ホーム > 洒落怖 > Part 1-100 > Part 21-30 > Part 27 > 吹雪のスキー客 2016/04/18 63 名前:楢山 投稿日:03/02/12 23:29 これは私の父の体験談です。 父は高校の時分、登山部に所属していたそうです。 高校二年の冬、友達と二人で雪山登山をする事になりました。 その日は昼間の晴天と打って変わって、夕方近くになりますと、とんでもなく吹雪き、ほぼ視界はゼロになってしまったそうです。 引き返そうにも前が見えず不可能と判断した二人は、もう暫く頑張って登り続ければ、 その先に山小屋がある事を知っていたそうで、とにかくその山小屋までいそいだそうです。 その途中、吹雪の中スキー客二人が、上の方から滑ってくるのが見えたそうです。 そのスキー客は、父のすぐ横を滑って麓の方に行ってしまいました。 父とその友人は暫く歩いているうちに、ある事がとても気になったそうです。 「こんな吹雪の中、よくスキーをしていられるな、ましてや視界はほとんどきかない・・・」 実は、そんな事よりもっと気になる事があったそうです。 彼等が滑って行ったあとに、スキーでできるはずの轍(わだち)がなかったということです。 それと、ほんの1M先も見えないような中、上からスキー客の滑ってくるのがどうして僕等に見えたのだろうか・・・ 父と友人は山小屋で一晩過ごし、翌朝下山したそうです。 麓では捜索隊が騒がしく人を探していました。 はじめは自分達を探す為の捜索隊かと思いとても焦ったそうです。 しかし、話を聞くと、三日前から戻らない男女二人連れのスキー客を探しに行く為に編成された隊だということがわかりました。 父は、昨日の出来事を話したそうです。急遽、いま来た道を逆戻り、隊をその場所に案内しました。 昨日の吹雪の中では見えなかったそうですが、スキー客とすれ違ったと思われる場所のすぐ横には崖がありました。 その崖の下で二人の遺体が発見されたという事です。 B! LINEへ送る - Part 27, 洒落怖 山