洒落怖超まとめ

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従兄弟

   

167本当にあった怖い名無し 2009/04/29(水) 10:50:25 ID:nI/F3tWHO

ちょっとかなり長文になるし、洒落にならないって程の描写じゃないんだけど、最近体験した話を・・

俺は母方の実家で婆ちゃんと二人暮らしです。こちらに来て3年近くなります。それを踏まえた上での話になります。

一昨日従兄弟が遊びに来た。
俺の母親の弟の息子でこちらの方に住んでいて珠に遊びに来る。
彼は神奈川の海関係のテーマパークで、水族館の飼育員をしている。そして、何度か精神を病んだ事がある。
理由は分からないがなぜかその仕事をする人にはそうした事が多いらしい。

俺がこちらに来た頃、丁度彼は鬱期のピークが来て、仕事を休んでいた。
一人暮らしをしていたアパートも引き払い、彼自身の実家に戻って療養していたらしい。 幸い、ほぼ回復していた為、同じ市内に住む俺の所に遊びに来る事が多かった。

基本的には明るくて行動的な奴で、久々に会った時もほぼ不自然な部分はなく、仕事にも少しずつ復帰していたようだった。

彼との一番の共通の趣味が「怪談好き」・・特に稲川淳二のファンで何度か一緒にライブにも行った事がある。
それだけではなく、心霊スポット巡りなども好きらしく県内の心霊スポットを友人と回ったりもした事があるという

168本当にあった怖い名無し 2009/04/29(水) 10:53:04 ID:nI/F3tWHO

そして、実際に観たこともあるらしいのだ。

一頃、彼は国分寺に住んでいた。彼が住んでいたアパートには良く出ていたらしい。

更にこちらに戻って来てからも、住んでいたのは某有名お化けトンネルのすぐそばで、頻繁にそうしたモノを見たり聞いたりしていたという。そして、そこで精神を壊した。。

しかし、実家に戻った後は順調に回復し、仕事にも無事復帰したようだ。 そして、家を出て新しく出来た彼女と同棲し始めたらしい。

その彼の様子がおかしいと祖母から聞いたのは二月ほど前だったろうか。

彼女が気付いて病院に連れて行き、診断をうけたらしいと、ばあちゃんが飯時に話して来た。

じゃ、まあ、ちょっと様子を伺ってみようとメールをして遊びに来るよう誘ってみた。 お互いに休みがあった日に奴は来た。それが先月の事。

その時は取り立てて変わった所もなく、そうした事を直接聴くのも差し障りがあるし、普通に遊んで普通に帰っていった。 で、一昨日、その彼が遊びに来た訳だ。
大体彼とはDVDを借りて見た後、夜は眠くなるまで話をするというのがお定まりだ。

先月は彼が好きだと言う「エイリアンVSプレデター」を観た。 これ自体はまあまあだったのだが、彼が見終わった後「2」も見たいと言い出した、時間は午前0時30分頃。

個人的には別に見たいとは思わなかったが、余りにうるさく言うので仕方なく歩いて、片道20分くらいのビデオ屋まで行き「2」を借りて来た。結果は大味な内容。「レンタル代金+ビデオ屋に行った時間+鑑賞時間全てを返してくれ」と願いたくなるようなモノ。
しかも、それを見ている最中奴は「何でこんな映画作っちゃったんだろうな」と笑いながら言ってたが。 お前が観たいっつったんだろ!しかも、こ奴は一回観てるというのだ。
全く呑気な話だと想ったがこの様子なら問題はないように見えた。

169本当にあった怖い名無し 2009/04/29(水) 10:55:41 ID:nI/F3tWHO

そんな訳で今日も俺らはレンタルショップに赴いた訳だ。

その道行き、奴はこういいやがった
「そういえばさ。俺、幽霊観ちゃったよ。女の幽霊・・」俺はそれを聞いた時はそんなに深く考えず「そっか、じゃあ夜ゆっくり聞かせてくれよ」言って、レンタルショップに入った。

