洒落怖超まとめ

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廃墟の住宅

   

106 名前:1/2か3 投稿日:03/08/25 17:23
学校の帰り道、気が向いたので少し回り道をして裏山を通ってみる事にした。
ねこじゃらしで遊んだり、花を摘んだりしながら歩いていくと、幾つかの建物が見えてきた。
(それは廃墟になった住宅地で、そこ自体には何度か行ったことがあった)
ついでにここで遊んでいくか、と思いずんずん奥へ入っていった。
1棟、2棟、・・・と来て一番奥の3棟に上り、あたりの気色を見回していた時、
うっそうと繁った雑木林の奥に、もう1つ建物があるのを見つけた。
あれーあんなところに建物あったかなー、と思い、とりあえずそこに行ってみることに。
近づいてみるとその建物は他の3棟よりも少し大きく、4階建てだった。
とりあえず1階に登ると、自動販売機があり、見た事も無いジュースが売っていた。
何も書いてない真っ赤なラベルのもの、旧字体がびっしり書いてあるもの、
「血」と書いてあるもの、細かい文字で「ありがとう」とびっしり書いてあるもの・・・
それを見て少し怖くなったが、とにかく2階に上ってみることにした。

109 名前:1/2か3 投稿日:03/08/25 17:51
2階に上ってバタバタドアを開けまくって遊んでいると1つだけ開かないドアがあった。
しょうがないのでドアの新聞受けから覗き込むと、誰かの顔が見えた。
まだ幼稚園くらいの幼い男の子の顔だった。
一瞬ビビったが、向こうからテレビのアソパソマソの歌が聞こえてきたので、
「誰か住んでたのか」と思いほっとした。幽霊が出るとき普通アソパソマソの歌なんか聞こえてこないよな。
安心した俺は、向こうの男の子を笑かしてやろうとバイキソマソの物真似をした。男の子はキャッキャッと声をあげて
笑った。俺は調子に乗ってドキソちゃんの物まねもした。男の子はまた笑った。
よし、次は木の枝でも突っ込んで脅かしてやろう。俺は木の枝を探す為に一旦新聞受けから
顔を離した。
木の枝を探す俺の視界に開いたドアが入る。俺はふと違和感を感じた。何かが
おかしい・・・
ドアの向こう側は、新聞受けのポストになっていたのだ。
幼稚園の男の子と言えども、顔なんて突っ込めるはずはない。
それに気づいた瞬間、ドアノブがすごい勢いでガチャガチャと回り始めた。
俺は2階から飛び降り、めちゃくちゃに走って家に着いた。どこをどう走ったのか全く覚えていない。

それから何度もあの廃墟に行ったが、一度もあの4棟目の建物を見つけた事はない。
雑木林の中に友達を連れて行ってみた事もあったが、見つからなかった。
何よりも、雑木林の奥は、崖になっていたんだ。

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