洒落怖超まとめ

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尻軽女

   

余り長いと叩かれそうなので、ダイジェストで…
(ま、それでも短くはないけどね)

Kは、仕事の都合上、いつも深夜に帰宅していた。
ある日、自宅の近くまで来たところで、バス停にぽつんと座っている女性を見つけた。
一度は通り過ぎたのだけど、始発のバスが通るまでかなりの時間がある。
気になって引き返すと、バス停の前に車を停めて声をかけた。
話を聞くと、友達に置いて行かれて、途方に暮れているとの事。
朝まで家には帰れないと言うので、男の性というか、下心もあって
じゃぁ朝まで付き合おうか?と、車に乗せる事にした。
女性は、無口な方だったが、年齢は20代前半ぐらいで結構可愛いし、うつむき加減の表情にKは欲情してしまった。
人の来ない場所を見つけ、車を停めると、さりげなく体に触れる。特に抵抗する様子もなく、
結局は車の中で朝まで抱く事になる。

それからというもの、週に1度ほどのペースで同じ時間帯に同じ場所にその女性はいた。
Kには彼女がいたが、帰宅が遅い事もあって、デートは滅多に出来ない。
この女性はKにとって、非常に都合が良かった。見かけるたびに車に乗せては、朝まで過ごした。
何度も会ってるにも関わらず、連絡先も教えていないし、お互いの素性は簡単な部分しか分かっていない。時間的に彼女に浮気がばれる可能性も低い。
そうやってるうちに何ヶ月かが過ぎた。

ある日、飲んだ席で友人にこの事を話すと、「それは都合がいいな」と言う話になり
友人も一度やってみたいとの話になった。

そして、友人はKの車を借りて、予定通りにバス停にいる女性を乗せる。
女性は、余計な事は言わなかったが、車について聞いてきた。誰の車か、その人はどんな人か、
もちろんKの車だから、車の持ち主の話題はKの事だ。

そして、その時、Kに彼女がいる事を話してしまう。
女性は、その事には何も関心を示さなかったし、結局はKの言ったとおり、簡単に車の中で抱かせてくれた。
Kは何となく女性を物として扱ってしまったような罪悪感から、顔を合わせるのが気まずくて、帰宅のルートを変えるようになる。
それから1ヶ月ほどしてから、異変に気が付く。過去に彼女と撮った写真の全てに、あの女性が写っているのだ。気持ち悪いが、関わらない事以外に方法が思いつかない。
それから、しばらくしてから、友人の車が修理の為に使えないとの事で、Kが車を貸す事になった。
かつて、同じ女性を抱いた友人だ。Kは深く考えずに貸したのだが、友人は過去の出来事を思い出し、かつて女性を乗せたバス停を通ってみた。
前に会った時と同じように、そこに座っているし、声をかけると素直に車に乗ってきた。
そして、以前と同じように女性を抱いた後、立ち小便をしてる間に女性はいなくなっていた。
さびれた場所だったが、夜も明けようとしていたし、もしかしたらここら辺に住んでいるのかもしれないと思い、特に気にする事もなく帰宅し、Kに車を返した。

それからしばらくの間、Kは仕事の都合で急遽長期出張となる。

出張から戻り、久しぶりに彼女とドライブしていると、走行中にトランクの閉め忘れ警告ランプが点灯する。車を停め、トランクを確かめると…

トランクの天井部分一面に、
「会いに来て。会いに来て。会いに来て。会いに来て。会いに来て。会いに来て。……」
赤い文字で埋まっていた。

Kは、すぐに車を売却し、引っ越しをする事にした…。
その一件以来、友人も何度か例のバス停を通ったが、あの女性を見た事はないらしい。

 - Part 79, 洒落怖