そこで、稲川淳二の怖い話を含む数本借りて家に戻った俺達は仮眠をとる事にした。
俺は夜勤明けだったし、向こうも朝早かったらしいのだ。

仮眠明けて風呂やら飯やら食ってたら20時くらいになったろうか、とりあえずDVDを見始める。

それを観終わって少しテレビを観た後、近況を話した後、次を入れてを三回くらい繰り返した。

まだ稲川淳二のが一本残っているが疲れたので小休止しようと言ってDVDを止めた。 時間は深夜2時近く、何だか随分静かな晩だ。

俺がまず切り出した「で、幽霊観たってのはいつの話よ?」俺が聴くと
「ああ、つい最近だよ」話を纏めるとこうだ。

彼は夜中に一人、テレビでパソコンの動画サイトの稲川淳二の動画を観てたという。 そんなもん観てるからだというツッコミはこの際置く。
その時ふとテレビの上に目を向けるとそこに青白い女の顔がぼんやりと浮かんでいたという。

あれ?と思っているとだんだんそれがはっきり見えだして来た。 そしてその顔がソファに横たわってる自分のところにす~と飛んできて、自分の顔目掛けて進んできたままズボッと「突き抜けていった」という。

しかも、それだけではなく、日を置いて又やってきたらしい。その時は顔だけではなく全身が見えたという。

そして、やはり同じように彼のそばまでやってくると体を今度は体ごとズボッと突き抜けていったらしい。

170本当にあった怖い名無し 2009/04/29(水) 11:01:59 ID:nI/F3tWHO

「いや、その時さ。顔がめり込むような感覚がしたんだよ。 そのまま顔に埋まって歯に何か当たるような感覚までしたんだ。。でも、全然怖くないんだよな。 何かそういうの観ても、普通の女とか子供とかの姿だと別に怖いとは思わないんだよね。」そんな事を言う。

「本当かよ。。十分過ぎる体験だと想うぞそれ」言ってやると。
「そうかな?いや、実はさ、それだけじゃないんだよね。今住んでる所ちょっとおかしいような気がするんだよ」

彼が住んでいるマンションは一つの部屋が二つの階に跨っているタイプのモノだという。 部屋の中に階段があってて上の階行き来が出来るようになっているらしいのだ。

その階段の下にはちょっとしたスペースが出来ている。そのスペースの中の奥の壁にダンボールが張ってあるというのだ。

どうも穴が開いているらしい。見栄えが悪いので大家がダンボールで塞いだという話なのだという。
「でもさ、どう考えてもダンボール張ってあった方が見栄え悪いよな。それに俺達が入る前リフォームしたらしいんだよ。 入る時説明で100万かけてリフォームしましたとか言われたんだよ。 何でそこだけダンボール張ったままなんだろうと思ってさ・・」確かに妙な話だ。

しかし、妙なそのはれだけじゃないという。

夜、居間でテレビなどを観ていると隣の部屋から足音が聞こえるらしいのだ。 どうも子供がタッタカタッタカと軽やかに部屋中や階段を走りまっているように思える・・変だと思い覗いてみるとだれもいない。。そんな事が日常茶飯事だという。

「後さ、どうも彼女も何か感じてるらしいんだよね」ともいう。どういう事かというと、彼らは二階を寝室にしているらしい。構造上そこは隣の住人の部屋とは隣接していない。

ところが、夜ベッドで寝ていると壁の向こうを指で引っかくような音がする、更にタン、タ、タ、タタンタンと指で壁を叩くような音もするという。彼女は滅茶苦茶怖がりなので、気にしないように言っているが腑に落ちないという。

171本当にあった怖い名無し 2009/04/29(水) 11:08:32 ID:nI/F3tWHO

「後さ、これは関係ないと思うんだけど。一階に掲示板があるんだよ。 住人へのお知らせみたいのが張り出されたりしてるんだけどさ、最近そこに(夜中に上の階の人の走り回る音がうるさくて眠れません。そのせいで病気になりました)って貼り紙が張ってあるんだよ」
誰が書いたかは無記名な為分からないという。

