)で、問題は父の家。

まず、父方の家は、それはもう酷い家で、父の母(自分にとってのお婆ちゃん)は、
ある日突然、父と父の兄を並んで座らせると、急に改まって、
「私は明日から狂いますから、明日からは二人の力で生きていきなさい」
と宣言し、そして実際におかしくなってしまった。
祖母は美人ながら元々欝の気があったそうだが、もう完全にダメ。家事一つできなくなった。
自分がもの心付いた頃には、祖母(50代半ば)はもう完全にボケていた。
祖父もアル中で、祖母同様、もの心付いた頃にはボケていた。
(昨年、脳の半分が壊死して植物状態になり、一年ほどして死んだ)

両親同様、親戚(後に夜逃げ→消息不明)もロクデナシばかりだった為、母が言うには、
父は口癖のように「あんな人間(両親や親戚の事)にだけはなりたくない」とボヤいていた。
ところがその父自身、事故現場に直面しても、救急車を呼ぶ事すらしない人間で、
それでもまぁその頃はまだ優しい所もあったらしく両親は結婚、工芸関係の仕事を始めた。

自分が生まれ妹が生まれ、ちょっと小学校で苛められもしたが、まぁまぁ何とか暮らし、
何度かの引越しの後、家を建てようという事になり、家を建てた。
ところが、その家が傾いていた。土台の沈下で、現在進行形で酷くなってる。
更に、家を建てた『建築会社がこちらを』訴えてきた。
で、父はその後ショックで酒量が増え…色々省略。
重要なのは『きっかけそのもの』は父に原因は無かった、という事。

608加害者は誰か・5(終了 sage 2008/12/15(月) 15:31:00 ID:b2vYchxo0

結局、父はその「なりたくない人間」そのものになった。
全部話してると長くなるので詳細はカットするけど、人間としてのクズ要素を、
一通り備えていると想像してくれれば、現在の父の人物像はだいたい合ってる。

母は数年間、豹変した父に付き合いつつも一人で家庭を支えていが、流石に離婚した。
(元々離婚しろと喚いていたのは父だったのだが、保留していた)
住宅裁判で支払われた賠償金は全額借金の返済に充てる、という条件で父が受け取ったが、
株に使い込んで全部消えた為、自己破産を申請した。
(…と本人は言っているが、もう喋る内容が全て嘘か本当なのか解らない)
母方の親戚には連帯保証人を頼んでいた為、当然、母は親戚関係と絶縁状態に。
それでも、さあこれから新しい人生を、という時になってガン。
手術は成功したが、転移率が中々高いそうで人生終了です本当に有難う御座いました。
自分は父とも連絡をとれる状態だが、連絡はとっていない。

…何が怖いかと言えば、自分が上の話を聞いていたのは前々からだけど、
だからそ逆に、そんな怨念に負けるか、気をつけて生きるんだ、と思っていた。
だが、父が「あんな人間にだけはなりたくない」とボヤいていた話は、つい最近知ったんだ。

そして自分もまた「父のような人間にだけはなりたくない」と普段からボヤいていた。

若い頃の父の言葉を、この前母から聞いて、目の前が真っ暗になった。
何時か、何時か自分も、あのような人間になってしまうのではないか、と。

という訳で俺は今その傾いた家に一人で住んでいます。

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