やがて女優の台詞はなくなり、ただ耳元に「ハァハァハァハァ」と言う激しい吐息が吹きかかるのみになりました。コンピューターの画面が揺らぎ、吐息に呼応するように波打ちました。
すると勝手にコンピューターが何かのプログラムをダウンロードし始めました。
あと十秒、五秒、残り時間が減るごとに吐息は激しさを増し、画面の揺らぎも激しくなりました。
そしてダウンロードが完了しました。
ほんの一瞬、静寂が訪れました。
夢か?
そう思った瞬間、画面がストロボのように激しく点滅を始め、
部屋全体を目のくらむほどに明滅させました。
吐息は生暖かい息となり、さらに耳元ちかくにさらに激しく吹きかけられました。
耳の中に舌が入ってくる感覚もありました。
恐怖で今にも気絶してしまいそうでした。心臓が破裂しそうなほど脈打っていました。
それなのに、僕は股間が硬くなってしまっているを感じました。
突然腰の両後ろから真っ白い女性の両手が伸びてきて、ジーンズのファスナーを下ろしました。
そしてその中へ手がねじこまれていきました。
気がつくと、僕はキーボードの上に射精してしまっていました。
パソコンの電源は落ちていて、テレビ局は放送を終えていました。
ノイズが映っているだけです。
夢にしては余りにもリアルに意識がありすぎました。
パソコンには意味不明の外国語が表示されていました。
不気味過ぎなので僕はプログラムをハードディスクごと全部消去してしまいました。
身の凍るような恐怖とこの世のものとは思えない快感をいまだに覚えています。
その出来事以来、僕はパソコンを開くときはテレビは必ず消すようにしています。