「でもさ、普通夜中に、そんな走り回る奴なんていないしさ、病気になりましたって言い回しもおかしいじゃん。 そんなに酷いなら直接抗議するのが普通だろうし気味悪いって言えば気味悪いよ」

あとは部屋の中にあるサメやイルカなどの置物が触れてないのに動いていたりという事もあるらしい。

「そんだけの事があって、怖くないのか?」俺は聞いた。
すると「だって、何かこれといってあった訳じゃないし。気のせいかなと、あまり深く考えてなかったんだよ。 でも、おかしいよな・・」

奴は、そう言ったあと「あのさ、一ぺん来てみなよ。どんな感じか分かるから」こう持ちかけてきた。

「そうだな、客観的に誰か見てみた方が良いかもしれないな。来月にでも行くよ」と答えた。

「じゃ、そういう事でとりあえず寝るとするか」大分夜も更けてきたし眠くなってきた。
しかし奴はこういった。
「え?稲川淳二のDVDまだ一本残ってるじゃん。観ようよ」あんだけの話して、まだそんな事言うのかこいつは!

「嫌だよ、俺は眠いし疲れたんだ。寝るよ」

「いいじゃん。勿体ないしさ。俺まだ眠くないもん。観ようよ」とかいうのですよ、この大馬鹿者は。

まりにうるさいのでDVDは再生した。ただ、俺はほぼ夢うつつだった。


172だじ 2009/04/29(水) 11:24:42 ID:nI/F3tWHO

(長文本当にすみません、あとコテつけます。もう終わります)

段々腹が立ってきた。眠いのに邪魔しや段々腹が立ってきた。眠いのに邪魔しやがって。。

「お前もな、危機感無さ過ぎだよ。ああいうのが出た場合慌てちゃいけない。 心を落ち着けなきゃいけないっていうのは間違いじゃない。

でもお前は端からおかしい事だと思ってないんだろ。それは良くないんだ。いわば半分憑かれてるからだよ。 だから怖いと思わないだよ。でも、考えてみろ。 自分が不安定になって激しい鬱が来たときとそういうのが見えだした時と比例してる筈だ。

精神的にヤバくなってる所をつけこまれるんだよ。ヤバくなってるって自覚を持たないと又危ないぞ」一気にまくし立ててやった。

すると「言われてみればそうかも」という。そうかもじゃないだろ。

「そんだけ色んな事があっておかしいと思わない方がおかしい。兎に角、少しは怖い事が起きてると認識した方が良い。
その後ゆっくり落ち着いて対処するんだ。そうすれば大抵は大丈夫だよ」
「うん・・何か段々怖くなってきた」話してると「うぅぅ」薄く女の呻き声のようなものが聞こえた。

とりあえず何とかしなきゃ。俺は隣の仏間に行くと仏壇に線香を備えた。鈴を鳴らしてお参りする。
そして、正直素人が余りやらない方が良いと聞いてはいたもののやむを得ず九字を切り、PCの動画サイトで「般若心経」を流した。それで漸く落ち着いたように思えたので、それを切った。

「明らかにおかしかったな」俺がいうと「ああ、ヤバい感じがした」奴も答える「まだ空気変だもんな、全く、こんなとこにまで出て来やがって。とりあえず今度行くよ。様子見に」「分かった」会話を交わし、暫くして落ち着いたように見えたので

「ああ、もう大丈夫か?少し和らいだ感じするもんな。いなくなったんだな。兎に角その女はヤバい気がするよ」話してると「バシッ」と半端ない怪音。

とりあえず線香に火を付けて部屋に煙をたなびかせて、日本酒を用意して二人で一口ずつ口に含んだ。

思い当たる対処方を試して、後は全然関係ない話で無理やり盛り上がり夜明けを待った。

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