洒落怖超まとめ

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子供に見えるモノ

   

268本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 14:40:16 ID:ym2GK1ah0


こないだ法事で実家に帰ったんですよ。
私の実家は東京から電車で二時間弱の片田舎。
駅から歩いたら一時間以上はかかるのに
バスも一時間に一本くらいしか通らないような場所です。

個人的にあんま暮らしやすい場所じゃないので私は大人になったら家を出たんですが、
まあそれまでは生まれてからずっと暮らしていたのでいわゆるふるさとって感じですか?
「ぼくの夏休み」みたいな感じの場所を思い浮かべてもらえるといいかと。
とにかく山の多い場所です。

で、いろいろはしょりますけども私も別に常に意識していたわけじゃないんですが、
ごくごく近所のとある山(地元では神様の集まる山とされています)の裏側のふもとに一軒の廃屋があるんですよね。
山と山に挟まれて田んぼの広がっているような場所で、まわりにもほとんど民家はないし
車も入れるか怪しい、大通りからは目視できないような場所です。
そこの山の斜面に、なんでか、やたらひろーい敷地の廃屋が一軒だけ、ぽつんとある。
門から入り口まで山を登ってくみたいに、すんごい長いの。
その門から家まではもう草木が生い茂っちゃってとても人は通れないのですが、
門から入らなくても、家には斜面から直接登っていくことができるんです。
文才ないからわかりづらいかも?ごめんなさい。

269本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 14:41:11 ID:ym2GK1ah0

で、その廃屋は私が子供の頃は地元の子供にはそれなりに有名だったような気がするんですが
今はそのあたりの子供の数もすっかり減っちゃったし、山を登ったり探検する子も減ったみたいで、
今実家に住んでる親戚の子供たちは全然そんなの知らないって言うんですよ。

ちなみに私は今アラサーで、つまりもう20年以上は前からそこは廃屋なんだけど今も手が入らず、
親に聞いてもそこがなんなのか、持ち主が誰なのか誰も知らない。
というかそもそも当時の大人はそこに廃屋があったことすら知らなかったみたいなんですよね。
ごく近所の人なら知ってるかもなんですが、なにしろ周りに家もほとんどないもので。
まあ噂になるようなわかりやすい因縁がないってことかもしれないんですけど。

ちなみにその家は結構オシャレな作りで二階にバルコニーとかあって、
居間の壁には間接照明かなんか付いてたりするんですよね。
だからそんなに古くないのかもしれない、バブル前くらいに建ったのかなあ?
なんでそんなことを知っているのかと言うと、もちろん子供の頃に中まで入って探検したからなんですけどね。
一階の玄関は打ち付けてあって入れないんだけど、バルコニーの窓から中に入れたの。

で、今回実家に帰った際、親戚の子供たちも立派な悪がきに成長したってことで、
ちょっとおねーさんの武勇伝を聞かせるつもりで廃屋の話をしてあげたんです、ふっと思い出して。
そしたらもう興味深々で、当然行こう!ってことになって。
「うわーそれはめんどくせえな」と思ったんですけど、言い出したからにはと連れて行きました。
もちろん、「危ないから中には入っちゃダメだよ」と強く言い聞かせましたけど。

270本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 15:00:31 ID:ym2GK1ah0


その日は雨が降りそうな曇りでした。
結構臆病な私はあんま暗い時にそこに行くのはなんとなくいやだったので
昼過ぎくらいの、まだまだ日の高いうちに行ったんですけど、それでも暗い。
元々山の中なんであまり日当たりの良い場所じゃないんですけどね。

女の子二人と男の子一人、計三人の子供を連れて、大人は私といとこのAちゃん(子供の母親)、その旦那さん。
ちょっと事情があってAちゃんは子供の頃からそこで育ったわけではなく大人になってから家に入ったので、
その場所を知っているのは私だけです。
ちなみに私の世代で本来の実家の本家筋?の血?を継いでるのは私だけなんですが、まあいろいろあって私は家を出たんですよ。
Aちゃんが家をついでくれたので私としては助かっています。

