洒落怖超まとめ

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夜の女

   

498本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 19:51:44 ID:ekQ4NGghi

貧乏な俺のワンルームには風呂もトイレもクーラーもかったが、夏の夜は涼しくて、それほど苦ではなかった。

壁は薄く、となりの音はまる聞こえ、オナニーするのも、エロビデオを見るのも声と音を気にしていた事は苦くも今となっては微笑ましい思い出。

さて、そんな我が家の左隣は30後半の女。生活保護で暮らしてはいたが、見ようによっては美人の部類。 でも、頭は緩そうな雰囲気の人だった。趣味はうがいかと聞きたくなるくらいに、いつもうがいをしていた。

右隣の住民はガテン系な50すぎの男。 共同のキッチンの水で堂々と全裸になり業水するような非常識な人だったけれども、なんとなく憎めない雰囲気をもっていた。

全部で10戸の長屋。ワケありから生活保護者、貧乏学生、ただの貧乏人と、人生の負け組が大集合したようなアパートだったが、それなりに居心地のよい空間だった。

この長屋の隠された得点…住民だけが知っている秘密…いや…住民の一人を除いて勘違いをしていたアレを知るまでは…

502本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 20:12:00 ID:9ThEQCTbi

俺にアレが初めてやってきたのは…住み始めて2年目の契約更新の次の日の夜。

どうせ貧乏人、取られるものもない俺の部屋には鍵がない。 入ろうと思えば誰でも入ることができるけれども、入ったところで何もない。寝るときだって開け放して寝ている。

寝ている俺の部屋に誰かが入ってきた。ちなみに、隣のおっさんは酔っ払ってドタバタと入ってくることがたまにある。その夜はやけに静かだ。

気がつけば耳元で、しーっ声を出さないでと女の声。髪は長くいい香りがする。 隣のうがい女かなと起きようとすると、手で制されて、起き上がれない。

あれよという間に、女は手で俺のイチモツをまさぐり始めた。不覚にも、ものの数秒で逝ってしまった。 抗議しようと口を開けば、人差し指で制止…そこから…長い髪が首筋から胸元へ、腹から…。

今だから告白するが、あの時、俺は童貞で、風俗にすら行ったことのない純な成年だった。 この刺激の強いイタズラに酔いしれ…気がつけば眠りに落ち朝を迎えていた。

505本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 20:22:39 ID:mkoDV+XCi

俺はこの出来事を話さずにはいられず、次の日に隣のおっさんに話してみた。 おっさんはニヤリとイヤラシイ顔で、ついにお前のところにも来たかと一言。 この長屋の男9人は、これですべて夜の女のお世話になったことになるらしい。

月に1回、その夜の女は現れる。そうこうしているうちに1年が過ぎた。

あいかわらず、隣の女はうがいをしている。

俺は彼女こそが夜の女…俺だけじゃない、みんな、そう思っていた。 ただ、不思議なのは、いたって俺達に接する彼女の態度が普通であったこと。まぁ、俺達も必要以上に絡むこともなかったのだが…ね。


506本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 20:36:33 ID:mkoDV+XCi

隣のおっさんとは、この件をきっかけに仲良くなった。親父くらいの年だが、人なつっこい。よい友人だ。

ある晩、飲みながら、ふと夜の女の話になった。 あの女は、なんで各部屋の男を漁っているのか?それでいて、口と手でするだけで本番はない不思議。 一番の不思議は、9人の男のうちの誰一人として、本番に至ろうとしない、何故か、満足させられてしまうことだ。

あれこれと議論をしてみたけれども、結論が出ないままに2人で深夜に帰宅。今日は103が開いている。 夜の女もご苦労なことだと話しながら2階へ上がった。

2人して、何か…違和感のようなものを感じ立ち止まる。夜の女の部屋の前だ。 背筋に冷たい汗が流れ落ちる。


510本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 20:52:07 ID:mkoDV+XCi

吐息が聞こえる…寝返りをうつ音がひびく…俺たちは…下で奉仕しているはずの女の部屋の前で青ざめた。

急いで階段を下り103へ。もうそこには、女の姿はない。 というより、ただ開け放していただけで、今日は奉仕の日ではなかったのかもと勝手に結論付けて、その夜、俺たちは床についた。

次の朝、朝からガラガラとうがいをする女を横目に103号室へ。 昨日のコトが気になって仕方がなかった。夜の女は来たのか?聞きたいのはそれだけだ。 103号室は浪人生。食糧の調達以外は部屋にいる。

なぁ、昨日、女来たよな?と俺。嬉しそうな顔で奴は頷いた。いつもの女だよな?と聞く俺に、そうだよと一言。

そして、俺は…どうやら気絶したらしい。

目を覚ましたのは自分の部屋、もう深夜のことだった。

513本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 21:06:16 ID:mkoDV+XCi

とかく、確実なのは…隣の女と夜の女は別人であるということだ。いったい誰が…?天井を見つめながら思案する。

月明かりは屋根に隠れ、部屋も暗くなり始めた頃…いつもの女の気配を感じる。 いつもより吐息熱く耳元で、お待たせ…と一言…俺は恐怖で声も出せない…体は硬直し…胸元だけが激しく上下している。金縛りとは違うが、激しい緊張が似たような症状をもたらす。呼吸すら難しい。

夜の女は…そんな俺を嘲笑うかのように体を舐め回す。

もうやめてくれ…声にならず…喉からかすれた息を…



514本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 21:16:16 ID:georWJX/i

そのとき、壁をぶち破るような音がひびく!おっさんだ!緊張が溶けて体が自由になった。 すかさず、女を突き飛ばしおっさんに駆けよった。

こいつ…うがい女じゃねえよ~と泣きながらおっさんの足にしがみつく。

ただ事でない俺の雰囲気に気づいたおっさんは酔いも冷めたか冷静になり、明かりをつけた。

見なければ良かった…今でも2人で飲むと笑えない…話…

そこには…

515本当にあった怖い名無し sage New! 2010/01/21(木) 21:17:25 ID:georWJX/i

齢72歳…


大家…

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