そのあたりも国道沿いなんかは随分開発されて新しくなってるんだけど、
山を登って降りて、例の廃屋に続くあぜ道と田んぼあたりは相変わらずのど田舎でした。
というかその山、神様が集まるってんでそのあたりにしては結構大きなお祭りがあるんですけど、
そのお祭りも年々縮小されさびれてしまって、つまり「土地は開発されてるけど山はさびれるいっぽう」って感じみたいなんですよね。


というわけで廃屋は特にお金を掛けて壊そうという人もいないのでしょう。
今も昔と変わらずそこにありました。

271本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 15:15:08 ID:ym2GK1ah0

まだ前置きだけなのに思ったより長くなってすいません。

会話なんかは省きますが、まあとにかく昔と同じように斜面を登ってバルコニーに立つことができ、
そこから家の中を覗くことができました。
私が最後に見たときから15年以上経ってるのでちょっとバルコニーの床板なんかが腐食していて怪しいので
順番にそっと昇ってみたんです。(斜面に建っているので直接バルコニーにいける)

昔と違ったことは、誰かが強引に入り込んだのか、一階玄関を打ち付けていた戸板?が外されて
玄関が開きっぱなしになっていたことでしょうか。
あとは子供の頃の記憶にあるとおり、
バルコニーから続く居間らしき部屋の床には新聞と雑誌が散乱していて、
タンスが半分開いて衣服らしきものがはみだしており、
壁から天井、床までところどころが真っ黒に変色している……

今思うと子供の頃の記憶にあるとおりっていうのは不思議ですね。
15年もたったら紙類なんかはなくなっちゃうような気もしますが、もしかすると浮浪者なんかが
住み着いてるのかもしれないです。

272本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 15:24:44 ID:ym2GK1ah0

その家の面白いところは庭に温室があるところなんですよね。
前述の通りとにかく草木生い茂っちゃってるんで近くに行く気にはなれないのですが
もうガラスなんかも当然全部なくなっちゃってるし。でも珍しい家だなと思います。

家の中には入るつもりになれば入れるんですが何しろ床がどうなってるのか危ないので、
外側からぐるぐるじろじろ、みんなで口々にあれこれ囁きながらいろいろ覗きました。
そのときふと、Aちゃんの息子(小学校低学年)が「あ!」と小さく叫んで駆け出しました。
バルコニーを駆け下りようとするのでもちろん慌てて皆で叱りながら追いかけたんですが、
子供は身軽であっというまに庭へ下りてしまいました。

何度も言いますが庭なんかはもう藪みたいなことになっているので危ないです。
Aちゃんの旦那さんが男の子の名前を呼びながら追い掛けて、私たちはひとまず家から下りることにしました

273本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 15:38:38 ID:ym2GK1ah0

夏だったら本当に緑萌えてしまっていてとても庭なんか行けなかったと思いますが、
幸か不幸か結構枯れてたのですね。
あぜ道まで下りてしばらく待っていると、Aちゃんの旦那さんが息子の首根っこを掴んで下りてきました。
息子ギャン泣きです。
ちょうど反抗ざかりで暴れたいさかりなので中々生意気なことを言いながらお父さんに反発しています。

なんとなく微笑ましい思いでそれを聴きながら「じゃあ今日はこれでおしまいねー、皆で帰ろうねー」
と言って女の子(いとこの子供は姪じゃないですよね、なんだろ)の手を握って歩き出そうとする私の耳に、
息子の訴えが届いてふいにぞっとしました。
「だってー、温室に子供がいたんだもーん!」

もちろんいるわけないのです。
お父さんも「そんなわけないだろ!」とはなから相手にしていません。
Aちゃんの息子はB型のサガかもともと興味のあることには猪突猛進して周りが見えなくなるタイプなので
(ちょっと多動気味)温室に興味が湧いて夢中で駆け出してしまったのを、何か理由をつけて言い訳しているのでしょう。
「人がいた」というのは思いつきやすい理由です。

「いたんだもん、ほんとだもん、声もきこえたもん」
しかし息子は引きません。
これ以上続けても押し問答になるので真実は問い質さないことにして、とにかく私たちは車に乗り込みました。

274本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 15:53:35 ID:ym2GK1ah0

ちなみにAちゃんの子供は一番上が女の子、息子、さらに小さい女の子です。
私は一番小さい女の子を膝に乗せて「こわかったねー、面白かったねー」と言いながら髪を撫でたりしていました。
「今日はおねえちゃん(私)もお母さんもいたからいいけど、子供だけで行っちゃ絶対だめだよー」
そう言うと女の子はこっくりと頷きました。お兄ちゃんに似ず、おっとりとしたおとなしい子です。
はにかみやさんで普段あんまりお話もしてくれないのですが、そのときはぽつりと言いました。

「こわかったからもーいかない。」
「こわかったかー、ごめんね。おうちこわかった?」
彼女はふるふると首を振りました。
「XXXXちゃんがいたからこわかった」
XXXXの部分はよくわかりませんでした。が、瞬間、ぞっと背筋が冷えたので聞き返す気にはなれませんでした。
右隣では息子が目を真っ赤にして口を結んでいます。
怯えているようすではなく、自分の言うことを信じて貰えないので拗ねているように見えました。
まあ息子はちょうど反抗期なのでちょっとした小競り合いなど日常茶飯事なのでしょう。
Aちゃんと旦那さん、お姉ちゃんは既に特に気にするそぶりもなく、夕飯の予定を相談しています。

276本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 16:08:45 ID:ym2GK1ah0

買い物中、私は息子の傍にそっと寄って話しかけてみました。
何しろ私はオカ板なんかに出入りしてるだけあって怖い話が大好きです。零感で何も見たりしたことはないですが。

「おーい。ねぇほんとに子供いた?」
「いた」
「どんな子だった?何歳くらい?」
「○○(妹)と同じくらいの女の子」
「ふーん、服装は?」
「袖のないワンピース」
「……ふーん、もう寒いのにね」
「うん、だから寒い寒いって言ってた」

本当かどうかはわかりません。
もちろんあとを追いかけたお父さんは子供なんか見ていないはずです。

これだけでも自分的にはかなりヒットに怖かったのですが、その夜、ビールをしこたま飲んで寝ているときに
ふっとあることを思い出しました。

281本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 16:38:06 ID:ym2GK1ah0

私は子供の頃かなり山の奥深くまで入り込んでよく上からその廃屋を見下ろしたりしていました。
神様の集まる石碑群?からさらに奥へ入ると家を見下ろせるポイントがあるのです。たしか。
ちなみに山の上、木々の隙間から見ると屋根と朽ちた温室しか見えません。
そして、そこから温室を見下ろした記憶の景色には確かに子供がいました。
それはノースリーブの白いワンピースと麦藁帽子の女の子なのですが、
なぜか、いつ見下ろしてもそこには必ずその子がいたように思うのです。
一ヶ月後三ヵ月後とか、そこに昇るたび何度も繰り返してその子を見るうちに、
なんとなく不気味になってその場所に上るのをやめたんでした。

その時まで全然忘れていたのですが妙に息子の言葉と符号します。


関係ないようですが、そもそもその山は神様が集まるお祭りのある山です。
山の名前からして神々しいというか、子供の頃は結構怖かった記憶があります。
そんな場所に建ててしまったから廃屋になってしまったのかなーとか、ちょっと思いました。


うーん、なんかあんまうまく伝えられなくてすいません。
自分的にはすごく怖かったんですが。

304本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 21:23:49 ID:ym2GK1ah0

なんか嘘みたいなんだけど書き込みしたのと同じタイミングでやばいことがおきてしまった……
小説風♪とか書いて面白がってる場合じゃなかった。

って誘い受してもしょうがないんで事実のみ書くけど
Aちゃんの息子が今日の夕方から行方不明になって何時間も探したところ
さっき例の廃屋の温室で発見されたらしい……;;
今高熱出して寝込んでるらしいんだけど
廃屋に行ってからずっと奇妙な言動があったみたいでちょっと自分の責任感じてすげーこわい

なんかオバケ見るらしいんだけどお祓いとかしたほうがいいの?これ

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